ヘコまされた被害者&その家族と不登校児童・生徒&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

法律相談の予約は、電話06-6364-6033,eメールならaoifast@gmail.comです。出張相談も受けます。

被害者の個人情報の公開or報道は許されない

2019年08月24日 23時03分10秒 | 相続
 ポエナ犯罪被害者家族の会という団体が,犯罪被害者の実名報道に関して,以下のような意見を表明しています。
 現在の法制度では、「死者には人権がない」状態です。仕方がないことではありますが、法律家も人権団体も考えているのは生きている人の人権のみです。
 ポエナの会では、亡くなった被害者の「命の権利」を訴えてまいりました。当事者の人権は被害者本人に。遺族にあるのはその代行だと考えております。
 現在、犯罪被害者と家族・遺族の情報とプライバシーの保護は、大きな関心事となっております。基本計画においては、被害者の実名発表・匿名発表について、犯罪被害者等の匿名の希望と、マスメディアによる報道の自由、国民の知る権利、さらにプライバシー保護と公益性を統合的に勘案しつつ配慮するという枠組みが定められています。
 犯罪被害当事者の実名発表は、とても難しい問題です。特に未解決事件や、少年犯罪などで不起訴になってしまった事件の被害者とその家族・遺族の場合、実名報道をされないと被害事実そのものがなかったことにされてしまい、本人の生きた証も否定することになりかねません。そのため、犯罪被害者等の中には実名発表を求める声も大きいのです。
 さらに、現在の犯罪被害者等基本計画による取り組みの「配慮」には、明確な基準がなく、原則が明記されていません。個人情報の保護が進むことは喜ばしいことなのですが、それが恣意的な判断となり、事実を覆い隠してしまうことにつながる懸念があります。そこで、ポエナの会では「情報の保護」に関して、原則として「実名発表」を意見とさせていただきました。

 私は,被害者の実名を含む個人情報は,本人の同意がない限り,公開したり報道したりできないと思います。被害者が亡くなった場合は,一切公開できない,ただし,①被害者が公開を望んでいることが明確に推知できる場合,または,②個人情報を公開することによって得られる利益が個人情報を秘匿する利益を明白に上回る場合にのみ,極めて例外的に公開は許されると思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする