アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

伊吹山麓を往くEF58

2018-10-17 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

東海道線の撮影名所は、先人によって切り開かれたポイントが多い。今までここでも掲載してきた根府川鉄橋をはじめ、富士山バックの竹倉(三島-函南)、金谷-菊川など書き出したら切がないくらい、写真を見れば、駅間が即座に理解できるくらいのポイントは限りない。当時は、珍しい編成の団臨を撮影しても、その場所が何処なのか、写真からわからなくては魅力半減と考えていたが、いつの間にか時代も変わり、昔の有名撮影地も過去のポイントとなった箇所が多いと聞く。アントンKも、自分だけの撮影地を持っていたが、もうそれも時間とともに埋没してしまったことだろう。

そんなことを思い出しながら、今回は伊吹山バックの名ポイントでEF58。また東京区のゴハチで申し訳ないが、前出のEF5888よりも個性のない、至って普通のゴハチEF5868の登場。どちらかといえば、ハズレにより近かったが、雪をかぶった伊吹山をバックという本来の目標は叶えられたから、この時は嬉しかった。14系座席車が随分と長いが、これは前日東京発の臨時急行「銀河51号」の回送列車だろうか。こんな長距離の回送列車が頻繁にあった時代が何とも懐かしく感じてしまう。

1983-03-20   回8106ㇾ  EF5868  14系    東海道本線:近江長岡-柏原


五能線の夕日に魅せられて・・

2018-10-16 17:00:00 | 鉄道写真(EC)

何かとこの時期は公私ともに多忙となり、趣味活動が滞って精神的に追い詰められた状況となり、日々の充実を感じるケースが減ってしまい辛い。そういった意味では、コンサート会場に行き、音楽に集中している時間は、とても幸福に感じる。日常の雑多な事柄から一時でも離れて、別世界へと誘われれば、心の充電はチャージできて、次へと進める気がしてくるのだ。

そんな中、夕日とともに列車撮影がしたくなり、合間をぬって東北へと行ってきた。昔から続いていた撮影スタイルは、今やかなり変わってしまった。これは自分自身でも驚いていることだが、被写体は昔から変わらずとも、求める写真や撮影の意気込みが少しずつ変わったと思っている。最近よく「撮影する被写体がない」と耳にするが、アントンKはこの時代になってもそうは思わないのだ。何も鉄道に限ったことではないが、撮りたいと思えるものを素直に撮影していきたいだけだ。

今回は東北へと向かえば、カシオペア紀行の運転日でもあり、また秋田では蒸気機関車の運転もあるようで、話題には事欠かないが、どうも心境とは解離しており、のんびりと海岸線に伸びる鉄道風景を堪能することにした。あまり経験のない五能線は、とても美しい路線。四季おりおりの風情ある情景は、心を和ませることだろう。日没時刻が近づいた時、ちょうどうまい具合にリゾート列車がやってきた。写真は心を写すと言われるが、本当かもしれない。

2018-10   8525D リゾートしらかみ   JR東日本/五能線:追良瀬付近


東機にいた個性的なゴハチ

2018-10-13 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

東京機関区に配置されていたEF58の話題は、何度となく書いているが、EF5861号機がいて、特にこれといった定期列車がなかったから、どうしても撮影計画の組み立てにおいて、かなり左右されていたと言っていい。現在のように事前に情報が容易に得ることができるのなら、とても効率的に行動できただろうが、当時は人づてのみで行動を決め撮影に挑んだもの。行き当たりばったりという言葉があるが、まさにそれを地で行っていたのだ。

今回は成田初詣臨に活躍するEF5888号機。来てみないと何が来るかわからないというドキドキ感も懐かしさを感じてしまうが、自分の目で遠くを凝視し、何色か?をまず確認。茶ではなく青いとさてドイツ?となる。これはこれでスリルがあり楽しかった。前出の記事で、一番の嫌われカマ148号機が登場すると、やはりハズレとなるが、アントンKの場合は、88号機のスノープロウ付でもテンションは上がっていたように思う。この角度でみるとやはりこの88号機、かなりの個性的な面構えをしている。ゴハチファンの間でも、賛否が分かれていたのも当然なのだろう。そんな話題を友人たちを交わしていた当時が懐かしく思い出される。

1983-01-15    9944ㇾ  EF5888  14系客車  成田初詣臨 東海道本線:大船付近

 


京都の夜を彩る急行「きたぐに」

2018-10-12 16:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

ブルートレインの合間を縫ってやってきた新潟行き急行「きたぐに」。ここから米原までは、米原区のEF58の受け持ちだった。とにかく急行「きたぐに」は、客車編成が魅力的で、当時は普通座席車こそ12系に置き換えられていたが、見ての通り機関車直後よりオハネフ12が連なり、この10系寝台車は5両連なっている。夜の構内に浮かぶ寝台客車は、旅心をくすぐり、男のロマンにあふれていた。冬場だったため、ゴハチから送られる蒸気暖房が客車ごとに漂い、とても良い雰囲気を醸し出していた。

正面から眺めるEF58もスタイルがよく好きだったが、アントンKは、掲載写真のような斜め後ろからもスタイルも好きで、好んで撮影したもの。サイドから見た10軸もの台車は、今見ても迫力があり魅力的に思えてしまう。叶うことなら、またゴハチの走行音を聞きながら列車に揺られてみたい。

1982-02-18   501ㇾ  EF5880 急行「きたぐに」  東海道本線:京都にて


ピアノとオーケストラと、指揮者と

2018-10-11 20:00:00 | 音楽/芸術

今回、革新的と言えるベートーヴェンを聴いたが、同時に演奏されたピアノ協奏曲第2番についても書き残しておきたい。

2つの交響曲が、あまりにもアントンKにとって響いてしまったので、コンチェルトが埋もれがちになったが、このピアノ協奏曲第2番も、繊細で美しく今までの同楽曲の印象を大きく変えてしまった。田部京子のピアノは、どこまでも透き通っており、図太さや大きさよりも緻密なガラス細工をみているかのようにキラキラと輝いていた。これは、やはり指揮者上岡敏之の求める音色なのだろう。オケを十分ピアノに沿わせて、どこまでがソロで、伴奏なのかがわからなくなるくらいの一体感を見せていたように思う。特に第2楽章におけるピアノとオケとの会話は、決して聴いたことがなくずっと心に響いているポイントだ。

ピアノの音色自体は、ベートーヴェンよりもモーツァルトに似合う音に聴こえたが、音の粒が綺麗に整い、絹のように柔らかな響きは、実に心地よい印象だった。ピアノが大好きがという指揮者上岡氏だから、その際指揮振りでも良かったのでは?とも思えることもあったが、あくまでもソリストをたたえ、自らは脇役に徹していた上岡氏の姿勢は心温まるもの。こんな場面にも彼の人間性が伺えるのであった。

真夏を思わせるような秋晴れの中、大熱演が繰り広げられた茅ケ崎市民文化会館。こんな熱演の前ではホールの良しあしも無くなる。しかしリニューアル直後とあって、地方のホール感はかなり影を潜めていた。2018-10-07