泉谷しげるさんの初期の頃のライブ
での弾き語りで
圧巻だったのが
『黒いカバン』
この作詞も岡本おさみさんだ。
吐き捨てるように
国家権力に歯向かう
そんな
コミカルな切り口の歌詞は
最初
泉谷しげるさんの作詞だとばかり思っていた。
この辺が岡本おさみさんの詩の持つ不思議なところだ。
歌ってる本人のものにされていく
もちろん歌ってる泉谷しげるさんが自分のものに
していることもある。
岡本おさみの詩でありながら
泉谷しげるの詩になっている
彼のものへと譲渡されていく
それは吉田拓郎さんの作品でも言えることだ。
拓郎さんの言葉だとおもいきや
実は岡本おさみさんの言葉だったという作品の
多いこと。
見事なまでに本人になりきって
詩を書いているのか
作品に仕上げた曲付けの作曲者が
取り込んで自分のものに
してしまったのか?
時代背景もあるが
世の中ギスギスしていた時
少しのメッセージも見え隠れする
『黒いカバン』
国家権力にへつらうことなく
かといって歯向かうことを推奨するでなく
自分というものを
しっかり持たないと…
そう案に教えてくれている
『黒いカバン』
怪しい人は
黒いカバンを持っている…
♪黒いカバンをぶら下げて歩いていると
お巡りさんに呼び止められた
おーい ちょっとと 彼は言うのだった
おーいちょっと言う挨拶を
聞いたことがなかったので
ムカって きたのです。
するとおまわりは そのカバンを
みせてもらいたいと言って
さも それが 当然のような顔をした
見せなくなければ見せない
これは当然なのであるから
見せたくないですね というと
お前は誰だと言うので
僕は人間ですよと答えたのです。
すると お前は
と大きい声でいうので
あなたのお名前はと 尋ねると
それは言えないという
それは 変ですね
人は会って まして 初対面なら
お互いに名乗るのが最低の礼儀でしょうと
いうと
おまわりは たてつくのか?というので
礼儀知らずというと
なに?と怒ったのが
思い直したように
彼は
まあ 今度だけは許してやると
言ったので
そこで僕も
今度だけは許してやるといった…