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フキの唄 吉田拓郎

2020-03-06 05:55:00 | 僕の音楽日記

味覚と性格は大人になると変わるもの

小さい頃フキは大っ嫌いだった。

母親が弁当にフキの煮物を入れたり

子供にとって煮物は一番遠い存在の食べ物だった。

煮物は年寄りが食べる食べ物だと思っていた。


昨今のメニュー献立豊富な食生活ではなかったし

当然世間もありきたりな食事だったような気がする。魚も焼く煮る。

肉は豚肉、よくてトンテキ たまにジンギスカン。

牛肉なんかは年一回。限りなく質素な食生活だった。


煮物の中でもフキが嫌いだったのは

あのほろ苦さ、

子供にはわからないあのほろ苦さが美味しいと感じる味覚。


大人になって味覚と性格は変わっていくもの

性格もよくよく思えば丸くなったし、

角が取れて、欲が薄れてきて


これがいい!あれがいい!

こうしたい!ああしたい!

願望欲望が強く

ギラギラしていた上昇志向だった頃と比べると、

今は

これでいい、

ま、いいか、

これでもいい、

に変わってきてる。


昨今のいろんな事態で

そのような心境の変化も

当然ながら

あるわけだけど

物事へのこだわりが薄くなってきてきたのは昔と比べて確かにある。


贅沢三昧してきたわけでもないのだけど

身の丈にあったという考え方に

意を問う形で抵抗してきた自分の

若さはもう、過ぎ去って行きつつあるのかもしれない。

欲望、希望、願望は失ってはいけないし、失ってはないけれど

それにこだわり、それに自分が縛られ過ぎないことの方が心が軽く済む。


吉田拓郎さんの歌で

「フキの唄」というものがある

「午前中に」というもう10年前に出たアルバムに入ってる晩年の吉田拓郎さんの中で等身大の名曲である。

「フキ」を題材にした歌も数ある歌の中でも初めての事ではないだろうか?

あくまで、個人の想いのいっぱい詰まった

等身大の歌なのである。


人間は果てしない欲張りで

足りないものがあると我慢できなくなり果てしなく何もかも

手に入れたいと思っている

子供の頃足りないものだらけで

みんな肩寄せ合って生きていた。

そして何よりも平和の大切さを実感していた。

フキを味わえる旬の味は

その季節まで待てばいい

何もかも手に入れようとせず

短い旬の味はその季節まで気長に待とう。

人の世は常に満たされてなくていい

何かが足りないからと

今ここに無くても大丈夫

心が貧しくならなけりゃ


と拓郎さんは歌ってる

凄く染みる歌詞だし、歌だ。

フキの煮物みたいによく染みた

美味しい旬の味に

仕上がっている

吉田拓郎の

「フキの唄」







僕も歳がいってから

フキの煮物が、

嫌いだったフキの煮物が大好物に変わった。

筍の煮物とフキの煮物があれば

それだけでいい!と思える自分がいる。

もうすぐその美味しい旬がやってくる。

https://youtu.be/VLbdrntdnfU



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