小学6年?か中1のころ?
オヤジの車に乗って
梅雨明け後の
夏日の日曜日に
ドライブに出かけたことが
あった。
たまに、気がむくと
そうして、
出かける事があった。
仕事人間のオヤジは
趣味らしい趣味も
なく、趣味に没頭する所も見たこともなく
釣りや、カメラや、大工仕事をやるくらいだけど
ほとんど
仕事、仕事、で
家族との時間も
持たない事が多かった。
車もファミリーカーで
別に特別にどうって事ない訳だけど
ドライブといいながらも
男親からすると
男子に世間的視野を広げるために
生活圏が広がる
車で、他の町や、他の道、暮らしなんかを見るといい…という
無言の教えのような
口下手なオヤジならではの
そんな視点、意味があったのかもしれない。
車での移動のない
狭い範囲での
代わり映えしない生活圏から
車でドライブすることは
見知らぬ道、街並み
人たちの暮らしを
見ることができる
ちょっとした社会見学だ。
そういった視点でドライブ中の
流れる景色で見ていってたならば
堅苦しいけれど
何か発見や、掘り下げられる興味が
湧いてくることもあっただろうに
なにぶんそんな前振りのない
口数少ないオヤジだったし、
ましてやこっちも鈍感な
ボャーっとしてた子供だったから
そのドライブも
ただ、親子が日曜日に車ですこし
遠出していたに過ぎなかった。
今思えば、
そうゆう意味があったのでは?
と回顧するんだけど
たかが ドライブに
意味なんて ないのかも
しれないけど…
うちのオヤジはあとから
母親を通じて
「あの時は…」とか
「ああいう時は…」とか
後出しジャンケン的種明かしをするので
後から聞く僕としては
(わからないよぉぉ〜)ってなるわけで
職人が親方から技術や、
教えをこうことはないゆえ
自ら盗み取るみたいな
そんな間合いが
うちの親子間に流れていた
口下手な父親は
伝えたいことを
上手に伝えることができない
もどかしさもあり、
僕らより上の世代の方々には
よくあったことなのでしょう。
ドライブしてると
まだ
カーステレオなんてなくて
カーラジオ。
カーラジオから
流れてくる
歌番組
ベスト10番組
歌謡ベスト10
みたいな
そこから
聞こえてきてた
夏の手前の日曜日
桜田淳子の新曲 今週のベスト7位
「夏にご用心」
森田公一さんの
軽快なポップサウンド
ブラス、ストリングス
コーラスが効いてて
好きなメロディライン
歌謡曲!という感じだけど
音の編成はこんな感じが
好きなんだという
のが
きっとこうやって
刷り込まれてきたんだろうと
思う。
オヤジの思うところの
生活圏を広げ何か感じて欲しいと
思い連れて行ってくれた
ドライブの意図とは
意味合いは違えど
僕はカーラジオから流れる
今週の第7位 「夏にご用心」
の方に
興味が行っていた。
そして、その歌を聞くたび毎に
口下手なオヤジに
(ご用心)!
と思ってしまうのだった。
また、あとから
母親を通して
ドライブ連れてっても
ただ、ボーッとしてて何にも張り合いがないだとか
言っていたような…
まあ、昔の人って
いちいち意味合いがあるような
そんな事が多かったから
気が抜けないというか、
僕は坊ちゃん気質で
ありながらこんな繰り返しで
結構、せっかちになっていったような感じ。
本当、夏にご用心。