明日の葉っぱ(8×8)=69

思いつくまま 気のむくまま書いてます。

シクラメンのかほり 小椋佳

2020-03-05 14:45:00 | 僕の音楽日記
1975年のレコード大賞。
布施明さんが
小椋佳さんの楽曲を歌って受賞した。
1974年
は岡本おさみ
吉田拓郎作品の
「襟裳岬」がレコード大賞。
それまでの既定路線
いわゆる先生たちがつくる
楽曲で成り立っていた歌謡界も
地殻変動が起き、
いわゆるアマチュア上がりの
枠外からの新しい歌の登場で
ミュージックシーンに大きく
変化をもたらされた。

75年は大きく潮目の変わった年でも
あることは前にも書き記したけれど
聞き手に近い立場からの
歌発信は
大きく歌市場にファンに近い立場の
歌が
大賞を取るところに変わった。
それは喜ばしいことだったのか?
待ちに待った出来事だったのか?

だんだんと砂が
侵食されるように
本来の牙城が取り崩されていく
様を見ているような
歌の世界の変化は
74年から始まって
75年の
「シクラメンのかほり」で決定つけた。
既存の作家業の先生たち、レコード会社各社は当然由々しき事態と、危機を募らせ
76年は
挽回する方で
「北の宿から」都はるみさんがレコード大賞を受賞することに…
流れが変わろうとするミュージックシーンは
76年の北の宿からの作詞家 阿久悠さんの台頭でピンクレディ旋風へと続き
歌謡界はいよいよ
本格的な旧態勢力と新生勢力のせめぎ合いに入っていった。

「シクラメンのかほり」がレコード大賞を取った
75年
ひとつの激しかった時代の終焉を
告げる挽歌のような
歌の雰囲気が
なんとも物悲しく。
あの頃僕は正直
この歌が
大っ嫌いだった。

特に、布施明さんは
好きになれなかった。
あまりにも歌がうますぎて
響いてこない
そんな感じがして、僕の中では
あの年に
ラジオ、テレビから聞こえてくる
布施明さんの「シクラメンのかほり」
はうんざり気味の満腹感で聞き流していた。
それよりも味のある
小椋佳さん歌唱の
「シクラメンのかほり」の方が
心に残る。
作り手が歌う歌ほど
真意が込められていて
聞く方に説得力を持たせる。

歌のうまさも大事だけど
作品の素晴らしさを理解するのに
僕はまだこの歌がヒットしていた頃に良さがわからずにいた事も
確かだったし、
何より半分拒絶していた歌だったのだから…

君との出会いの時が
真綿色したシクラメンの清しさ。

ためらいがちに
かけた言葉
に君は驚いたように振り向く

このへんの歌詞はもう、映像だね。
大人の恋のワンシーンだし、

木漏れ日あびた
君を抱けば
愛がいつの間にか
歩き始めたという…

深い深い大人の恋の歌
小学生の僕にはわかるわけがない
でも、今なら
充分過ぎるほどわかる。


時が 二人を追い越してゆく。
それは疲れを知らない子供のよう…
その時を
呼び戻すことなんて
出来ないのに…
もし、出来ることなら
僕は何も惜しまない

失った時は誰だって
巻き戻したいし、取り戻したいと願う。

なんとも素晴らしい歌詞で
無駄のない
言葉のチョイスに感銘をうける。
さすがエリート銀行マン
小椋佳さん!としみじみ思う。

シクラメンの香り(かおり)
ではなく
(かほり)なのか?
どうやら誤記のようだし、背景に小椋佳さんの奥さんの(佳穂里)さんの事を言っているという説もあるとか…










最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。