オバマ大統領の広島訪問は、謝罪を求めなくてよ
かったと思う人も多かったにちがいない。
大統領の広島訪問前に、作家の塩野七生さんの意
見を新聞で読んだ。
塩野さんは謝罪を求めず、静かに大統領を迎える
ことは、大変良いことなのだという。
来るだけでヒットで、謝罪を求めないことで、得
点に結びつくという。
反対の行動が、謝罪しないとヨーロッパで言いふ
らして効果がなかったある国のトップ。
なぜなら、ヨーロッパは旧植民地時代、悪事の限
り働き続けた歴史を持つ。謝る気なんかだれも持
っていないから、謝れといっても、ピンとこない。
外交感覚が欠けていることに気がつかない。
大統領が広島へ行ったことで、心を痛めている米
国の人たちも多いに違いないのだから、その人た
ちも広島や長崎に足を向けるだろう、と塩野さん。
大統領広島訪問の翌日の新聞朝刊に、「核なき世
界」改めて訴え、と見出しが躍る。
そう、そこなんだ、「謝れ」は世界の人たちには、
何にも響かない。人類の目的は大統領がなんども
訴えた「核なき世界」なのだから。