先週の土曜日、上越は雪が降っていた。いつものことながら、
私は歯医者にかかっていた。この日の午後、歯のかぶせが出来
上がって、帰れる条件は整ったが、雪に加え、風が加わり天候
はさらに悪くなっていた。
翌日、ネットで調べたら、おもな高速道のチェーン規制が取れ
ていた。
「いまだ、このまま天候の回復を待っていたら、いつ帰れるか
分からない」
「今から帰る」-娘に告げて大急ぎで、上越ICへ向かったが、
道路標識は「チェーン規制」とある。
なんだ、どうなっているの?
このまま、娘宅へ帰る帰る気にならないので、国道8号を南下する。
どうにかなるさ。
糸魚川、魚津・・新潟を抜けると、富山県。
遠い。小矢部にさしかかったとき、妹のお寺に電話。
電話番号が抜けていたので、手帳に書いてあった携帯を呼び出すと甥
が出て
「どうしたん」
「いま、小矢部」
「なにしてるの?」
「車で来ている」
甥は妹と一緒にいて、近くにいるらしい。
落ち合って事情を説明。いまから、さらに南下するというと「泊まって
行くこっちゃ。もうすぐ暗くなるし」
11時に上越を出て4時間半。はやり下の国道は時間がかかる。
結局、小矢部のお寺にご厄介になった。
翌日は天気が回復し、チェーン規制は一部を除い解除されていた。
勢いにのって、金沢東から高速道に乗り入れ、滋賀県へ行ったとき
「急いで帰ることもあるまい。そうだ長浜へ行こう」
盆梅もあるし。
これは間違いである。盆梅は来年だった。駅の駐車場に車を留めると、
古く、懐かしいかつての勤務地だった長浜の街へ歩き出す。
パーキングにあった栞のような樹木と白く輝く伊吹山。