朝から雪が舞っています。
粒の大きさはさまざまで、舞う方向も上下左右さまざまです。
木々にも道にもうっすらと雪が積もり、冬景色が出来上がりました。
時々日が差し、枝枝に積もった雪の花が輝きます。
降る雪をながめながら、雪の詩を探してみました。
その1
ゆきがふる
まどみちお
ふるふる ふるふる ゆきが ふる
ゆきを みあげて たつ ぼくに
ふるふる ふるふる ゆきが ふる
とつぜん ぼくは のぼってく
せかいじゅうから ただ ひとり
そらへ そらへと のほってく
ふと きがつくと ゆきが ふる
ゆきを みあげて たつ ぼくに
ふるふる ふるふる ゆきが ふる
降る雪を見上げていると、雪が舞い降りてくる方向とは逆に自分の方が空に向かって舞い上がっていく
ような気がしてきます。ふるふる と繰り返される言葉を通して 次から次へと雪が舞い降り、それに合わ
せて ゆっくりと上へ上へと昇っていくような……。
その2
ゆき
草野心平
しんしんしんしん
しんしんしんしん
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしん
しんしんしんしん
風もなく あたりの物音まで消し去るように 静かに静かに 休むことなく雪が降り積もります。
しんしんしんしん の言葉の内に 雪の冷たさや降り続ける様子、降り積もる雪の深さや重さまでも
感じられるような気がします。雪国ならではの雪景色が見えてくるようです。
その3
つもった雪
金子みすゞ
上の雪
さむかろな。
冷たい月がさしていて。
下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面も見えないで。
積もった雪を通して 人々が抱えている深い思いにふれています。
上の雪だから抱えている寒さ、下の雪だから抱えている重さ、中の雪だから抱えているさみしさ。
どの場所にあっても それぞれが その寒さや重さ、さみしさに耐えながら懸命に生きているのだということ。
そんな人々をやさしく包み込むようなまなざしが 励ましのようにあたたかく心に届いてきます。
粒の大きさはさまざまで、舞う方向も上下左右さまざまです。
木々にも道にもうっすらと雪が積もり、冬景色が出来上がりました。
時々日が差し、枝枝に積もった雪の花が輝きます。
降る雪をながめながら、雪の詩を探してみました。
その1
ゆきがふる
まどみちお
ふるふる ふるふる ゆきが ふる
ゆきを みあげて たつ ぼくに
ふるふる ふるふる ゆきが ふる
とつぜん ぼくは のぼってく
せかいじゅうから ただ ひとり
そらへ そらへと のほってく
ふと きがつくと ゆきが ふる
ゆきを みあげて たつ ぼくに
ふるふる ふるふる ゆきが ふる
降る雪を見上げていると、雪が舞い降りてくる方向とは逆に自分の方が空に向かって舞い上がっていく
ような気がしてきます。ふるふる と繰り返される言葉を通して 次から次へと雪が舞い降り、それに合わ
せて ゆっくりと上へ上へと昇っていくような……。
その2
ゆき
草野心平
しんしんしんしん
しんしんしんしん
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしん
しんしんしんしん
風もなく あたりの物音まで消し去るように 静かに静かに 休むことなく雪が降り積もります。
しんしんしんしん の言葉の内に 雪の冷たさや降り続ける様子、降り積もる雪の深さや重さまでも
感じられるような気がします。雪国ならではの雪景色が見えてくるようです。
その3
つもった雪
金子みすゞ
上の雪
さむかろな。
冷たい月がさしていて。
下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面も見えないで。
積もった雪を通して 人々が抱えている深い思いにふれています。
上の雪だから抱えている寒さ、下の雪だから抱えている重さ、中の雪だから抱えているさみしさ。
どの場所にあっても それぞれが その寒さや重さ、さみしさに耐えながら懸命に生きているのだということ。
そんな人々をやさしく包み込むようなまなざしが 励ましのようにあたたかく心に届いてきます。