穏やかな日中の 春めいた陽光を 感じながら、思い浮かんだのが 童謡「春よこい」でした。
春よ来い 早く来い 歩き始めた みいちゃんが
赤い鼻緒のじょじょはいて おんもへ出たいと 待っている
春よ来い 早く来い と口ずさみながら、ふと思いました。この後の歌詞に出てくる みいちゃんが はこうとしている じょじょとは 何だろうかという疑問です。下駄か草履のような履き物のことを指しているのかなと思いながら、インターネットで検索してみると、分かりました。藁か竹の皮で編んだ草履のことを指しているとのことです。同じような疑問を持った人が問いかけたところ、たくさんの回答が寄せられ、的確な答えとして選ばれたものが、前述の答えでした。それにしても同じ疑問を持った人が他にもいたことに、とても親近感を覚えました。
じよじょとは幼児語で、作詞者の相馬御風の故郷(新潟県糸魚川)で、草履のことを小さい子供達が言いやすいように、じょじょと言っていたのではないかということでした。
歩き始めたみいちゃんが、初めて赤い鼻緒のじょじょを履いて、自分の足で踏みしめる おんもの春は、どんな春だったのでしょうか。土の感触、陽光の輝きや温もり、芽吹く草や木、肌に触れる風に、どんな春を感じ取るのでしょうか。
二番の歌詞は、次のようになっています。
春よ来い 早く来い おうちの前の桃の木の
つぼみも みんなふくらんで はよ咲きたいと 待っている
春を待つのは、みいちやんから 桃の木のつぼみに代わります。幼いみいちゃん(人間)だけではなく、桃の木のつぼみも(植物も) 早く花を咲かせようと 春が来るのを待ち望んでいるのですね。
植物だけではなく、野山に住む虫や動物たちも、冬の眠りを終えて 動き出せる日(啓蟄:3/6頃)を 今か今かと 待ち望んでいることでしょう。
春を待つ 生きとし生けるものの すベてにとって 幸多い春でありますように !
誰にとっても すばらしい春が訪れますことを 心から 願いたいと思います。