☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

舞踏交響曲・・・

2012-03-09 00:15:20 | アートライフ

   3月、春に向かう雨が降る
 雨音も何だか優しく響く

 久方ぶりの田尻洋一氏のコンサート
 伊丹アイフォニックホール
    今回はベートーヴェンの交響曲のすべてをピアノで・・・

 「第7番」がメイン
 「第7番」が舞踏交響曲とも呼ばれることにちなんで
 「踊り」にまつわる名曲が集められプログラムが組まれていた

 まずショパンの「華麗なワルツ」から
 軽やかに「魔法の手」が動く
 軍隊ポロネーズ、マズルカ、タランテラと
 ショパンのそれぞれ味わい深く華やかだが雰囲気が異なる舞踏音楽が続く
 体がひとりでにリズムを刻んでいる
 華麗に力強くリズミカルに美しい響きが沁みる

 次はフォーレの優美でしっとり染み入る2曲
 私はこの日この2曲がとってもこころと体に沁みて印象深かった
 「バヴァーヌ」(中世スペイン王宮の孔雀のことらしい)
 指が舞う、手が舞う・・・
 どこか懐かしく素朴さの中に優雅が漂う・・・

 「シシリアーノ」イタリア南部のシシリー島の舞曲
 私にとっては何故か耳に馴染んでいる曲
 田尻氏の素晴らしいピアノで聞けて嬉しかった!

 前半最後はリスト・死の舞踏「怒りの日によるパラフレーヌ」
    古くから伝わるグレゴりア聖歌「怒りの日によるパラフレーヌ」

 の一節を主題にした
 変奏曲の形式で作曲されていると言う
 「曲全体を覆うただならぬ奇怪さ・・・」

 最後の審判の日地獄へ導かれる者・・・
 響き渡る激しさの中にいろいろなピアノ技法が満載の曲
 「魔法の手」の見せ場で面白い
 とにかくすこぶる激しく「地獄絵巻」のごとくちょっと凄まじい曲だ 

 全く気づかなかったけれどアクシゼントが・・・
 田尻氏も「こんなこと初めて・・・」と言っていたけど

 演奏中に最高音部のピアノの弦が切れたらしい
 ギターの弦が切れるところは何回も見たことあるけど・・・

いよいよメインのベートーヴェン交響曲第7番イ短調(田尻編)が始まる
 高揚感を伴う独特のリズムが揺れ動き躍動する
 ベートンヴェンらしい雄大な流れがおおもとにありそのリズム感も格調高い
 「魔法の手」「魔法の指」が軽やかに躍動し舞い踊る

 田尻氏の演奏会はほとんど自由席なので

 (だからいつも長い行列が出来るのだが)
 手の動きが見える席を取る
 今回は何故か演奏中ずっと「魔法の手」と言う言葉が浮かんでいた

 作曲家のワーグナーがこの曲の神々しいまでのリズム感を

 称して「舞踏の聖化」とよんだことから
 俗称「舞踏交響曲」とも呼ばれるようになったらしい
 ピアノで交響曲をたったひとりで・・・

 そのエネルギーに今回も魅せられ驚嘆する

 「魔法の手」の早春の響きが激しくも

 何とも心地よい時間を運んでくれた・・・

                            

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能の世界

2011-12-29 00:51:58 | アートライフ

 
 鼓を習っている友人のお供で京都観世会館に
 観世会の12月の例会に伺った

 今年最後と言うことで賑わっていた
 場所柄ゆえか
クラシックのコンサート以上にご高齢の方が多い
 

 朝から夕方まで能の演目3つと狂言、それに仕舞も4曲演じられた 
 「今日はお勉強のつもり で・・・」と昼食や休憩もそこそこに

 最後までしっかり見た
 (以前家人と来たときは最後までも
たず途中で抜け出した・・・)

 能のゆかりの知人も結構いたりする
 奈良でO流の宗家(大阪)と言う人を紹介されたり

 以前ジャズボーカルを習っていた時には
 京都の能楽堂の奥様と一緒だったり
 能楽師の家に生まれたと言う人(大阪)や
 能管の宗家(東京)の娘さんが家人の銀座の展覧会に来られたりした

 (お兄様が宗家を継いでられて活躍されている)

 男女を問わず、仕舞や大鼓等を習っていたとかやっていると言う人もいる
 友人の声楽家は高名な能楽師(大阪)の弟子でもあって

 能の舞台に立ったこともあるとこの前初めて聞いた
 
能の演目を漫画にして本を出版している人とも知り合った

 学生時代にたしか能や狂言に関するレポートをかなりの枚数

 書いた記憶があるのに内容は全く覚えていない
 気持ちが入ってなかったと言うことだろう

 最も格式高い古典伝統芸能としてある程度はおさえて置かねばとは思っていたが
 いろんな場所で演目を見たり薪能等を見たりする機会があっても見方としては
 とってもいい加減なものだった

 今回演じられたの能の演目は「白楽天」「花筐・筐の伝
」「枕慈童」
 独特の「響き」と様式美にあふれる世界・・・
 能舞台上での約束事や 主役をなすシテやワキの他にツレの役割や

 子方を使う意味等々
 知識の残片を実際にじっくり見てちょっと整理することが出来た
 囃し方、能管や鼓(小鼓・大鼓)、太鼓のリズムとあの独特の声

 地謡の響き・・・
 能(楽)と言う連綿と受け継がれてきた独特の世界観・・・

    今回は違ったが能と言えば「夢玄能」と言われ

 死者が中心となっているべたに言えば「うらみつらみの世界」だが
 「死者の世界からものを見る」という独特の世界観が
 その深さに繋がっている

  今ではパワースポットと言われている神社でも

  実際にその場に立ってみるといろいろな意味で
 「御霊鎮め」のために建てられたのではないかと感じられる場所が多い
  能の世界でもそうした役割は大きいのだろう・・・
  (本来、神社はもっと宇宙的な意味が込められて

   建てられたらしいのだが・・・)

  そうしてみると深める方向性に違いがあるので
  ご縁がありながら縁が深まらなかった意味もわかったような気がする・・・

  狂言は茂山一門(千五郎、七五三、宗彦)で面白かった
  能や歌舞伎でもそうだが後継はしっかりと育っていくもんだなと思った

  友人のホールで仕舞やワークショップ的なことを何回かされているが
  見る機会の無かった味方玄さんの仕舞も見ることが出来た
  謡の声良し、舞良し、若さもあり力強く

  まさに中堅と言う感でなかなかのものだった
 
  12月らしい、いろいろな面で意味深い1日となった・・・
 
 
   

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ベートーヴェンは冬の色

2011-12-15 00:07:45 | アートライフ

  日に日に冬の色が濃くなっていく
 
12月は「ベートーヴェン」の季節

 京都・長岡京のホールで大阪交響楽団(元大阪シンフォニカ)と

 仲道郁代のコンサート
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」と

 交響曲第5番「運命」を聞いた

 初めての生仲道郁代、演奏する姿もなかなか素敵で
 あの華奢な体からとは思えない華麗かつ力強い演奏が聴けた
 見せる(魅せる)演奏と言うのもパフォーマーにとっては

 大切なことだと改めて感じた
 常々ビジュアルは大切だと言う考えではあるけれど
 それも本来の実力があってのものだ

 久々のオーケストラ、やはり壮大さがいい、音の厚みがいい・・・
 ベートーヴェンの力強い世界観、苦悩や苦難の道もあくまでも前向きに、
 強い意志を持って進みゆく・・・
 子どもの頃持っていたベートーヴェンについてのイメージが

 このところ大きく変ってきた
 
 パンフを見て申し込んだときは名前を見て「大フィル」と間違えていた
 大フィルも聞きたかったけれど・・・シンフォニカもがんばってるんだ・・・
 第五番「運命」もなかなかいい感じでオーケストラならではの

 音の広がりはさすがの世界だった

 兵庫・伊丹ホールでは田尻洋一氏のピアノコンサート
 ベートーヴェン交響曲のすべてpart3「第九」
 交響曲をすべてピアノ1台で表現する取り組み

 伊丹では第三「英雄、」第六「田園」に続いて今回は第一と第九「合唱」
 どんな冬の華が咲くのかとっても楽しみにしていた

 会場は人でいっぱい
 場が力強く美しいピアノの音でで満たされていく
 若きベートーヴェンを彷彿とさせる第一番ハ長調が終わって

 いよいよ「第九」が始まる

 大震災をはじめ多くの苦悩にあふれた2011だったからこそ
 注目を集めた音楽史上最高傑作ともされるこの作品
 「人類愛と多くの人たちの団結によって成しうる

  人間解放を理想として高らかに歌う・・・」
 混沌とした苦悩・闘争を経て歓喜に至る・・・

 流麗に雄大に静かに高らかにズンズンと「内なる宙に響き渡る」ピアノ・・・
 1時間30分続く壮大なドラマ
 息つく間もないほど浸りきる華麗な音の世界
 十二分に満足した何とも贅沢な時間が流れた

 やっぱり12月はベートヴェン・・・

                         
 

 
 
 

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絹の煌き・色の海

2011-09-30 00:15:03 | アートライフ

 
 すっかり彼岸花が咲き乱れる季節となった
 今年はじめての月下美人が明日か明後日かと咲く時を待っている

 この1週間、一応プロジュースと言うことで
 大阪・京橋のギャラリーでの友人の手織りの展示会を搬入・展示から手伝った
 大きな手織り機3台から1本1本の絹やカシミヤの糸を使って紡ぎ出した色世界
 此処にしかない独特の色使い・色の海がそれぞれに美しさを放つ

 家人の京都や大阪・神戸等の展覧会で家人や私が身に付けていた
 絹の手織りのロングベスト等が来て頂いた方々や

 ギャラリーのオーナーの目に留まり
 「是非に・・・」と言われる方には作品をご紹介してきた
 はじめは織作家と愛好者だったが、そうこうしてる内に友人関係が深まった
 今回は昨年秋の家人の展覧会がきっかけで「うちで企画展を・・・」と
 言う運びになり実現したのだ

 こちらも家人の銀座での展覧会を11月の初旬に控えている中
 2週間の展示会中1週間ならと言うことでお手伝いした
 
 台風一過で準備の日も晴れ
 すっかり秋めいた中での展示会の始まり・・・
 なんとも恵まれた中での運びとなった

 乗りかかった船・・・と言うことで人集めや案内状発送等も引き受け
 家人の手助けもあって、たくさんとはいえないまでも
 この1週間「会いたかった!」と言ってくれる友人・知人等が訪ねてくれている
 
 最高級の材質・手織りの風合い・素晴らしい色使い・お洒落なデザイン
 考えられないようなリーズナブルさ等々
 来て頂いた人たちは手に取り、身に付けたりと
 思った以上に本当に喜んで下さっている

 こんな時代、こんなに盛況で素敵な企画展(おまけに成果が上がっている)は

    初めてとオーナーにも感謝され来年からの企画展も早々に決まった・・・
  
 作家(利潤を全く考えない芸術家肌)・オーナー(自社ビル)・私
 と何とも欲の無いというか欲の持てない三者だからとお手伝いを引き受け
 「楽しむ」「楽しんでもらう」ことを第一とした今回の展示会
 関わるみんなが喜び、楽しむこと
 関わるみんなに喜んでもらう、楽しんでもらうこと
 それを第一にしたいと考えている身としては
 いろんな人たちにたくさん喜んでもらい感謝までしてもらって
 まだ終わったわけではないけれど
 まずは安心もし、「良かった!!」と言う所だ・・・
                
                      
 
 

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美の回廊

2011-07-05 00:01:50 | アートライフ

 お隣のガレージに今年もやっとツバメが来た
 つがいで壊れた巣をせっせと修復していて、さえずりが騒がしい
 お隣ではずっと毎年ツバメがヒナをを育てていたのに
 今年は巣が半分壊れて、5月に何度か様子を見に来ていたが

 住み着くことはなかった
 このところ朝や夕方に数羽が騒がしく飛んだりさえずっったりしていたので
 半分楽しみで観察していると、きのう2羽のツバメが交互に枝を加えて
 軒先に入って巣を直しているのを見た
 なんだか安心してちょっと嬉しい

 
今年4月にオープンしたばかりの「龍谷ミュージアム」を見学した
 名古屋の知人が参加している美術史の研究グループの人たちが
 ここの管長さんと関わりが深くみんなで見学にみえると言う
 管長さんや研究員の
お話が聞けたり直接展示物等の説明も受けられるらしい
 「ご一緒しませんか?」とお誘いを受けたのでこんな機会がないと

 なかなか出向くこともないので
 参加させてもらった

 堀川通りを隔てて西本願寺の前にある「仏教総合博物館」として
 建てられた龍谷大学のミュージアムだ
 この辺りは高さの規制があるので1回は地下になっている
 「釈尊と親鸞」(今年は親鸞の没後750年にあたるとし

 て浄土真宗系の寺院では
 大がかりな行事等が組まれている。

 これも記念しての展示・ちなみに法然800年忌
 でもあり浄土宗も今年は大変、でも3・11で自粛ムードも)
 1年間で6期の入れ替えがあるそう
 
 3階はブッダ(釈尊)
 ガンダーラ仏が美しく素晴らしい
 これだけ並んだガンダーラ仏等を見るのは初めて
 見慣れた日本や東洋風の仏像とは雰囲気がまるで違う

 釈尊の誕生前から生涯にわたるエピソードがレリーフとして

 彫られたもの(仏伝浮彫)が並ぶ
 この前アニメ「ブッダ」を見たところなので分かりやすい
 
 ガンダーラ仏は東洋と西洋の融合と言われているが
 色濃くギリシャやペルシャの影響を受けているのが分かる
 その顔かたち、姿、衣等、骨組みや体の線がはっきりと美しく
 人間の美を追求したギリシャ彫刻等に通じる感じがする
 インド仏は柔らかい美しさの中に人間とは少し離れた存在感を表している
 論理の美と抽象・象徴の美・・・
 この展示を通して仏像等を見ていく中で一番感じたことは
 東洋と西洋の根本的な感覚・見方や考え方の違いについて・・・
 何故か感覚的に強く感じた
 ・・・次の時代はやはり調和したその融合から生れなければならない・・・

 何といってもこのミュージアムの売りはヘゼリスク石窟の復元展示だ
 ミュージアムシアターでも見せてもらったがNHKと龍谷大学が共同で
 各国の探検隊が剥がして持ち帰り世界中に散らばった石窟の壁画を集めて
 壁画全体のデジタル復元に成功した
 それが展示室の一角に、何と天井まで見事に「回廊」として復元されているのだ
 特に独特の赤が何とも言えずまさしく「美の回廊」
 歩いているとちょっと夢に心地になる
 デジタル化の今だからこそ実現した「美の回廊」だ・・・

 その国の歴史的建造物や美術品を発掘した外国が自国に

 持ち帰ったのは如何なものかと
 思っていたが、もし持ち帰ってなかったら今頃はなくなっているし

 永遠に復元されることもない・・・ 
 難しい問題ではある・・・
 もう一つの展示、親鸞や浄土真宗についても少し勉強することができた
 
 近代美術館で開催されている「青木繁展」にも知人たちとご一緒した
 関西初の大型回顧展と言うことで「海の幸」「女の顔」等の

 代表作からメモ風デッサンや
 毛筆手紙の数々〔なかなかいい字だ)、スケッチ等、最晩年の風景画まで
 ほんとに数多く作品が集められている
 細かいものまで本当によく残して(残って)いたなあとまず感心した

 何回か大原美術館等で油絵は見ていたが、

   29年の短い生涯で絵画においても生きることにも
 いろいろ苦心して一生懸命生き抜いた姿が浮かんできた
 学生の頃「青木繁」作品に興味を持ち、

 倉敷の「大原美術館」に出かけたりしたことを
 思い出したが今は「作品」にはあまり感銘を受けない・・・が

 とても見ごたえがあり面白かった

 思いもかけず豊かな1日となった・・・

                                     

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エヴァンゲロス・サラフィアノス♪ピアノリサイタル

2011-05-17 00:17:24 | アートライフ

 エヴァンゲロス・サラフィアノス氏の「ピアノリサイタル」が
 京都府民ホール「アルティ」で
 東日本大震災チャリティコンサートとして開かれた 
 氏はスイス・バーセル在住のギリシャ人ピアニスト
 
 海外の多くの音楽家が来日や日本公演を取りやめる中で
 「こんな時こそ音楽で日本の方々を慰め励ましたい」と

 予定通り来日
 渡航や滞在費用等は自己負担として

 コンサートの収益は被災地への義捐金に…
 と言う記事をA新聞で眼にして「行かねば…」とすぐ申し込んだ 
 
 サラフィアノス氏とは10年ほど前に神戸でのコンサートに行き
 後のパーティにも参加し紹介されたことがある
 そのときは全曲ショパンだった
 スイス在住の知人がプロジュースしたりして

 その後も日本の各地でリサイタルをされていた
 日本大好き・京都大好き・着物大好き…とも聞いていて

 知人の何人かとも親しく
 我々の間では「エヴァンちゃん」と呼ばれている
 何回か知人よりお誘いを受けたが都合が合わず演奏を聴く機会はなかった

 震災追悼のため、バッハの曲の演奏がまず始めにあった
 最初は華麗なギリシャ島の4つのダンス
 次は2005年に作曲されたの組曲、世界初演という
 そしてリストの「愛の夢」!!
 ラヴェルの夜のガスパール(オンディーヌが素晴らしかった)…
 曲を追うごとに10年前とは全く違う

 素晴らしく深い感覚に胸打たれていた…
 
 初めて聴いたショパンは優れた技巧派のピアニストである

 ことはよく分かったが余りにも繊細すぎて
 神経がぴりぴり張り詰めた感じが拭えなかった
 CDも購入して聴いていたがどこかに硬さを感じた…
 
 今回は全く違う!音の豊かさに満ちていた!
 卓越した技法は優雅で伸びやかに滑らかに

 豊かに深く響いてさまざまな音の重なりがが
 鮮やかに艶やかに音の色を見事に輝かせている
 
 
「全然違うね!」「とってもいいね!」…
 家人も同じ思いのようだ

 後半はショパンの「24のプレリュード」全曲
 圧巻!!
 15番「雨だれ」はもちろん
 優しく柔らかくなめらかに激しく煌いて深く深く響き渡る
 豊かな音の深い味わいが心地よく沁みてくる

 10年の時の流れはこんなにも彼に進化の時を刻んだのか
 自分は果たしてどうだったのだろう…と思わず我に返る
 
 まだ端正な青年のイメージだった10年前とは
 (パンフレットや新聞では違いはなかったけれど)
 実際に出会うと体の大きさも髪の毛のようすも随分変わった
 優しい笑顔はそのままだったけれど・・・
 そのそこに素晴らしい進化の時が刻まれていた!

 ヨーロッパでも稀に見る才能を持つピアニストとして高く評価され
 国際的なピアニストとしての地位をゆるぎないもの

 にしているのも大いに頷ける
 素晴らしいリサイタルだった
 
 時が豊かさを刻んでいたことが嬉しかった!
 時の素晴らしい流れに満たされた思いがした!
                                      
   

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通崎睦美木琴コンサート♪

2011-04-19 00:00:33 | アートライフ

4月15日、、「通崎睦美木琴コンサート」が
京都芸術センター(旧明倫小学校)で 
「東日本大震災への支援」を目的として開催された
この企画を思い立ってから1週間余りと言うが

会場の「講堂」は満席…
案内はすぐ頂いたがNHKのラジオの生出演で

話されたのも功を奏したのだろう

昭和6年に改築され今は京都芸術センターとして

機能している旧明倫小で、
昭和10年製の往年の日米で大活躍した名木琴奏者

平岡養一氏が愛用した木琴の音色を…
ピアノは大正時代この学校に寄贈された「ペトロフ」…

しばしほっこりした気分を
京都から「義援金」として被災地に届けたい…

そんな思いで実現したコンサート

木琴の音色ってこんなに温かく優しく

また力強くもあったんだ…と思える
本当にその音色に演奏テクニックに酔いしれる

とっても素敵なコンサートになった

通崎さんが平岡氏のご遺族から木琴等を
譲り受けられた話等は良く知っていたが
演奏を聞く機会は今回初めて…

木琴の響きがリズムがとっても心地よく心身に広がってゆく  
「お江戸日本橋」で平岡氏の記憶のどこかにあったであろう

その木琴の音色が蘇り
「ラ・クンパルシータ」では平岡氏の演奏している姿が

通崎さんとダブって見えた…
私には平岡氏の明確な記憶とてないのに

どこかにイメージといては残っている…
とってもとっても不思議な体験だった…

東北の地にちなんで山田耕作の「松島音頭」や

福島民謡の「相馬流れ山」も演奏され心に沁みた…

通崎さんと知り合って「もう20年近くになるんだなあ…」と

演奏を聴きながら思っていた
今では「アンティーク着物」の発信者として

またエッセイストとして有名な彼女だが
知り合った頃(芸大を出られたばかり)から

天性のリズム感覚と卓越した技巧を持つマリンバ奏者だった
久しぶりに今回演奏を聴いて柔らかさや円熟味が加わった気がした

 (トークもなかなか落ち着いた感じで良かった…)
 
以前は友人知人を誘ってよくコンサートにも出かけていたし

お宅におじゃましたりご両親とも親しくさせてもらったり
家人の展覧会にもよく来て頂いたりしていた…
自宅に来てもらって私の着物を見てもらったこともあったなあ…

と思い出した
近いうちに、案内を貰っていた最近出たエッセイの

中心となった「新しいおうち」にも是非行ってみたい…

アンコールのショパンの「ノクターン」はまた違う感じで

とても優しくステキだった
京都から発信された優しさと温かさは

きっときっと響きとなって届くだろう…
                                              
 
 

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「さくらのごとく・・・」

2011-04-06 00:06:42 | アートライフ

 大阪で、さくらさくらカンパニー第13回公演
 「さくらのごとく~新撰組桜新説~」を観た
 さくらさくらカンパニーの代表的作品だ
 2月に京都の演劇祭参加作品として

 少し短いバージョンの「さくらの・・・」を観たのだが
 「今回も是非・・・」とお誘いをうけたので出かけた
 数年前にも友達をたくさん誘って観劇し

 とても評判良かった作品でアメリカの演劇祭でも
 評価されたと聞く
 
 新撰組総長「山南敬介」を中心に置いた作品だ
 
さくらさくらカンパニーではそれ以前から作品化しているようだが
 大河ドラマで堺正人が演じて話題を集めたが史実では謎が多い人物らしい
 (大河ドラマはほとんど観てないが堺正人の山南敬介は良かった・・・)

 山南は武士の出(近藤や土方は百姓の出らしい)で

 剣の使い手で教養高く温厚な性格とされる
 桜新説では土方等の屯所移転問題や局中法度のよる

 隊員への過度の制裁や粛清、人斬り集団と化していく新撰組の方向性への、
 総長山南敬介自らの死(切腹)を持っての戒め とする生き方を表現している
 「死して生きる」と言う感じか・・・

 「武士道」故の死生観!?・・・
 
 実史の中でも子供にも誰彼なく優しく

 常に温和で親切な山南敬介は
 荒くれたちの多い新撰組の中にあって特に目立ち

 京都壬生界隈でも長く言い伝えられた人物らしい
 

 人物設定も良くその淡々とした人柄が実によく表現されていて
 笑いもあり、また多くの涙を誘われる・・・

 芸者明里の設定もいい
 (仲間内での粛清等や人斬り集団の印象が強く

  本当は私は「新撰組」は好きではないのだが・・・
  浅田次郎の「壬生義士伝」は好きだけど・・・) 
 
 この大地震と大津波、原発事故の中にあって
 日本人の本質について考える
 自然への畏敬の念、「明るい無常観」、死生観等々
 大和魂・武士道・自己犠牲・・・
 今まで良い感じで捉えていなかった、抵抗感があった言葉・・・
 今だって間違って捉えたら偉いことになることには変わりがないが・・・

 
  津波の海で他人を助けようとして亡くなった人が多くいる
 地域の世話役として、会社の世話役として、学校の先生として・・・
 近所のお年寄りや残った人たちを助けたいともう一度

 車を走らせた主婦の方々・・・

 「これから現場に入ります。奇跡を祈ってくれ・・・」
 「お父さんは大丈夫だ・・・お母さんや兄弟を守って・・・」
 と娘や息子たちににメールをして原発の事故現場に入っていく父親たち
 その娘や息子たちのツイッターから生に送られる声・・・

 自分だったらどうするだろう
 自分だったらどうしただろう
 自分の中の大和魂いや人間魂が見えてくる・・・

 どうすれば希望に向かえるのか
 祈りの中に一人ひとりが問われている・・・
                          

 

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チェロの響きとともに・・・ DINYOSダンスコンサート

2010-12-21 16:59:41 | アートライフ

 

 年の瀬の色が日々濃さを増ていく
 街は青色を中心としたイルミネーションに輝く
 過ぎ行く時に一抹の寂しさも感じながらもクリスマス気分は楽しいもの

 今宵はダンスカンパニーディニオスのクリスマスコンサート! 
   生のチェロとの共演ということで、わくわく感が増す

 主宰のW先生やディニオスのメンバーとは長いお付き合いをさせてもらっている
  「ディニオス」は京都いや日本が世界に誇るダンスカンパニーだ

 第1部は「DEDICATION-献呈」
   音楽はウィリアム・フランクル氏によるバッハ、無伴奏チェロ組曲3番

 柔らかな心地よいチェロの演奏がホールに広がって行く
 優しい波がひいては返すように静かに静かに染み渡っていく 

 優雅でリズミカル、折り重なる身体の線が美しい
 ひとりから2人4人から7人・・・
 バレーを思わせる優美なダンスが繰り広げられる
 生演奏のチェロとの見事なハーモニー
 美しく繊細な優しい時が静かに流れる・・・
  「やっぱり生の音楽はいいね!マイクがいらないくらいだ・・・」
 「バッハはいいね!」
 生演奏にディニオス、とっても贅沢・・・

 第2部は「マッチ売りの少女」
 Jさんの歌と語りが入ったダンス劇
 初演から何回か見ているが毎回新しい試みがあり今回はさて・・・

   と楽しみが増す

 人形ぶりが入ったマッチ売りの少女の動きがとってもいい
 今回はポップな感じと「可愛らしさ」が増してる感じ!
 
衣装も動きも楽しく素敵でさすが上演を重ねているだけある
 
 今回とっても良かったのは、少女のマッチの炎の夢なのか現実なのか
 優しく思いやり深い下町の人々と少女との繰り広げられるダンスシーン!
   いつもよりその場面がふくらませられた感じでとっても楽しかった
 悲しいお話ではあるけれどその場面の輝きで
 とってもあったかいものが流れ、とっても楽しい感じがふくらんで
 とっても良かった!!コミカルさも彩りを添えて・・・

 ヒップホップ調のダンスもとても楽しく面白く
 第1部のバレー調の優雅なダンスとの対比が
 また味を添えて
 私はすごく好き・・・

 最後の少女が天に召され昇っていく場面
 またまた仕掛けも一段と大掛かりになって素晴らしかった!

 クリスマスコンサートに相応しい
   素敵な心温まるチェロの音色と優美でリズミカルで

   繊細であったかいダンスシーンが
 
見事にマッチングしたクリマスナイトが更けていく・・・
                              

                                                

 

 

 

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こもよみこもち・・・万葉の言の葉

2010-12-18 00:00:56 | アートライフ

東京へ・・・ 
12月の空は良く晴れて、新幹線から富士山が綺麗に見えた!
主な目的は「星と森披講学習会 第三回公演」
場所は「紀尾井ホール」

歌会始で行われているような和歌の披露の仕方を「披講」と呼ぶ。
発声等のふしは「綾小路流」とよばれるもので行われ

甲調・乙調・上甲調の3種類がある。
今では「星と森披講学習会」の皆さんは

どのふしもお手の物という感じだ。

今年は万葉の世界に焦点をあてた公演。
第1部は大伴家持のひとり語りに万葉歌の披講が合わされるという趣向。
「こもよみこもち みこもよみぶくしもち・・・」

学生時代に学んだことを思い出す・・・

披講は倍音声法、心地よく古式に則った和声が響き渡る。
うっとりと眠気さえ感じる気持ち良さだ。

第2部百歳姫の公演
主宰のI氏が思いを込めて本公演に向けて結成された
若い女性5人の披講グループだ。
一応20歳×5人で百歳と言う設定。巫女姿も初々しく声も高く華やいで
少し自信無げなところもかえって初心な感じでいい。
プログラムが進んでいくに連れて次第に思いが込められ声に張りが増していく。
可愛らしく華やいだ雰囲気が披講に明るく美しい色を添えた。

第3部和歌披講ワークショップと万葉秀歌
まず披講の説明とそれに合わせた万葉秀歌の発表があり

250名入る会場の参加者全員で披講のワーク。
甲調の練習を丁寧に・・・。披講会の指導者で大学の先生 もある
A氏の絶妙な進行で会場全体が一つになって
朗々とした「万葉歌」がホールに流れた。

今年も良い公演に参加できて幸せな時間となった・・・

 

                                       


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