☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

観世会館とマリオネット

2014-03-28 00:28:38 | アートライフ

  
    いろんな種類の桜が咲き始めた
  玄関にも小ぶりの桜を八重咲きの赤いチューリップとマーガレットと

    一緒に活けた
    桜草、ミニバラ、柳等々表玄関も春の装い

  しかしまだまだ寒く冷え込む日が多くて夜を思うとなかなか

  春のコートに移行できない
  予報ではそろそろ本格的な暖かさになりそうだけれど・・・

 久しぶりに観世会館へ
 知り合いの言わば小鼓の発表会なのだが、当代のそうそうたる

 能楽師の方々が脇を固めての舞台だ

 昨年、大鼓の石井流の石井保彦さんや観世流シテ方の味方玄さん

 女性シテ方の鷲尾世志子さん等のレクチャーを本当に身近で
 少人数でとっても贅沢に受けたこともあってなのか
 お囃子の音やリズム、響きが今回違って聞こえた

 大鼓の流派の違いや細かい所作等にも目がいき改めてお囃子や地謡の

 心地よさを感じたり短い時間ではあったもののその奥深さを
 また違った感じで受け止めることができた

 お囃子、地謡、仕舞と総勢7人での知人の舞台も無事に終わり
 本当は昼過ぎからの一番人気の片山九郎右衛門さんや

 味方玄さんの舞台を拝見したかったのだが
 観世会館を後に車で次の目的地の生駒市に向かった

 2年半前に亡くなったSさんのご主人を「偲ぶ会」がJ庵で開かれる
 しばらく御無沙汰している間にまさかの喪中葉書にびっくりした

 こけら落としからご夫婦で関わって来られたJ庵でそのとき

 出演していたゆかりのポルトガルギターとマンドリンの男性デュオ
 「マリオネット」を招いての言わば「偲ぶ会コンサート」
 ちょうど「どうしてられるかなー」と話していた所にご案内を頂いた

 J庵の前回のマリオネットのコンサートにも参加させてもらったが

 もう10年前にもなると言う
 そのころSさん宅にもJ庵にも数回お邪魔していた

 ゆかりの人たち(遠くから来られてる人も)が会場をうめて
 奥様のごあいさつ(やっぱりまだまだ涙が流れる)のあと

 マリオネットのコンサートが始まる

 ポルトガルギターの調べいろいろな種類のマンドリンの音色が郷愁を誘う音楽
 代表曲の「南蛮渡来」や「RuRu」はやっぱりよかったけれど
 新しい曲も含めてしっかりしたテクニックと曲作りのもとで

 ファド音楽を基調にしながらもクラシック調、ボサノバ調、フォーク調、
 歌謡曲調等々様々なバリエーションで聞かせる所がすばらしいと思う
 しばらくぶりで聞いたが進化・深化が感じられて嬉しかった

 
 Sさんの遺影や収集された珍しい蝶の標本ケースが飾られた会場は

 大いに盛り上がり優しくとってもいい雰囲気に包まれた 

 向こうは全く感知しないことだけれどマリオネットさんとは

 何がしかのご縁があるようなのだ
 マンドリンのYさんとは同じ地域に住んでいて毎日ほど車で

 Yさん宅の前を通っているし
 旧知の大阪の女性社長がデビュー当時から支援していたことが
 これもまた別の友人からの誘いで行った大阪の知り合いのお店の
 閉店コンサート(マリオネット出演)でばったり会って知った

 毎年行く信州で安曇野へ行った時には必ず立ち寄る素敵なギャラリーカフェに
 いつもマリオネット関連グッズがたくさんおかれていて

 きっと関係があるんだろうなと思っていた
 今はそこはフレンチレストランになっていて今は別の場所に

 移られたらしいけど・・・
 そんなこんなで勝手にご縁を感じていたのだが

 今回会食のときに少し話した  

 
薪ストーブが静かに燃える現代の竪穴式住居をイメージして
 建てられたというJ庵
 会
食会では故人の思い出話が語られ静かに夜は更けていく

 10数年前にSさんご夫妻にご購入頂いた家人の絵(ヌードなんだけれど)が
 今日初めて会った東京在住の娘さんにもとっても気に入ってもらってる

 ことがわかり 奥さんにも「我が家の家宝だ」とか言って
 もらって嬉しかった

 久方ぶりでお会いできたことやお話できたことをSさんの奥さんにも

 J庵のご夫妻にもとっても喜んで頂いて
 しばらく遠ざかっていた
ご縁がまたつながってまた深まっていくような
 心嬉しい時になった
 これもSさんの暖かいはからいかも…

                     
                                

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お水取り・お松明・・・清き炎

2014-03-14 00:55:27 | 徒然・・・お水取り

 
しい冷え込みと春らしい日差しが繰り返す3月
今年も東大寺・二月堂のお松明へ


お水取り(修二会)は今年で途切れることなく続き1263回目
私たちは今年で16
回目だ
あの震災から3年いろいろな思いが交錯する

石畳の参道を上っていくと梅のいい香りがした
あちらこちらに白・赤・ピンクの梅の花が今は盛りと咲いている 

お松明は12日と14日を除き午後7時に始まる
近年はすごい人出でその日によって違うようだが、だいたいは平日でも
5時半前には着いてないと舞台下の芝生に入れない

2年ほど舞台の上で真近で見せてもらったので今年は練行衆が

お松明のもと上って行かれる
階段のすぐそばの芝生の下辺りで待つことにした
ここなら練行衆の方々の姿も見えるしさして火の粉もかからない
今年は練行衆のトップ「和上
勤められているS師のお姿も拝見できるだろう

着いたときにはまだ薄日が柔らかく辺りを照らしていたが

太陽が沈むと、とたんに冷え込んでくる

「お松明」は参籠宿所から二月堂に夜の行に入られる練行衆(籠もりの僧)
の足元を照らすかがり火で、先に堂入りされている一人を除く練行衆
十人分10本のお松明で進められる

 6時になると童子が一人階段を駆け上がりまた駆け下りてくる

この頃になると舞台下の芝生には入場できず
境内一面は びっくりするほどの人の海だ
空には上弦の月から少し膨らんだ月が美しく輝いている

立って待つこと1時間40分
7時、童子が今度は2回階段を駆け上り駆け下りて
大鐘がなりいよいよお松明が始まる
堂内には差しかけ(高下駄)の音が響いている

お松明が夜を照らして燃える中籠りの僧が一人ひとり役職を呼ばれ

上っていかれる
舞台の両端でお松明が振り上げられ回され火の粉とともに

炎が赤々と夜空高く舞い上がる
舞台を松明が駆け抜ける・・・
清められ、はりつめた冷たい夜の「気」の中で火の行が続く
辺りに杉やヒノキの燃え上がる「香り」が立ち込める

辺りを埋める人々から歓声があがる
火の粉が降り注ぐあたりは悲鳴に近い声も・・・
私には燃え上がるお松明が吼えるお獅子の顔(獅子舞の)に見えた

久しぶりに舞台下から見上げるお松明の動きはすごく臨場感があった
炎の中にほのかに映し出される階段を上り行く

練行衆のお姿も見ることができた
若い僧も結構含まれているように思ったがどうだろう

お松明が終わると人の波は一斉に引いて

辺りには張り詰めた空気と静けさが戻ってくる
舞台見学の団体が引くのを待つために休憩所に行くと

箱の中に、お松明の燃え残りがたくさん入れてあり
持ち帰りようの新聞紙まで切って用意されていた
まだ燃えた杉の香りがしている

お松明の火の粉を浴びれば1年の無病息災につながり

その燃え残りも無病息災のご利益があるとされる
拾い集める人もたくさんいるが毎年はほんの少しは見つかるので

拾って半紙で包み壁にとめている
せっかくだから今日来れなかった友人のお土産に少し多めに戴いた

いつものように内陣に入る家人と別れて待ち合わせ時間を決めて局に入る
向こうの局の前では童子の方が

「10分もしないで出てくるなら入らないでください!
ここは修行の場ですから・・・!」と言っていた

その通りだ!

外では人払いをして舞台一面に水を撒いているらしく騒がしい声が聞こえる

中での「行」が高まっていくにつれてそれらの声も気にならなくなり
内に静けさが広がっていく

「南無観世音菩薩・・・」
声明は歌で言えば斉唱から輪唱、独唱・・・と様々に
響きあい重なり合って高く低く次第に高まっていく・・・
独唱担当の声明のお声、バリトンの響きがすばらしい
差しかけで走り回る音も高らかに座ったり立ったり・・・
鐘やほら貝が響きわたる
激しい五体投地の音も聞こえる・・・

  声明の内なる宇宙(そら)に響きおり暗き局に星降るごとく

瞬く間に時が過ぎていくこれもいつものごとく・・・
視覚と嗅覚と聴覚が研ぎ澄まされ

局を出ると夜の大気の清らかな冷気が沁みる

舞台を一回りして礼堂からの階段を下りると鹿が近づいてきた
鹿と向き合い大きな目で見つめられるといつも話しかけられそうな気がする
これからねぐらへ帰るのだろうか

何とも言えない清々しさの中、石畳を降りていく

「このとき毎年感じるこの高揚感・満足感・充実感
そして清涼感は何なのだろう・・・」
と話しながら・・・

修二会の正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)」
われわれが日常に犯しているさまざまな過ちを二月堂の本尊である
十一面観世音菩薩の宝前で懺悔(さんげ)することを意味する

1263年間毎年まいとしここ東大寺・二月堂から「浄化」の波が
世界へ送られている・・・
 


    
                          

 

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お水取り「参籠お見舞い」…奈良の風

2014-03-10 14:01:31 | 徒然・・・お水取り

 
 
今年も千葉・房総から50本あまりの「ポピー」の花便りが届いた
 
今年のポピーは届くまでに咲く準備が整っていたようで
水切りして活けたその夜から次々に開き始めた
大輪の満開のポピーが玄関やリビングで華やかに春を告げる

しかし今年は「
一雨ごとに暖かく」とはなかなかいかない模様
寒の戻りもなかなかのものだ
ポピーも満開のまましばらくもってくれるだろうか

 
雪模様を覚悟して起きた朝
きれいに太陽が顔を見せ、東大寺・お水取りの「参籠見舞い」に出発
京奈和自動車道に乗り10時前には二月堂前に着いた

ほぼ1ヶ月に及ぶ「修二会」(お水取り)の本行の中日
あたりの空気は清くはりつめ気持ちのよい引き締まった気が流れている

参籠宿所は二つに分かれていて今年は「和上」の所に伺うので上の門を入る
庭には日が差し込み火も焚かれているので暖かい

手向け山の神社の神主さんご一行と一緒になった
男性陣は参籠所内に入ることが許されているので中で和上のS師と歓談のもよう

名古屋からいらした方(S師は教祖様と呼んでいたが)とあれこれ

お水取りについて話しながら
焚き火にあたり童子の入れてくださったおお煎茶と和菓子を頂く
なんと言うこともないのだがここの気の流れにふれるのがいいのだ

見上げれば紅梅と白梅が満開で美しい
童子(聖域に入ることを許された神に近い子の資格を持った大人)や

仲間(ちゅうげん)等々も一緒に籠って
籠りの僧(練行衆11名)のお世話をする

他の僧やS師の紙子にかなり痛みが見える
気温の高い日もあったし「行」の激しさも伺える・・・ 

調べてみると紙子は手漉きの白石和紙が
使われ練行衆の手によって
手作りされるという
「厚手の紙衣紙を揉、絞り棒に巻き付けて押し縮めて柔らかくし
 寒天を刷毛で塗った紙を何枚も貼り合わせ
 寒天を刷毛で塗り木綿の裏地を付けて着物に仕立てていく」
作って奉納されるものとばかり思っていたのだが・・・びっくりした
今度聞いてみよう

古い紙子も大切に取っておき、破れたらその大きさに切り取って
「スプレー糊でぺたぺたっと貼り付けてますんやわ・・・」
とS師から今年初めて聞いた
手漉きの和紙なのでその年の出来具合によって丈夫なものや

破れやすいもの等いろいろらしい
「紙子」ひとつとってもいわれや歴史がいろいろあって興味深い

二月堂の舞台から眺める早春の風景は格別
1260年以上毎年まいとし行われてきた「行」には深い歴史と

宇宙的な時が流れている・・・

                          

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今日は啓蟄・・・

2014-03-06 15:06:22 | 徒然

 
弥生、3月に入った
各所に飾ったミニ雛飾りは旧暦まで飾る予定で
活け花とともににこやかに座っている

今日は「啓蟄」とか
暦の上では「春の暖かさを感じて、冬ごもりしていた虫が外に這い出てくる」

ころと言われる

「蟄」は冬ごもりのため虫が土の下に隠れること
「啓」は開くとか開放とか夜が明けるの意を表すらしい

今日は朝から雪がちらついている
北の方ではとっても厳しい雪模様

奈良・東大寺の「お水取り」の本行が中日を迎えるこのころは

昔から寒の戻りが厳しいと言われている
籠もりの僧にとってはその方が「行」がおこない
やすいと聞く
厳しい行で暖かいと着ている紙子(和紙で作った衣)が

汗で破れたり返って体調を崩したりするとか・・

明日は朝から「参篭見舞い」に行く予定
今年は旧知のS師が和上を勤められている
奈良には今年はどんな風が吹いているだろう

今年は2月はほんとに寒くて雪も降りこれぞ冬という
「寒い2月」を久々に思い出した
近年は私的には日差しの明るさの中で早春の感じが

年々強くなってきていたから

もう15年ほど毎年出かけている「お松明」も

以前はすごい重装備で出かけたものだが
このところは随分すごしやすくなっっていた
今年は覚悟して出かける必要があるだろうか

春の足音が少し遅い今年だが 
思わぬ事象で1年先延ばしになっていた「新しい春」を
始まる・始める予感が少ししている・・・

                        


 

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