駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

コーエン兄弟の作風

2022年10月04日 | 映画

          

 

 この数か月、ネットで映画とテレビ映画を見ている。外国のテレビ映画は映画に負けず面白い。刑事モースを全部見てしまったので、今度はファーゴを見た。映画のファーゴを見ていたので、テレビ映画のファーゴはどうだろうかと思って見始めた。思いがけぬ展開に次はどうなると固唾を飲まされて面白いのだがどうも微かに後味が悪い。コーエン兄弟の映画はバートンフィンク、ファーゴ、ノーカントリーの三本しか見ていないが、面白く惹きつけられるけれどもどこかに不協和音というか嫌な感じがある。それは不条理ですよなどと解説されるのかもしれないが、残虐不気味で底知れぬ悪者と石頭の愚かな上司が出てきてやり切れない。こんな人達を相手にしたらとても勝てないと感じた。刑事モースやミレニアムなどにも残酷な場面出てくるのだが、ファーゴほどの軋むような不快感はない。ファーゴの残酷さは執拗で救いがなく異様に感じた。

 ミネソタがコーエン兄弟の作品を歓迎しているかどうか知らないが、ミネソタの風土と季節(特に冬)が作品と分かちがたく結びついている。雪の一本道が脳裏に焼き付けられてしまう。抜群に面白いが楽しかったとは簡単には言えない作品だと書いておこう。

 

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ノンハリウッド映画

2022年09月09日 | 映画

              

 

 年に数本映画を見てきたが、最近はコロナで映画館に行けず、自宅でネット配信を見るようになった。ハリウッド映画ではなくドイツ、フィンランド、スエーデン、デンマーク、イギリスなどのヨーロッパ制作の映画(テレビ映画も)を見ている。素晴らしい作品が多く、ハリウッド以外の映画をもっと見れくればよかったと感じている。

 私は邦画をあまり見ないので正確な比較とは言えないが、イギリス映画の俳優特に女優が上手いというか魅力的に感じる。ルース・ウイルソンなどという女優さんにはネットの映画でなければお目に掛かれなかったと思う。ジェーン・エアはいろいろな女優さんが演じているようなので様々な意見はあるだろうが、私はルース・ウイルソンがいたく気に入った。美人ではないが、美人以上の魅力がある。

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ジェーンオースチン

2022年08月10日 | 映画

                

 

 医師にとって経験は宝、謙虚にそして虚心坦懐に事実に向き合い反省する心と頭を持っていれば誰でも優れた医師になれる。医師だけでなく色々な仕事で真実だろう。残念ながら人生は短く道半ばになるのも真実。

 仕事とは別に世の中には美しいもの旨いもの心地よいもの素晴らしいもの・・、反対に卑劣なものおぞましいもの辛い苦しいもの・・が溢れている。いずれも一部しか体験することはないのだが、素晴らしいものには思いがけず出会うことができる。 

 ジェーンオースチンの名前は聞いたことはあるが作品を読んだことはない。プライムで時々映画を見るようになってたまたま「説き伏せられて」を見ることができた。逡巡があったが、イギリスが好きなのでどんなものかなとボタンを押した。最初に主人公アン(サリーホーキンス)が大写しになった。あんまり美人でないなと思ったのだが、映画が進行すると美しい表情の魅力的な女性なのが分かってきていつの間にか応援、手に汗を握っていた。人さまざまだから良いものを見たというのは、私の感想なのだがジェーンオースチンの高い評価もなるほどと納得させられた。私には知らないで終わることがなく良かったというくらいの感動があった。

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刑事モースは五つ星

2022年07月06日 | 映画

                

 

 市中の映画館にはもう三年近く行っていない。その代わり今年になって時々アマゾンプライムで映画を見るようになった。暗闇や大きな空間と大音響にざわめきという映画館の雰囲気はないが十分楽しめる。

 新たな発見がいくつかあるが、ハリウッド映画とは違う味わい深い映画があるのを再発見した。映画ではなくテレビドラマにも優れた作品がある。例えば英国の刑事モースはシリーズの刑事ドラマで、配役演技内容の三拍子が揃って素晴らしく、コロンボに負けないと思う。数に限りが有るのでゆっくり見ている。大袈裟かもしれないがイギリスの懐の深さ実力を感じてしまう。ショーン・エバンス演じるエンデバー・モースは優男で刑事らしくないが、不思議に魅力のある人物に絶妙の配役で本当にこういう刑事が居るのではないか居てほしいと飽きさせない。

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「クーリエ」を見た

2022年02月01日 | 映画
         

 映画「クーリエ」を見た。家内がカンバーパッチに興味があると聞いていた。たまたまプライムで目にとまったので誘い一緒にネットで鑑賞した。実話に基づいた(キューバ危機:MI6&CIA vs KGB)スパイもののスリラーで地味だけれども全編に緊張感が漂い面白かった。配役も映像も細部まで丹念に考えて作られており味わい深く久しぶりに映画らしい映画を見たと感じた。カンバーパッチに劣らずメラーブ・ニニッゼがいかにも居そうなロシア軍人を好演し、妻のジェシー・バックリーも感情を抑えた演技が光っていた。女性のCIAのレイチェル・ブロズナハンもアメリカ人らしい雰囲気を漂わせて好演、なかなかの美人だ。脇役の俳優も短いワンシーンの俳優に至るまで、実在する迫力で印象に残った。
 実話と聞いて「怖い」というのが妻の第一声だった。事実は小説より奇なりというが、まるで小説のような話だ。カンバーパッチファンならずとも映画好きにはお勧めの作品と思う。
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