駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

賢いだけでは

2012年05月31日 | 世の中

       

 頭の回転が速く、賢いと言われる医師を何人も知っているが、智慧の使いようがちょっと違うのではと思うことがある。

 甲状腺の病気は実は非常に多い。成人女性の十人に一人という統計もあるくらいだ。さてこの十人に一人と言う甲状腺疾患が全て治療の対象になるかと言えば違う。観察の対象にはなっても投薬が必須な人は何分の一にかに減少する。勿論境目は灰色で、専門医でも意見が分かれる症例はある。

 どうも賢い先生の中には利に敏い傾向?があるように見受ける方が居られる。先日六十代のおばさんが動悸がするとやってきた。心電図は洞性頻脈だけである。五年ほど前、右側の喉が痛いと某先生を受診、甲状腺が卵のように腫れていると言われ、以降通院しているという。残念ながら患者の理解力が悪いのか先生の説明不足か、何という病気でどういう薬を飲んでいるか、全く分かっていない。私の触診では甲状腺が腫れているようには思えない。卵のように腫れていれば患者にも分かるはずなので、腫れていたかと聞くと今と同じだと思うという。

 甲状腺ホルモンを測定するとTSHが0.01でT4が正常域を超えている。どうも薬の量が多い?ようだ。理解の悪い患者さんに多少大げさに説明することはあると思うが、灰色を黒っぽく捉えたような気がする。私が診断治療を変更するのは僭越なので、総合病院の甲状腺専門医に回した。

 なんだか同業者に辛辣のようだが、適当な例を思いつかなかったから挙げたまでで、これが適当な例とは言えないかもしれない。

 言いたかったことは、世の中に知恵を人のために生かし切れていない方を見受けるということだ。端的に言えば、例えば政治家などで、先を読んで火中の栗を拾わないように気を付けるのが本当の知恵だろうかと訝しんでいる。折角、知恵に恵まれたら自分よりも世のために使っていただきたいと思う。

 Photo.R.Ogawa

 

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眼が輝く、もう一人の「りょう」

2012年05月30日 | スポーツ

    

 今朝は緊急往診があり、書く時間がない。

 皆さんは宮市亮をご存じか?。英国プレミアムリーグに挑戦中の若きフォワードだ。彼の目の輝きが素晴らしい。素直な若者そのものの表情から、しなやかな向上心が伝わってくる。

 ザックが日本代表に選んだ。サッカーは独りでは出来ない、周囲の力を得て、伸びることを大いに期待している。

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なんだか頻回、竜巻雹警報

2012年05月29日 | 自然

     

 まさか羹に懲りて膾を吹いているわけはないと思うが、先日の竜巻被害以降、雹と竜巻の警報が頻回に出る。実際に竜巻や雹が起こりやすい気象条件が増えているのだろうか?。今まで竜巻雹の警戒情報を殆ど耳にしなかったので、つい日本人の私は多少警戒警報の閾値を下げているのではないかと勘ぐってしまう。どうもそうでもないらしい?。サッカーU23の試合場フランスのトゥーロンでも雹が降ったらしい。地球全体の気象が連動して変化している可能性がある。 

 さて、注意報は有難いのだが、竜巻に関しては備えよと言われても難しい。鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物に身を潜めれば大丈夫らしいのだが、医院も我が家も木造だ。今頃になって、そう云えば鉄筋コンクリートの医院を勧められたのだが、費用が嵩むのであきらめたのを思い出した。これから建築会社は竜巻にも大丈夫な家と宣伝するとよいかもしれない。尤も、そんな家はお安くなさそうだが。

 幸い竜巻や雹はなかったが夕立のどしゃぶりで、午後4時以降の患者さんは僅かに五名、商売上がったりだ。暇な時間を活用して、書き賃無料の生活保護者用の書類書きに精を出した。二十年で生活保護患者が倍増した。なぜ増えたのだろう。

 「どうも面目ありません、世の中の竜巻に巻き込まれまして」。

 「ほんまか!」。

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U-23エジプトに負ける

2012年05月28日 | スポーツ

 

 深夜のBSを見ていたらU-23の予告があり、ついエジプト戦を見てしまった。大荒れの天候で、ハーフタイムには雹まで降ったらしい。それにしてもすっきりしない試合であった。なんだか会場も内容も草サッカーを見ている感じで、あれよあれよと言う間に点が入ってしまった。

 関塚監督が細かい反省のコメントを出しているが、問題はセットプレーへの対応のまずさよりももっと根本的な、相手のプレーに対応して有機的に動けない日本の連携プレーの不具合にあると思う。相手の動きに対応してどう変化すればよいかという戦略を選手自身がフィールドで考え出せず、その場しのぎになっている。逆にエジプト側が日本の弱点を読み取り、ダイレクトパスとサイドを抉る攻撃を選択してきた。

 ボールを受け取った時に次どうすればよいかの予測が不十分なため、バックパスをしてしまい、そこに付けこまれることがしばしばあった。バックパスは受け手が余裕を持って対応できる球筋で返さないと危険だ。キーパーはゾーンに返す時はハーフラインを越す距離を蹴る習慣を身に付けたい。短いと相手ボールになった時、直ぐ危機になる。審判の判断は時には納得できないが、覆ることはなく、おかしいと思っても直ぐ受け入れる気持ちでいないと隙ができてしまう。首をかしげている暇はない。

 若いティームなので短い時間で改善可能と思う。今のままではメダルは遠い。関塚監督の冷静な対応を期待する。

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大人相手にいかがなものか

2012年05月27日 | 医療

 東京へ内科学会生涯教育講演会を聞きに行ってきた。東京国際フォーラム周辺は高層ビルが建ち並び、近代的な大都会の様相を呈している。しかも街路はゴミ一つなくこれだけ美しいビル街は欧米にもないような気がした。日差しは夏、道行く人も軽装で、天気の良い休日を楽しんでいる様子であった。しかるに日本全国の内科医二千数百人はホールに積み込まれ、みっちり六時間の講義を受けた。

 二十年以上前からこの講演会を聞いているのだが、ウンザリするのは講演会長が朝の挨拶で必ず、受講証明の押印は十分で終わりますから慌てないで下さい、最後の講演の途中で席を立たないで下さいと繰り返すことだ。毎回いい大人に何度同じ事を言うのだろうか。遠く北海道や九州から来て居られる先生方も居る。電車や飛行機の時間もあるだろう。講演終了と同時に腰を上げても良いではないか。会長が終了の挨拶をしている時にぞろぞろ受講者が出ていくのは不愉快かもしれんが、児童生徒相手のような注意はよして欲しい。ちゃんと座って聞いて居られる先生方も半数ほど居られる。それで由として戴きたい。

 最後の野口先生は素晴らしかった。講義の内容も良かったし、ご自身の著書も宣伝し講義終了予定時間五分前に終わられたのは賢い。あっぱれななものだ。先生も名古屋だから、やはり16時3分のひかりに乗りたかったのだろうと推測する。

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