医院は全ての人に開かれており、誰でも受診される。医院の場所によって多寡はあるだろうが取り扱い注意の人も来院される。
マスクをしたお爺さんが受付のカウンターに立った。朝の混んでいる時間帯なので受付嬢はちらっと見て「診察券は?」と聞くと「ない」。
「えーと保険証は?」。
「ない」。
「そうすると自費になりますが、宜しいですか?」。
「ほれっ」と急に診察券と保険証が出てくる。何それっと思いながら「今日はどうされました?」と聞くと「採血をしてくれ」。
「えーっと、半年前に来られただけで指示が出ていませんが」。
「先生に言ってあるんだ(思い込み)」。
「あーそうですか、それでも診察をしていただいて、それからになります」。
「なにー、今日の受付は、わからんやつだな」と怒ってお帰りになりましたと報告を受けた。マスクをしていたので気が付かなかったのですが、Yさんでした。ああ、あの人か。
「また来るからいいよ、その時は丁重に案内してあげて」。特別扱いはしたくないが時にはやむを得ない。