駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

長妻大臣の決断に注目

2009年09月30日 | 医療
 長妻厚労大臣が中央社会保険医療協議会(中協医)から日本医師会の代表委員を減らす方針を決めたらしい。職能団体はどのような大義名分を掲げても、自分たちの考え方(都合と利益)を優先する習性を持っており、その代表者を減らすことは日本医師会の主張を削ぐことになる。当然、日本医師会の強い反発が予想される。
 日本の診療報酬は全国一律国定のもので、その決定にこの中協医という諮問機関の答申が強い影響力を持っている。
 診療報酬は医療制度と同等あるいはそれ以上に医療環境に影響を与える要素で、厚労省の医療施策の最大の表現と言ってもいい。
 私は開業医だが、診療報酬が開業医から総合病院側に移動することに異論はない(医師会では異端医扱いを受けるが)。しかし譲れない条件がある。それは医学と医療現場を熟知した委員の判断に依るということと情報の公開だ。どのような議論がなされ、どのような根拠、どのような意図でそうなったかを明らかにして欲しい。
 長妻さんは年金には詳しいが医療には疎いと云われている。それが良い方向に働くことを期待している。医療の診療報酬体系を新鮮な目で見直して頂きたい。
 医療機関からの診療報酬請求を査定する機関があり、これに莫大な人件費と時間が費やされている。こんな無駄はないとかねがね主張しているのだが、一部不適切な請求をする不心得医師が居るから必要だと審査委員は反論される。確かに不適切な医療行為や診療報酬請求は排除されなければならないが、それはもっと簡便科学的な方法(廉価)で可能なはずだ。今までこうしてきたからこれからもという硬直した考えを離れた柔軟で合理的な施策が現れることを期待したい。
 週刊誌の見出しのように長妻潰しを図る厚労官僚は居ないと思うが、もし居れば国民が許さない。担当官僚も情報公開するように。
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食品期限の不思議

2009年09月29日 | 身辺記
 食べ物の賞味(消費)期限はどのような方法で決めているのだろう。おそらく実験と経験から例えばポテトサラダはあらかじめ何日と決めてあり、作成する度に食品中の何かを測定して決めているのではないと思う。
 事故やクレームが恐いので相当の余裕が持たせてあるはずだと、一、二日期限を過ぎた納豆やヨーグルトも食べているが何ともない。
 舌に自信がある?ので、餡がほんの微かに酸っぱい大福などもこれくらいなら問題ないと食べている。苦い経験から学んでいるので失敗しない。基本的に胃腸は丈夫な家系で、そういえば親父は古くなった物を平気で旨そうに食べていた。
 果たして賞味期限が切れると本当に不味くなるのだろうか。ある時間を過ぎると突然不味くなるはずはないので、妻には窘められるのだが、閉店間際の50円引き100円引きに手を出している。確かに食感が僅かに落ちていることはあるが味は変わらない。だいたい出来合いの弁当やパックに入ったお総菜お菓子類にこれは旨いという物はない。それなりに美味しく頂くが、それまでのものだ。
 賞味(消費)期限には生産者向けの意味もあるのだと思う。人の口に入る物でも、中には利潤に目が眩む業者もいるだろうからその歯止めになっているだろう。そういう意味からも期限間近の安売りは極めて妥当な商習慣だ。生産者販売者消費者三者総得で、これを妨げるのは強者の我が儘だ。情報を全面公開し某コンビニなどは厳しく指導すべきだ。
 思うに、まだ食べられるものを捨てるのは勿体ない。直ぐ差別だとか蔑視といわれるが、本当は捨てられる食品を生かす用途は色々あると思う。賞味期限過ぎを食べて大丈夫なのを実証している私の提言だ。
 
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傘がないより皮が厚い

2009年09月28日 | 世の中
 井上陽水は傘がないと歌った そういうこともあったかもしれんが、正直傘なぞなくても宜しい。平凡だが、今は女王に呼ばれて急ぐ兎のごとく時間がない。
 年を取るほど時が過ぎゆくのを早く感じるとは親父に聞いて承知していたが、やることが増えるとは知らなかった。
 饅頭の皮はしっとりと薄く最中の皮はパリッと薄いのが宜しい。ついでに皮下脂肪もちょっと指が沈むくらいが宜しい、手が沈むようでは・・。人間本来の仕事がそんなに増えるはずがなく、要するに不要と思える手続き情報が嵩張り絡まり、肝心の中身本道を厚く包んで仕舞っている。患者さんを診察する以外に、あれこれ書かなければならない書類の多いこと。医師免許はもっているが事務免許は持っていないのだ。
 そこで飛躍するようでそうでもないのだが、民主政権にと政治が出てきてしまう。事務手続きの簡素化、情報の絞り込みをお願いしたい。手続きの重複、役所語の排除と情報の一元化、これだけで医者の仕事、市役所の事務方でなく前線の医師の仕事!、が一割は減る。
 無駄と言えば語弊があるが、省ける仕事に人だかりがしている。大きい政府というのは力のあるという意味であって複雑ということではない。簡素明瞭で力のある政府へ方向転換をお願いしたい。大きい(政府が色々面倒をみる)政府の費用はどうすると騒ぐ人達がいるようだが、生きた使い方をすれば戻ってくる。民主政権の胆力と知力の見せ所だ。たのんまっせ。
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パメラ食堂のパンケーキ

2009年09月27日 | 旨い物
 オバマ大統領が食べ損なったパメラ食堂のパンケーキを鳩山首相はたらふく食べたようだ。パメラ食堂のパンケーキはどこか特別なのだろうか?
 パンケーキといえばIHOP(International House Of Pancake)のパンケーキを懐かしく思い出す。日本のホットケーキと違い、パンケーキそのものはあっさりして小振りだが何枚も重ねられホイップクリームとシロップがたっぷりで甘党には堪らない。どうも日本の男には甘い物をおおっぴらに楽しまない遺憾な風習があるが、欧米では大の男がニコニコとケーキやアイスクリームを頬張っている。
 日本の上品なほのかな甘さと違うこれでもかという甘さやお飾りでなく山盛りのホイップクリームは今も健在だろうか?
 かってのピッツバーグは鉄鋼の街で公害もあり、アメリカじゃあ住みよい街ではなかったはずだが、この三十年で安全で住みやすい街になったらしい。パメラ食堂はその変遷を見守ってきた街中の食堂なのだろう。パメラは女性名、きっとパメラおばさんが切り盛りしているに違いない。
 IHOPに入ると微かに柑橘系の香りが漂っていることが多かった。通りを眺めることができるオープンな作りで、スタイルの良いウエイトレスが笑顔で席に案内してくれ、メニューを置いて行く。私は、特別暑い日や凍える寒い日にこのパンケーキを頬張った、力が湧いてくるのだ。
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優柔不断には雷男

2009年09月27日 | 医者
 毎日60人前後の患者さんを診察している。そうすると2,3日に一人、紹介が必要な患者さんが出てくる。紹介が必要な理由はいろいろあるが、大抵は病気が重いか高い専門性を要するかのいづれかだ。高い専門性を必要とする場合はこちらから病院(医師)を指定するが、どこの病院でも診療できる疾患の場合は患者さんの意向に添っている。
 困るのは優柔不断(ほとんどが女性)な患者さんだ。面白いことに優柔不断な人は少しでも良い方にという意識が強く、A病院はどうですかというと、あそこはどうもと急に優柔不断でなくなる。そういう患者さんには腹部外科はY先生を勧めている。彼は私より7,8歳若い決断力に優れる外科医らしい外科医だ。患者さんに迷う暇を与えず、ではこうしましょうと決めてしまう。スポーツマンでクラシック音楽が好きで、いつもにこにこしながらせかせか歩いている。エネルギーが溢れてゆっくり歩けないらしい。勿論、腕は一流で、手に負えない進行がんなどはがんセンターや大学病院へ送る謙虚さも持ち合わせている。
 彼に紹介すると優柔不断な患者さんは99%良い先生を紹介して頂いてと帰ってくる。紹介した方も、彼は適当なところでもう来なくていいよと患者を戻してくれるので喜んでいる。時には慎重なのか忘れたのか、いつまでも戻してくれない先生もいるのだ。
 なんだかY先生はとてもいい先生に思えるだろう、確かにそうなのだが。まあ、大きな支障はないのだが実は彼は大変な癇癪持ちなのだ。滅多なことでは爆発しないが、怒鳴られた本人は20cm、周りも5cmは飛び上がってしまう。私も一度その場に居合わせたことがあるが、本当にびっくりした。雷とよい勝負だ。
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