ムバラクと云う人、経歴をよくは知らなくても、25年以上大統領をやっているだけで、権力亡者であると断定できる。ほとんど病気なのだが、この人の首に鈴をつけるのに尊い幾多の命が失われねばならないとは、何ということだろうか。
権力と云うのはある種の人達には麻薬のような陶酔をもたらすもののようだ。ある種の人達は実務の才能は乏しくても権力維持には悪魔的な策略が湧き出てくるものらしい。自分の権力維持が目的化している指導者の首に無血で鈴を付けることができないと、恐ろしいことになる。
ザックジャパンが遂にアジアカップで優勝した。個々の個性を伸ばし、且つティームを一丸にまとめ、一人一人の足し算以上の新たな力を生み出し、劇的な勝利を収めた。
例えば川島のポジション取りと連携ミスを叱責しながら信頼は揺るがず、そうして前向きの反省を引き出して、決勝での素晴らしいプレーを導きだした
勝利の女神さえ、味方に付けた気がする。指導者の模範と思う。
ムバラクを反面教師とし、ザッケローニを手本としたい。
ザックジャパンに乾杯!。本当に素晴らしい奴らだ。
医学の進歩には目覚ましいものがあり、我々末端の臨床医は学会や勉強会に行くたびに目を見張り、何とか幾らかでも進歩に追いついて行こうと決意し、どうも結局追いつけないと溜息をついているのが現状である。
それはある意味、やむを得ないのだ。というのは情報量が幾何級数的(7,8年で倍の感じ)に増えているからだ。私が卒業した四十年前は内科学はおおよそ八くらいの専門分野に別れていたが、今では更に細分化され多分四十近い専門分野に分かたれるだろう。
人間の能力はこの四十年で全く変わらないと思われるので、どうしても一人の人間の能力では覆いきれない分野が出て来てしまう。エッセンスの知識を修めることはある程度可能だが、単なる知識ではなくて技術と装置の進歩がついて回るので実践は困難である。そこで総合病院のティーム医療が必要になるのだが、総合病院でも一部しか実現できず、大きな地域格差が生まれているのが現実だ。
医学の進歩報道は科学的な面に光が当たり、技術と装置の費用のことが忘れられがちで、一体幾らか掛かるかということは報道されない。保険診療の適応がないのものは、はっきり言えばあんたの収入では無理だよという進歩も多い。保険診療の適応になれば、医療費が増大するわけで、国の赤字が増え続けることになる。
昔ハウマッチという番組があったが、技術と装置を要する進歩の恩恵には、いつもハウマッチと問うことを忘れてはなるまい。それに最先端の技術を身に付けた人は深いけれども狭く、専門領域を外れれば唯の人なので過大な評価には注意が必要なのだ。足下ばかり見ていては侘びしいが、足下を見ないと転んでしまう。
日本人特有の病気と言えばいろいろあると思うが、まず筆頭は健忘症だろう。人の噂も七十五日とは昔の人はうまいことを言ったものだ。
消費税は数年上げないと言った内閣の中枢に居た人が突然参院選で消費税をと言い出し、こっぴどく負けるや、あれは唐突だったと反省し言及しなくなったのも束の間、こんどはよそから筋金入りの消費税即決行論者で民主党を足蹴に批判していた与謝野(よその)大臣を連れて来て矢面に立たせ、消費税を導入しようとしている。どういう思考回路の持ち主なのだろうか。
消費税がいずれ必要なのは、殆どの国民が承知している。財政を立て直すことが必要なのは自明のこと、改めて大仰に言われるまでもない。
物事を完遂するのに深く関わるのはどのような経緯と方法で決定したかと指導者の信用度なのだ。突然方向転換し、無定見なマスコミと他党の人間を使って関門をすり抜けようとするなど、二流の指導者もしないことだ。とても信用できない。
収入が足りないから増税。それも取りはぐれがなく、手続きが簡単で、所得が多く政治力の強い人の反対が少なく、数は多くても政治力の弱い低所得者への負担の多い消費税を導入というのは、素人の私でも出来る最も安直な方法だ。プロがそんな安手な方策に真っ先に飛びついてよいのだろうか。
国民の方も健忘症があるから、マスコミや提灯持ちの解説者もどきに付和雷同し、なるほどそうかと洗脳されやすいので心配だ。継続は力なり、行き当たりばったりは崩れなり。
生活習慣病の患者さんには小太りの人が多く、口を酸っぱくして体重を落とすように指導しているのだが、実際に痩せてくる人は十人に二、三人程度で、大半の人は努力してますの言葉も虚しく、ちっとも体重が減らない。中には太ってくる患者さんさえ居る。
某病院の少食痩身の鶴野細子先生と違い、私自身もBMIが25前後を行ったり来たりしており、食欲と戦う難しさを重々承知している。それは良し悪しで、患者さんの色々の言い訳が感覚としてよく理解できるのだが、反面厳しさに欠けるかもしれない。鶴野細子先生の厳しさは患者間に知れ渡っており、お陰で痩せられた患者さんと落ちこぼれて当院などへ流れてくる患者さんとがいる。
職員が女性ばかりのせいか、私も甘いものが好きだということが知れているせいか、小太りの女性患者さんからの大福、チョコ、煎餅など駄菓子の差し入れが頻繁にある。どうも差し入れのお相伴に自分用も購入しているのは間違いなく、狐と狸の化かし合いのようになっている。
かくゆう私も、昼飯の後、むしゃむしゃないしポリポリと頂いた甘い物をデザートだからいいかとつい食べてしまっているのだ。あすなろの心境がよくわかる。