今朝も曇天だった、幸いそれほどは蒸し暑くない。どうも梅雨の雨の降り方が変わったのか、しとしとと続くのではなく、短時間にざーっと降ることも多い。水不足と聞く関東の水源は水が貯蔵できただろうか、これだけ降れば十分な気がするが、局所的な問題があるのかもしれない。
患者さんを診る時は必ずカルテの生年月日を見る。これは生物的に患者さんを理解する助けになるし、病気の診断の手がかりにもなる。同じような症状でも年齢によって考えられる病気の種類や確率が変わってくるのだ。但し、しばしば暦年齢と見かけや中身の年齢に乖離があり、そのことも重要な情報になる。
平均余命が四半世紀で十年近く伸びた。診察しながら日々それを実感している。半世紀前は定年が55歳で、還暦と言えば老年の仲間入りの感覚があったのだが、今は六十才は第二の人生の始まりの感が漂っている。実際、診察をしても老化を感じさせない還暦の人もいる。昔からある不老長寿の夢が、21世紀にはいくらか実現しているとも言えそうだ。
尤も、遺憾なことにここにも格差の拡大が及んでおり、六十歳のような八十歳と七十五歳のような六十五歳が混在してる。残念なことに、自分を含めてやや若く見える七十過ぎに、失礼ながら馬齢が重ねている感じの方もおられる。折角の長生をくよくよ漫然と過ごすのは惜しい気もする。どうも、年を重ねるにつれ知恵が凝縮して味が出てくる人は限られているようだ。尤も、大きなお世話、長く生きられれば馬齢で結構と答えられる人も多いのかもしれない。自分も結局はそうなりそうだ。