駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

記憶される年に学ぶ

2020年12月31日 | 世の中
              

 二千二十年はこれからも語り継がれる年になるだろう。COVID19がパンデミックとなり、世界中に未曾有の様々な災害悪影響をもたらしたからだ。
 直接的ではないがCOVID19からいくつかのことを学んだ。古希を何年も過ぎてからで遅きに失する気もするが、多くの人は事実から学ばない事実を重視しないことに気付いた。自分に都合の悪いことには平気で嘘を言い、批判には関係のないことを持ち出して反撃する政治家が太平洋を挟んで出現した。目先に人参をぶら下げ、道理を説く人達への敵愾心を煽り大衆を動かそうとする。
 なぜ人間が陰謀論を好むのだろう。認知症で出てくる物取られ妄想は人間に潜む自分を守る仕組みに由来する気がする。不満や不安に作り出された物語を頼りに耐える仕組みが人間の心の中にあるように思える。恐らく心理学ではもう少し学問的にこうした機序を解明していると思うが、科学的な事実に基づいた分析説得では追いつかない現実がある。
 自分の都合でパリ協定から脱退し地球温暖化を無視したトランプが間接的にCOVIDを誘導した可能性もいくらかあると見ている。勿論、トランプは不都合は何でも人に押しつけるから中国ウイルスと呼んでいるが。

 事実の裏付けのない嘘と事実に基づいた正直な言葉の戦いが五分五分に近い鬩ぎ合いになってしまう現実がある。
 確かに半年後よりも三日後のことの方が切実だし、手の届く範囲の人の方が千里先の人よりも重要に感じられるが、それを戦略的に利用する策略には要注意だ。嘘つきは天才的で嘘には聞こえないからだ。
  なんとも冴えない辛気くさい大晦日のブログになってしまったが、希望を持って新年を迎えたい。
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上達は難しい

2020年12月30日 | 趣味
            

 週一回の将棋を続けている。K氏は毎日コツコツ勉強しているらしいが一向に差が縮まらない。逆にハンディキャップが大きくなり、ついに四枚落ちになってしまった。四枚落ちでも私から見て五勝一敗で、まだハンディが足りないくらいだ。どうして縮まると思った差が広がったかというと、私に少し実戦感覚が戻ってきたためと、相手の実力が分かってきたからだと思う。K氏はこの三か月で少しは強くなっているはずなのだが、手が少し読めても大局観がない。手の価値が分からないらしい。本当はと言っては失礼だが真剣にやれば十回に一回も負けないと思う。時々負けるのは考える必要のないところで長く考えられるので、いらいらして私がポカをしてしまうからだ。昔からそうだが桂馬角道というのは見逃しやすい。
 孫には一度も負けたことがないというK氏、孫は嫌になってやらなくなったらしいが、自身は四枚落ちで大きく負け越してもまたやりましょうというから大した根性?だ。ただやはり七十の声を聴いてからでは、何にしてもそう簡単には強くならない。勿論、何か似たような技術を持っていると連想と連携が働いて伸びるようだが、麻雀と将棋はあまり似ていないようで、麻雀のセミプロだったK氏も今のところ将棋ではてこずっている。
 自分は将棋は四十半ば絵は六十近くで始めたが、人に趣味と言えるほどになれたのは、おそらくこどものころから地図や図形が好きだったせいではないかと思っている。
 好きこそものの上手なれと言うが、若い時に何か種になるものを持っていると高齢になっても上達するようだ。
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巨象には意外な一面も

2020年12月29日 | 世界
             

 近くて遠い国、影に隠れた戦前の昭和史。距離的にも時間的にも近くが霞んでいるのが、日本人の平均的な知識だと思う。三つ子の魂百までもと言うが社会科は十三歳の知識でいつまでもの感じがする。
 中国は香港への仕打ちを見ていると中国共産党に染められた歪な強国に見えるけれども、実際に旅すれば違う部分も見えてくるのではないかと思う。遠景で見れば中国の大都市は高層ビルが林立し、横浜や大阪よりもアメリカの大都市に似ている。高速道路や高速鉄道も色々問題はあるらしいが網の目のように張り巡らされている。
 半世紀前卓球外交などと言われたが、その歴史は連綿と続き、今の日本の卓球選手は平均的な日本人よりも実際の中国をよく知っているのではと思う。中国国内を旅しているだけでなく中国語を話せるようになっている。そのことから得られる知識は、平均的な日本人の中国知識をはるかに越えていると思う。愛ちゃんだけでなく石川佳純さんなどにも卓球以外の中国のことを聞いてみたい気がする。
 確かに中国共産党と習近平には要警戒だが、どうも巨象を一瞥しただけで拒否し過ぎているように思う。爆買いの傍若無人の人々という印象の向こう側に知らない側面があると日本語を話す中国人のユーチューブを見て思った。
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冬になると困ること

2020年12月28日 | 診療
            

 医者も人間しかも高齢。冬になると身体のあちこちが痒くて困ると訴える患者さん(ほとんどが高齢者)に私もそうですと言いながら薬を出している。塗り薬も飲み薬もある程度は有効なのだが完治とはゆかない。それでもきちんと使われる方にはそれなりの効果はあるようだ。
 患者にも医者にもいろいろな人が居て、少数だが塗り薬も飲み薬も効かないと言う人が居る。患者さんの場合は残念と言うかお気の毒なのだが、効かないと言う医者はどうしているのだろう。効かないけど薬は出す、あるいは皮膚科に行ってくださいと対応しているのだろうか。
 皮膚のかゆみの他に夜間頻尿や関節痛も冷えると悪化する傾向があり、今の時期に増える訴えだ。どちらにも取り敢えず、あれこれ考えながら対応している。皮膚科泌尿器科整形外科に紹介することもあるが、すっきりしない症例も多い。どうしても老化が絡むから皆さんが満足行くようにはゆかず、同病相哀れむことになる。
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国民の採点は不合格

2020年12月27日 | 世の中
          

 時の流れに身を任せていない人も、時は否応なく押し流してゆく。師走最後の日曜日、青空が見え冷え込んでいる。街はひっそりと息を潜め年末飾り付けの電飾も所在なげだ。
 新型コロナ情報も次々と更新され新たな変異株感染者も出ているのに、相変わらず菅首相以下政府の責任者は自助努力のお願いばかり、一体この半年何をしていたのかと聞きたくなる。新型コロナの検査をなぜいつでもどこでも何度でもと増やさなかったのだろう。検査には費用が掛かるが、流行地を探索して効率的に行えば費用対効果は妥当なものとなる。移動や飲食業の私権の制限は好ましくないが、安部菅内閣が言い出すのには違和感を感じる。ゴーツー政策を守ろうとする底意が見える。先手を打たなければ、COVID19は抑えられない。
 科学的というのはよりよい方策をデータと論理で見付けてゆくことで、そうした専門家は居るのになぜ採用しないのだろう。東京オリンピック開催の支障になるなどと本末転倒のことを考えている場合ではない。
 感染者数の発表は必ず検査数とペアでしなければ解釈が混乱する。COVID19が曜日を知っているわけがないのに日月火と活動を低下させるように見えてしまう。
 安倍元首相には辻元田村両氏の質問へ答えを見れば国会での証人喚問が必要なのは明らかだ。ニュースはそこにスポットライトを当てて放送し解説しなければならないのに避けているように見える。禄に勉強しないで再試を受けて三十五点しか取れてないのに、合格したなどととぼけたことを言っている。自分で採点してどうする、採点は国民がするのだ。肝腎の疑問に答えていない、わかりにくい安部語で誤魔化しただけ、大甘の試験官ばかりではない。
 新型コロナはには誤魔化しは通らない。国民にも誤魔化しは通らない。
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