駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

夏らしい日曜日

2016年07月31日 | 自然

     

 七月最後の三十一日が日曜日、本当に夏らしい天気で気持ちよく過ごせた。無茶苦茶暑いけれども、生きていて良かったと感じる。

 誰が都知事になるか分からないが、選ばれた夏空に相応しい都政をお願いしたい。選ばれたら、万歳三唱などせず、ありがとうございます。**を引き締めて約束通りの全力で仕事すると宣言して戴きたい。選ばれなかった陣営は選挙で選ばれた人の邪魔はしないように、と多分椎名さんも言っている。

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遂に追い越した

2016年07月30日 | 診療

        

 今日も気持ちよく青い夏空の下をのんびりと登院してきた。有り難いことにさほど蒸し暑くない、土曜日は電車も空いており、最初から座れた。

 S子さんは私と同年配なのだが、大女の部類に入るだろう。今では165cmなど珍しくもないが75kgというのはそうは居ない。一緒に来院されるご主人は幸い180cm近い偉丈夫で釣り合いが取れている。心の中で良い人を捕まえましたねと呟いている。

 女性の中には、子供を産む度に太く逞しくなられる方が居られる。S子さんは正にそれで、五十年前は背こそ高けれスタイルも良く、今と違いおしとやかだったのだろうが、この頃は航空母艦のようだ。受診される度に厳しく食べ過ぎないよう注意していたのだが、孫達に付き合ってついつい間食をされるようで、確かに我慢するのは難しいと思うが率先している疑いもある、遂に75kgになってしまった。

 糖尿病のあるご主人は感心なことに、我々の指導に従い二年間で5kgの減量に成功し74kgになられた。

 「追い越しましたね」体重計の目盛りを確かめつつ、感慨深げに申し上げると憮然として「そうでしょう」の一言を残し、航空母艦はゆっくり向きを変えると診察室を出て行った。

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君知るや南の国

2016年07月29日 | 小考

  

 今朝は久し振りの夏空で蝉しぐれを聞きながら駅まで歩いた。たかだか標高20mばかりの当地だが、高原の夏の感じで蒸し暑さはさほどでもなく、本当に今年の夏は暑く長引くのだろうかと肌感覚で疑問が浮かんだ。

 夏は命はじける子供や若者の季節なのだが、命萎む高齢者が思いを巡らす季節でもある。お盆があるせいか、8月6日9日そして15日と太平洋戦争を思い出す日があるせいか、過ぎし昔を思い出させる夏の日差しがある。

 日本ほど忘れっぽい国も少ない。先日、医師会の友人達と会食をしていて、本土の人は沖縄のことを知らないという話になった。彼は別に革新的という訳ではなく(そうした医師会員は少ない)平均的な自見さんを応援する医師だが、沖縄の歴史を考えれば、沖縄の新聞はけしからんつぶしてしまえと言うのはおかしい、沖縄の立場を無視していると言われた。どうも後輩に沖縄出身の医師が居て、いろんな話を聞いておられたようだ。確かに君知るや南の国と言われても、沖縄出身の濃い顔の歌手達が思い浮かべられる程度で、沖縄って南の島でしょ県なのと言う恐るべき島国日本の感覚がある。

 広く深い知識の深さには歴史という時間軸も含まれている。そうした知識をいくらかでも身に付けて過ぎ越し方と霞む明日を自分で考えてみる季節、それは夏だと思う。じりじりと汗がにじむ暑さで頭が回らないようでいて、実は大きくものが見え考えられる季節なのだとバカボン親父の息子の友達の友達は言いたい。

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今日は何曜日

2016年07月28日 | 診療

           

 えーっと今日は何曜日と診察中に確かめることがしばしばある。そんなことは考えるまでもないはずだったのだが、当番医や祝日があると曜日感覚が狂う。それに物忘れもちょっと出てきているのだ。なぜ曜日が大切かというと総合病院へ送る可能性のある患者さんの場合、判断時期を間違えないようにするためだ。総合病院は週休二日になって久しい。土日は外来がお休みなのだ。勿論、どうしてもという場合には土日でも、頼みこんでどこかの病院へ送り込まなければならないのだが、ウイークデイであれば比較的スムースにどこの病院でも診てくれる。

 中にはそんなの関係ないと、ゴリゴリと押し込む医師もいるだろうが、私はどうも不機嫌な声を聴くのは嫌だし、あちこちの病院に電話をするのを負担に感じる。勿論、嫌そうな声が出るには、それなりの理由があり受け入れる方も大変なのだ。だから医学的とはちょっと違うのだが、木金だと早めに紹介するし、月火水だと二三日様子を診ようということも多い。尤も、往診先で今日は何曜日などと言っていると家族は先生も惚けてきたかと思っているかもしれない。

 電話をしたとき気心の知れた医師だとホッとする。こちらの言うことが掛値なく伝わるからだ。先日も虫垂炎の疑いで明らかに腹膜炎を起こしている患者を外科の当番病院に紹介したのだが、出てきた若造?医師は私の診断を過小評価したらしく、内科当番へ回すように指示してきた。お願いする方は立場も弱いし争う気もせず、内科当番病院へ紹介した。私が睨んだ通り、穿孔性虫垂炎及び虫垂周囲膿瘍で外科医が呼ばれ緊急手術となった。昨日、患者さんは術後経過順調で、本日退院となりました。切除した虫垂の病理所見は壊死性虫垂炎でした。ご紹介ありがとうございましたと返事が来ていた。

 おそらく今もそうだと思うが、若い外科医は、手術がしたくてしょうがないので、急に呼ばれて手術というのを嫌がらなかったはずだ。国立の大病院の院長になったMなど、一緒に研修医時代を過ごしたのだが、救急当番で手術がないと詰まんねえとぶつぶつ言っていた。

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思わず口から出たK氏の言葉

2016年07月27日 | 診療

                  

 K氏は七十二歳、一昨年リタイアされ悠々自適の生活をされている。「お変わりないですか」に、「あんまり暇も良くないね」と苦笑いで答えられる。前回の血液検査の結果を説明する。尿酸が7.6mgとやや高い。カルテのメモ欄にアルコールを嗜むという記載があったので、

 「ビールも飲まれますか」。

 「いや、大した量じゃないよ」。

 「ああ、そうでしたか。缶ビール一本位ならいいんですが」。

 「酒は弱いんだよ、女には強いんだがね」。

 「えー、おーそうでしたか」と思わず大きな声を出してしまった。

 「いや、強かった」。と横を向かれる。ここで看護師が半畳を入れると面白いのだが、Aさんは有能なのだが口が重いせいかこの話には乗ってこず、「それでは、お大事に」とお終いになってしまった。

 K氏は小さな会社の社長で、若い時にはそちらの方で活躍の場もあったのだろうと思う。いや、ついこないだまでかも知れない。

 広く浅く診る医者として、初診では必ず酒煙草をどの程度やるか確かめるのだが、ギャンブルや異性関係までは聞かない。全く病気に無関係ではないだろうが、そうした習慣がないので内科では聞きにくい。

 勿論、中には聞いていないの告白したり、時には元気を出したい相談もあるのだが、あっさり出来る範囲で対応している。

コメント (2)
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