海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

名護市の官製談合問題

2008-02-29 15:19:46 | 米軍・自衛隊・基地問題
 昨日はティダの会の全体会議が辺野古の事務所であったので参加した。
 ティダの会は、名護市辺野古への米軍の新基地建設に反対する活動を取り組んでいる市民団体である。この問題が起こってから十年余、地域で反対運動を続けてきた辺野古のお年寄りたちを中心に、署名運動や名護市役所前での座り込み、キャンプ・シュワブ前での早朝アピールなどを続けている。
 昨日の会議では、名護市議会議員の大城氏から名護市の「談合問題」についての説明があった。『週刊金曜日』が二月一日号から「米軍利権2000億円にむらがる基地マフィア」という連載を始めている。一九九五年九月に米海兵隊員三名による性暴力事件が起こった。そのあと高揚した沖縄の反基地運動を潰すために日本政府は「島田懇談会事業」「北部振興策」などの金をばらまいた。「アメとムチ」と言われる手法で、九州沖縄サミットの開催や二千円札の発行など「沖縄優遇策」を連発し、基地問題を経済問題にすり替える一方で、普天間基地の県内「移設」を進めようとしてきた。その過程で、基地問題対策の金にむらがる利権屋どもが県内外で幅を利かせた。
 その利権構造の一端を暴く「怪文書」が、昨年五月に県内でばらまかれた。「名護市 産業支援センター建設工事に関する談合疑惑」と題されたその「怪文書」には、昨年九月にオープンした名護市産業支援センターの入札状況や同センターの用地取得、設計業務に関する疑惑が記され、電気設備工事発注や機械設備工事発注について裏での金の流れを図式で示すなど、官製談合疑惑が詳しく書かれている。また、疑惑に関する主要人物達の家の写真までご丁寧に載せている。併せて「名護市食肉センターに関する疑惑」も記されていて、内部事情に詳しい者が出したのは明らか、と話題になった。
 この「怪文書」をもとに『週刊朝日』(〇七年十月二六日号)が「沖縄基地利権リポート 小池百合元防衛相VS.守屋武昌前事務次官 浮かび上がった談合と密約疑惑」という記事を書いている。『週刊金曜日』取材班もこの「怪文書」やこの間の新聞、雑誌の記事をふまえながら、沖縄の基地利権にむらがる者達の実態に切り込もうとしている。今後の連載に期待したい。

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