抗 議 声 明
国民の知る権利を侵害する「特定秘密保護法」に反対します
安倍内閣は、10月15日開会の臨時国会に「特定秘密保護法案」の提案を予定しています。この法律が成立しますと、国家による情報統制が強まり、国民の知る権利が侵害されるばかりか市民の生命、安全も脅かされかねません。住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄は、断固反対します。
公表された「概要」によりますと①防衛②外交③外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止④テロ活動の防止の四分野で「特定秘密」に指定された情報を漏えいした公務員、情報を漏らすよう共謀、教唆、扇動した者も10年以下の厳罰が科されます。「特定秘密」を指定するのは、行政機関の長であり、国民に知られては都合の悪い情報を隠すため恣意的に判断される恐れがあります。
この法律は、2011年民主党政権時代に提案が準備されていた「秘密保全法案」を手直ししたもので、尖閣諸島での中国船衝突事件の映像漏洩問題が立法事例として挙げられているところを見ると、何が「特定秘密」に指定されるのか大きな疑問があります。
最も懸念されるのは、民主主義の基本である基本的人権と国民の「知る権利」が侵される事です。沖縄の米軍普天間基地へのオスプレイ配備計画は、長年国民に隠蔽されてきました。極めて危険性の高い機種であることが取材記者の努力によって明らかになりました。その危険なオスプレイが、沖縄県民および県知事、県議会全会一致、全41市町村の首長、議会が反対しているにもかかわらず、24機が強行配備されました。
8月27日には米ネバダ州で普天間基地配備と同型のオスプレイが墜落炎上、8月5日には沖縄県宜野座村のキャンプ・ハンセンで米軍ヘリHH60が墜落炎上しました。これらの事故の原因も明らかにされないまま、危険なオスプレイが小学校や病院の上をも日常的に飛び交っています。
現在も情報が軍事機密のベールで覆い隠され、国民の命が危険にさらされています。この上「特定秘密保護法」が制定されますとどうなるのか。取材しようとする記者、命を守るため情報にアクセスしようとする住民が厳罰の対象となります。
さらに「特定秘密取扱者」(公務員、委託業者、研究機関・大学関係者など)に指定された者は、行政機関の長や警察本部長から思想信条や個人情報を徹底的に調査されます。本人だけでなく家族、知人、友人、に止まらず、政府に批判的な住民まで対象は拡大され、市民弾圧の手段となる危険性があります。
政府は、「共通番号法」の成立によって国民の個人情報を一元管理できるようになりました。調査には「共通番号」が使われることは必至です。今また「特定秘密保護法」の成立によって、国民に知られては都合の悪い情報を隠すことができ、思いのままに情報統制することが可能なります。まさに太平洋戦争へと突き進んだあの暗い時代の再来ではありませんか。日本はもはや民主主義国家と言えなくなるでしょう。
私たちは、「特定秘密保護法案」国会提案に抗議し、成立に断固反対致します。
20013年10月8日
住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄