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今回の「情報発信」について

2012-02-14 23:59:43 | 2013年度(平成25年度)小学校受験

先日のブログ「路線変更?」の記事について、「開智総合部低学年在校生親」様より、以下のような「コメント」を頂きました。

「はじめまして。
毎々拝見しております。
「中学外部受験」の結果が掲示されたこと、驚きました。
今までにはない内容の「情報発信」でしたので。
開智に通わせている親として、今回の発表は「プラス」となる発表&情報なのか、「マイナス」となる発表&情報なのか。
判断が付きかねる、どう捉えていいかわからない、というのが本心です。
先生の>いろいろな意味で驚きです。の意図を、もう少々詳しく(具体的に)教えていただければ幸いです。
また、関連する何か情報をお持ちでしたら、教えてください。
よろしくお願いします。」

 

「コメント」として返信すると文章が長くなってしまいますので、私なりの補足説明&私見を記事として述べさせて頂きたいと思います。 

非常に大雑把なくくりですが、小学校には、いずれかの段階で受験をするあるいはしなければならない「受験進学校」と、系列中学・高校にほぼ全員が進学し最終的に大学受験を目指す「一貫教育校」とがあります。
言うでもなく、開智総合部は後者に当たります。
小学校入学から大学進学までを、「プライマリー」「セカンダリー」「ターシャリー」という3つのステージに分け、12年という大きなスパンの中で子どもの発達段階に応じた最適な学習環境を作っているのですから。
…ということは、基本的に、中学で外部の学校を受験するという概念自体、初めから無いはずなのです。

そんな中で、今回、総合部が「中学外部受験結果」を敢えて開示したのはなぜなのか。
何らかの意図があるのか、それとも「受験進学校」へと今後は路線変更しようとしているのか…
まずはここに大きな驚きと疑問を感じたので、先日のブログに採り上げた次第です。

ところがこの反響は意外に大きく、冒頭のような保護者のご質問などを頂きました。
そこで、私個人の見解をここで述べさせて頂きたいと思います。
ただ、あくまで一個人としての意見であり、開智を代表した見解ではないということを、ぜひご了承ください。

①外部受験の噂が独り歩きしないように、きちんとした情報開示を行うことが目的

開智が基本的に「一貫教育校」であることは、先に述べた通りです。
しかし、他の「一貫教育校」と異なるところは、外部受験を希望するのであればそれはそれで選択肢として受け入れますよ、というところなのです。
(もちろん、この「外部」というのはいわゆる御三家や難関国立等の上位有名校という解釈です。)
しかも、もし万が一外部チャレンジに失敗しても、内部生継続を保証しますよという、全国的に見ても非常に稀で寛大な学校なのです。
普通の一貫校であれば、「外部受験をする=内部進学の道は無し、もしくは外部生として再受験する」が常識ですから…

当然、在校生の保護者間では毎年のように「外部受験」のことが話題に上ります。
今年の学年は外部に何名出ていくらしい、(一貫部の先端クラスができてからは)今年は総合部から一貫部の先端クラスを何名受けて何名合格して何名進学する…等
それは将来の子どもの進路を考える保護者の立場としては至極、当たり前のことでしょう。
異学年齢の濃密な触れ合いの中で生活している子どもたち同士でも、外部へ行って離れ離れになってしまう友だちのことを話題にしないはずはありません。
しかし、それらの噂はともすると尾ひれがついて伝わる怖れがあります。
現状は現状として隠さず開示して頂けることは、保護者としても塾関係者としても大変有り難いことです。

②将来、中学受験という選択肢を取るかもしれない保護者へ門戸を広げることが目的

今年、総合部の募集案内パンフレットが改訂されました。
その中で「進学について」という欄にて、実際に以下のような但し書きがあります。
「※7年(中学1年)進学時に外部受験も可能です。
開成中学など有名私立中学校に毎年5~10名程度が外部進学をしています。」
考えてみれば、今まで外部受験も可能です、と言っておきながら、このような明確な記述を見かけたことはなかったように思います。
その流れの一環として、進学先を明示したのではないかということです。

子どもの将来を考えた時、外部進学という選択肢を残して頂ける、ということは募集時の一つのアピールにもなるでしょう。
開智に我が子が合うと予測して入学させたとしても、実際に通い始めてみてやっぱり合わなかったというパターンも、もちろんあるでしょう。
また、開智よりももっと違う学習環境の中で子どもを切磋琢磨させてみたい、やはり受験を経験させてみたい、などという前向きな方針転換をするご家庭もいらっしゃるでしょう。

私個人としては、総合部が「受験進学校」へ路線変更することには、反対です。
それでは、12年間をかけてじっくり学ぶという開智総合部の「魅力」が根底から覆されてしまいます。
だからこそ、疑問符を投げかけたわけです。
もちろん、中学受験人口自体が減少している昨今、開智が今後積極的に「受験進学校」に転換すること自体、考えにくいと判断します。
したがって、外部受験の選択肢もありますよ、というアナウンス程度に、今回は捉えておいたほうが良いのではないかと思います。

以上が、「外部受験結果」を情報発信した学校側の意図に関する、私個人の見解です。

 

次に、「毎年5~10名程度が外部進学している」という現状(開示内容自体)についてお話ししたいと思います。

この事実は、各ご家庭の判断次第でプラスにもマイナスにも捉えられる可能性はあると思います。
先ほど述べたように、将来の受験を念頭に置いた上で総合部を選択した保護者からすると、「5~10名もいるなら心強い」とプラスに捉えるかもしれません。
反面、12年間一貫教育に期待して開智を選択した保護者から見れば、「5~10名も中抜けする」ということは、たとえそれがそのお子さん本人にとって良い選択であったとしても、マイナスの印象はぬぐえないでしょう。

今回公表された進学先を見ると、今まで噂でしかなかったようなことが明確になり、改めて驚いたことも、正直あります。
具体的には…
女子はどんなに優秀な生徒でも総合部に残るお子さんが多く外部受験をするのは男子が多い、と聞いていたのに女子校に進学しているお子さんもいるんだ…とか
高校のない附属中に、中学受験してまで行くお子さんもいるんだ…とか
開智はどんな成績不振者でも「切り捨てる」ことはせず親身になって補習して頂けるはずなのに、外部受験は成績優秀者だけではないのかもしれない…とか
いろいろな意味で驚きです、と言ったのはそういうことです。

が、もちろん、進学先の選択は、個々のご家庭の諸事情があっての選択だと思います。
外部進学がそのお子さまの成長にとってベストの選択であれば、私たち部外者が勝手な憶測で干渉するのは間違っていますし、そのつもりはさらさらありません。
私の驚きも、以上のような非常に程度の軽い驚きとして解釈して頂ければ幸いです。

ウチの娘も、この4月からセカンダリーへ進学します。
私自身も一保護者として娘の将来を真剣に考えねばならない時が来ています。

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