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当方、池波正太郎の熱狂的ファンである。
ところが、これまで“仕掛人・藤枝梅安”シリーズを読む機会を失っていた。
2ヶ月前、家内の実兄から借りていたこのシリーズ。
昨夜、すべて見終えた。
最終章となってしまった長編「梅安冬時雨」の一篇。
いえ、終わってはいないが、終わっている。
極めて、残念なことに。
著者池波正太郎先生は、このシリーズを執筆されている最中に急逝された。
「梅安冬時雨」の結末も近いと思われるところで止まっている・・・。
「『ところで、三浦十蔵が泊まりに来る宿屋は、たしか、新銭座(しんせんざ)の八尾屋とかいったね?』
『そうです。帰りに、ちょっとごらんになりますか?』
『そうしよう』
風も冷たかった。
渡り鳥が群れをなして、空をわたって行く。
『もう一年か・・・・・そろそろ、こちらの仕掛けをしてもいいころだ』
『いつでもようござんすよ』
絶筆」
ここで、“仕掛人・藤枝梅安”シリーズは終わっている。
梅安と彦次郎の会話の中途で・・・。
永遠に
そのことは分かっていた。
同様に「鬼平犯科帳」も中途で終わっている・・・絶筆。
分かってはいたが、アタマからここまで読んできて、「絶筆」の2文字を目の当たりにして思わずジ~ンときてしまった。
結末の灯が、見え隠れしていた時点で・・・絶筆である。
最後の最後に、「藤枝梅安」、「彦次郎」、「小杉十五郎」たちにどのような立ち振るまいをさせるつもりであったのか。
大阪の大物元締め・白子屋菊右衛門を仕掛けたことから、白子屋一味から命を狙われている梅安。
跡目を継いだ切畑の駒吉は、次々と仕掛人を送り込んできた。
彦次郎と小杉十五郎の活躍もあって、その仕掛人を退けている。
梅安は品川台町の家を引き払って、これまでの借家住まいから、目黒の碑文谷に自らの家を建てようとしていた。
その後、著者は梅安について何を書きたかったのか。
さらに、このシリーズで長い付き合いであった井筒屋の「おもん」に別れをする場面も描かれている。
ここまで読んできたなかで、このような話が書き込まれようとは、思いもよらないことであった。
であるがゆえに、この大事な「梅安冬時雨」の結末を覗きたいと強く思う。
極めて残念。
池波ファンの一人として、思いは一緒であろう。(夫)
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