
フジテレビ系列の金曜プレステージ「剣客商売~鬼熊酒屋~」、昨日やっと見ることができた。
今回のドラマの原作は、池波正太郎著「剣客商売」(新潮文庫刊)の“鬼熊酒屋”と“三冬の縁談” の2編からなっている。
老剣客・秋山小兵衛は無外流の達人。
その小兵衛を取り巻くのは、40も年下の妻・おはる、子息・大治郎、女武芸者・佐々木三冬(老中田沼意次の妾腹の娘)、それに御用聞きの弥七たち。
誰ものお手本になるような小兵衛と大治郎の親子関係。
これまでも原作を読みながら、その素晴らしさを実感してきた。
今回の時代劇の出演者は、小兵衛に北大路欣也さん、大治郎に斉藤工さん、おはるに貫地谷しおりさん、三冬に杏さんなど。
新メンバーでの出演も既に3回目を迎えるとのこと。
これまでは、故藤田まことさん演じる小兵衛が、なんとも味わいのある小兵衛であり、何度も見るうちに原作のイメージとダブるようになった。
もっとも、原作者は歌舞伎の二代目中村又五郎さんの風貌をモデルに描いたとのこと。
今回の小兵衛は、これまでの北大路さんのイメージからすると、生真面目な小兵衛であろう・・・・
先日のブログのどこかにそのようなことを書き込んでいる。
口がうるさくて、気が荒い熊五郎、それでも酒は旨いし、料理も旨い。
その上、勘定が安いと評判の酒処である「鬼熊酒屋」。
客が暴れて、悪さをすると口うるさく言って、出刃包丁を突き付けて追い返す熊五郎。
その熊五郎の原作のイメージを壊さないよう演じていた石橋蓮司さん。
さすがに芸達者である。
「花子とアン」の周造じいちゃんとは、ちょっと違った意味で人間味ある役柄をものの見事に演じている。
律義者で、頑固なおやじの熊五郎。
その熊五郎と娘・おしんとの関係も明らかになるが、さすが池波劇場である。
思わず、目頭が熱くなる。
「人は善いことをしながら悪いことをし、悪いことをしながら善いことをする」が、原作者のテーマの一つ、今回の熊五郎にも小兵衛にもあてはまっている。
剣客でありながらも、子を思う小兵衛。
大治郎と三冬の関係を知りつつ、じれったく思いながらもなすすべもない小兵衛。
悪いことと知りつつ、三冬のため、大治郎のために・・・。
三冬の剣術の試合相手と木太刀(きだち)を交えることとなり、気合が入って相手の腕を打った。
“鬼熊酒屋”と“三冬の縁談”の2編がうまく融合された仕上がりになっていた。
いずれ制作されるであろう第4弾の剣客商売。
それが見たくなってきた。(夫)

(出典:フジテレビ 公式HP 抜粋)
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