早朝の浅間山 タイトルどおり山麓に雲が棚引く風景はなんとも稲作の風景と合う 手前に見える田んぼは稲刈りが終わっている。藁を立てるという点について、稲作をしていないかたから見れば、なんとも不思議な光景にも見えるだろうが、稲藁は家畜の飼料やそもそも肥料となるものだから捨てることはない。コンバインでは刈り取りと同時に藁を大きなカッターで細かく砕いて背後から排出する。田んぼ全体の藁を切って田んぼの肥料とすると翌年の稲が転びやすくなるので全量ではなく半分とか7分残すのだ。この田んぼは藁と藁くずが交互になっているから半分だろう。立てられた藁は、まとめて飼料として引き取ってもらったり、その残りは束ねられて田んぼに転がるので立てて乾燥させてから畑に持っていって除草の為に地面に敷くようにしたりして使うのだ。だからこうやって地面に稲が立てられている風景は稲が乾燥しさえすればよいのだから1週間もないと思う。 そして奥には従来の「はぜ掛け」、正しくは「はさ掛け」というらしいが、佐久では「はぜ」と魚を掛ける?のか?と聞こえてしまいそうないわゆる方言になっている。TVでやっている県民ショーで自分のところのものが全国区であるかのように絶対正しいと思っているのと同じ感覚で「はぜ掛け」と使っていた。これからは「はぜ」が絶対ではないと、そう認識していればよろしいということで、今後も「はぜ掛け」と使おう。そうしないと地元では通じないし、JAでの回覧でも「はぜ」と使うのだ。そしてそもそも「はさ掛け」とは言いにくい 笑 はぜは刈り取った米が自然乾燥するまで残る。通常2週間ほどといわれているが、天候に左右されてしまうので3週間とかになることも多い。水分量が14.5%から15%になったら脱穀するのが目安といわれているが、よくわからないのでJAに持っていって計ってもらったりすることもあるが、そもそも昔からやっているのだから大体このくらい置いたらである。 一方、コンバインは生きている稲からいきなり脱穀するので、水分を持ったまま籾になる。水分量は刈り取るときに25%程度だといわれている。刈り取り時期も重要で前述の25%以上の水分量があると籾に損傷を与えると言われている。だから強制的に乾燥させなければならない。10%は水分を機械で乾燥させてから流通させるのだ。はぜ掛けで自然乾燥させても少しでも朝方に脱穀すると稲から籾が落ちにくい。「渋い」といってる。この時期は靄や霧などが出やすいので湿度が高いためだ。10時頃になると気温も上がって落ちやすくなる。 ここからは問題。通常流通しているお米は「自然乾燥米」としては分別されていない。昔は自然乾燥が当たり前だったのに、手間がかかる自然乾燥も同じ価格で買い取られる。コンバイン+強制乾燥のほうが今や主流だからだ。 出来た品物はすべてで同じでないことは考えなくてもわかる。自然乾燥米と乾燥米、そもそも丁寧に作ったもの、田んぼの管理もろくに行わないもの、元々生育条件が劣るところで作られた米も、大きな枠に入ればわからなくなり、まぜこぜ。分別を細かくすればするほど管理が大変になるからだ。 食品偽装問題でとうとう米にまで疑念がもたれている。今まで電話もろくになかった親戚からも我が家の米への問い合わせがあるくらいだから関心度は高いのだろう。安心なお米を手に入れるには生産者から直接手に入れるしかないのである。 |