教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

株の怖さを許容しようとすれば

2014-11-11 23:20:43 | 経済/経済/社会
奴「あのさ、うちの株ってどうなん?」
俺「俺はいまは不動産に全力で株はほとんど持ってないから良く知らん」
奴「ちょっとくらい持ってないの?」
俺「従業員持ち株会でちょっとだけ持ってるな」
奴「それってどうなん?」
俺「どうって言われても困るんだけど…」
奴「値下がりしたらどうするのとかさ」
俺「ああ、俺は単位元になったらすぐ売ってるから」
奴「なんで?」
俺「うちの会社はだな、従業員持ち株会で買った場合の会社からの補助がかなりデカいからさ、従業員持ち株会に入っておいて買ったらなるべくすぐ売るのがいいんだよ。だから基本的に機械的に買ったり売ったりしてるから値動きなんてあんまり見てない」
奴「それっていいの?」
俺「俺はそれで統計的に十分勝ち目があると計算した結果が出たからやってるんだよ」
奴「でも下がることはないの?」
俺「あるよ」
奴「えっ?」
俺「だから下がることはあるよ」
奴「それでいいの?」
俺「だから『統計的に』十分勝ち目があると判断したわけであって、今月は勝った/負けたみたいなのは当然あるよ」
奴「ある日とつぜん倒産するってことはないの?」
俺「これくらいの規模の会社だったら、ある日とつぜん倒産するってことは無い」
奴「そうなのか」
俺「たとえばエルピーダが倒産したときだってさ、俺はひところエルピーダの株持ってたけど、倒産する2週間くらい前に損きりで売ったよ。もうダメそうだって感じになってたからね。よく見てればそういうの薄々勘付くわけ。あれはけっきょく損きりで手仕舞いになったけど、損きりしたタイミングは絶妙だったと思ってる」
奴「なんでエルピーダの株なんか買ったわけ?」
俺「確率は低いながらも勝てるシナリオはあったからね」
奴「じゃあルネサスは?」
俺「あそこはないな」
奴「なんで?」
俺「あそこは縮小方向に均衡する未来しか見えないからな~。前にそう思ったことがいま実際にそのとおりになってるし」
奴「そうは思えんけど。たとえば自動車の電化とか」
俺「だったらいいけどね。未来があると思えるなら株買うのもいいんじゃね? 俺はルネサスは買わんけど」
奴「やっぱり株は怖いな」
俺「いちばんてっとりばやいのが従業員持ち株会だな」
奴「でも怖いし、リスクがあるよな」
俺「まあ株は肝が据わってないとできないしな」
奴「俺だったら下がったら狼狽しそう… やっぱ俺には無理か」
俺「それは半分あってるけど半分違う」
奴「?」
俺「リスクは統計的に見積もって数字で出してから判断するもんなんだよ」
奴「で?」
俺「あらかじめワーストケースでどれくらい損失が出るかはじいておいて、その損失に自分が耐えられるかどうかを検討するもんなわけ」
奴「ワーストケースって見積もれるの?」
俺「たとえばだな、過去の株価から1日の値動きの統計を出してだな、それを使って自分が持っていると思われる期間、たとえば3か月とかの株価の変動量に計算しなおすわけ。そこからワーストケースが発生しうる確率を、たとえば2σか3σで切っておいて、そのワーストケースでいくら損失が出るかってのを見積もる。それが自分が許容できるかどうか」
奴「なるほど」
俺「それをやらずにFXやってるようなヤツらはあっという間に自己破産するような損失を発生させてしまって、それで電車に飛び込むわけ」
奴「あー…」
俺「こういうのをバリューアットリスクっていって、モルスタかどっかが発明したやりかたなんだけどさ」
奴「やっぱり頭がいいヤツは考えることが違うな」
俺「いや、たしかにモルスタが発明したとはいってもだな。いまだったらオプションの値段を計算するのにアタリマエにみんな使ってるから、だからといってどうってもんじゃないし」
奴「でもそれ計算するっていっても、机上計算なだけじゃん? もっとすごいことになることはないわけ?」
俺「あるよ」
奴「えっ?」
俺「だからあるって」
奴「なんで」
俺「発生確率を2σか3σで切ってるからだよ。それより運が悪いともっとすごいことが起きる」
奴「それっていいの?」
俺「それが嫌なら4σで切ってもいいんじゃね? 3σで切ればそれより損する確率は0.3%しかないからふつうは大丈夫だと思われるが。たかが個別銘柄の1つでたとえば100万分の1でしか発生しないリスクを考慮する必要があるかって話」
奴「やっぱ俺は怖いからやらない」
俺「もし100万分の1の確率でも怖いってなら、そりゃあもう日本国債がデフォルトするリスクとか、銀行が倒産するリスクとか、ハイパーインフレになるリスクとかから逃げる方法を考えたほうがいいんじゃないかと」
奴「それってどうすんの?」
俺「それをヘッジする方法の代表例は株なんだけど、株は怖いから嫌なんでしょ?」
奴「うぅむ…」