今日のびわ湖は幻想的だった。
深い霧に包まれた湖上を私達は進んでいた。
ミスティそのものだ。
それは日本という国の、はかなさを象徴するようだ。
自然というのは、とても面白い。
人とのかかわりとは別に、そしてこの霧とも違って、確かにそこに存在している。
誰も見ることができないものが、確かにそこにある。
今日は、日本人とフランス人とカナダ人の混成部隊が、漁船に乗って渦を調べる。
GPSトラッカーという武器を使って、水の流れを追跡する。
7台の装置を手に入れ、一つ一つを湖に投入する。
やがて、それらが一列に並んで浮遊し始める。
まるで、約束したかのように。
ダンスをしているようだ。
面白いだろう。
びわ湖に古代からある、自然の造形だ。
知っておいて損はない。
びわ湖が世界に誇る美だ。
カナダ人とフランス人と日本人は、とても楽しんでいた。
深い意味はないのだが。