1894年に出版された、キップリングによる児童文学の古典の何度目かの映画化です。
幼いころに愛読した作品が、最新のCGによってどのように描かれるか興味があったのですが、原作とは全く別物でした。
CGは期待通りに素晴らしいし、ディズニー作品なので子どもの観客へのサービスも楽しいのですが、原作の持つラストの戦いの高揚感は失われていました。
また、原作はインドの野生動物の世界を忠実に描写しているのですが、この映画では実際には同じ地域には共存していない動物が混在しています。
まあ、ディズニー映画は教育を目的にしていないので、その方が楽しいのかもしれませんが。
一番残念なのは、原作の重要なテーマである文明と野生との葛藤が、娯楽色を強めすぎたために完全に薄まってしまったことです。
特に、文明の象徴である「赤い花(火)」については、モーグリが不注意によって山火事を起こしたことに対して、まったく無批判なのが気になりました。
なお、この映画の原作は、日本の近代童話の出発作と言われる1891年に出版された巌谷小波の「こがね丸」と(ということは、1963年の東映動画の「わんわん忠臣蔵」にも)、偶然ですが非常に物語の構造が似ています。
幼いころに愛読した作品が、最新のCGによってどのように描かれるか興味があったのですが、原作とは全く別物でした。
CGは期待通りに素晴らしいし、ディズニー作品なので子どもの観客へのサービスも楽しいのですが、原作の持つラストの戦いの高揚感は失われていました。
また、原作はインドの野生動物の世界を忠実に描写しているのですが、この映画では実際には同じ地域には共存していない動物が混在しています。
まあ、ディズニー映画は教育を目的にしていないので、その方が楽しいのかもしれませんが。
一番残念なのは、原作の重要なテーマである文明と野生との葛藤が、娯楽色を強めすぎたために完全に薄まってしまったことです。
特に、文明の象徴である「赤い花(火)」については、モーグリが不注意によって山火事を起こしたことに対して、まったく無批判なのが気になりました。
なお、この映画の原作は、日本の近代童話の出発作と言われる1891年に出版された巌谷小波の「こがね丸」と(ということは、1963年の東映動画の「わんわん忠臣蔵」にも)、偶然ですが非常に物語の構造が似ています。
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