現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ピーターラビット2 バーナバスの誘惑

2022-03-27 16:41:00 | 映画

 2021年公開のアメリカ、オーストラリア、イギリスの合作映画です。

 前作「ピーターラビット」(その記事を参照してください)のヒットで作られた続編で、商業主義化は一段と進み、原作の絵本のファンの人たちからはますます遠ざかったかもしれません。

 父親を知るというバーナバスというウサギにそそのかされて、「ワル」を気取ったピーターは大失敗をします。

 それを回復するために、まわりのみんなは苦労するのですが、お約束のドタバタ劇の末に無事にハッピーエンドを迎えます。

 その一方で、作品世界の中でも彼らのお話は絵本化されて、一応その絵本の続編の商業主義化については批判してみせるのですが、この作品自体が商業主義に毒されているので、皮肉としか受け取れません。

 

 

 

 

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ピーターラビット

2022-03-26 17:31:51 | 映画

 2018年公開のアメリカ・オーストラリア、イギリスの合作映画です。

 有名なベアトリクス・ポターの絵本の実写映画版ですが、ウサギをはじめとした動物たちはCGによります。

 実際には、キャラクターを借りただけのオリジナル・ストーリーで、ウサギたちと農園の持ち主である人間の戦いにフォーカスしたドタバタコメディです。

 そのため、原作のファンにはおおむね大不評ですが、興行的には成功して続編も作られました。

 くしくも、続編の映画の中で批判している、商業主義にどっぷり浸った作品だと言えます。

 ただ、実写とCGの融合はとてもなめらかで、映像的には高い水準にあります。

 

 

 

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インナースペース

2022-03-22 11:21:03 | 映画

 1987年公開のアメリカ映画です。

 人間や潜航艇をミクロ化して体内に送り込むというアイデアは、名作「ミクロの決死圏」でお馴染みですが、こちらはドタバタコメディです。

 シリコンバレーの研究所と産業スパイを使ったストーリーは月並みですが、登場人物に魅力があって最後まで見せられてしまいます。

 特に、主人公の恋人役を若き日のメグ・ライアンが演じていて、この映画のチャーミングな演技で一躍スターになりました。

 使われているCGはごく初歩的なものですが、当時としては画期的なものだったらしく、アカデミー賞の視覚効果賞を受賞しています。

 

 

 

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シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち

2022-03-19 18:23:31 | 映画

 2019年公開のフランス映画です。

 ゲイに対する不適切発言で代表からはずされた水泳選手が、それを償うための社会奉仕として、ゲイの人たちの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」(実在するそうです)のコーチをすることになったところから話が始まります。

 こうした設定は海外ではよくあるようで、「だれもが愛しいチャンピオン」(その記事を参照してください)も似たような設定でした(その作品では知的障害者のバスケットボールチームが舞台でした)。

 LGBTQ+によるスポーツと文化の祭典である「ゲイゲームズ」に出場するための予選、パリから大会会場のあるクロアチアへの二階建てバスでの移動、本大会での活躍を描いたドタバタコメディです。

 水球のシーンはかなり本格的ですが、きわどいシーン(セックスやドラッグなど)もたくさん出てくるので、LGBTQ+的にはどうなのか心配になりますが、映画はフランスではヒットし、続編も作られているみたいなのでOKなのでしょう。

 また、コーチの家族の問題や、チームと知り合うことによる彼の精神的な成長も描かれていて、ドタバタなシーンとのバランスもとっています。

 

 

 

 

 

 

 

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L.A.ギャングストーリー

2022-03-18 18:51:40 | 映画

 2013年公開のアメリカ映画です。

 1940年代から1950年代にかけて、ロサンゼルスを牛耳っていたギャング、ミッキー・コーエンの組織と、それを解体するために組まれた警察のはみ出し者を集めたチームとの壮絶な戦いを描いています。

 ほぼ同じ時期の警察の内部腐敗を描いた、よく似た題名の「L.A.コンフィデンシャル」(その記事を参照してください)と比較すると、ストーリーはかなり大雑把ですが、その分男くさいハードアクションは、ゲーム感覚でカラッとしていて、楽しめます。

 その後「ラ・ラ・ランド」(その記事を参照してください)に主演して注目されたライアン・ゴズリングが、ここでも二枚目の刑事役で活躍しています。

 

 

 

 

 

 

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ジョニー・ノックスビル アクション・ポイント/ゲスの極みオトナの遊園地

2022-03-12 17:55:19 | 映画

 2018年に作られた、アメリカでカルト的人気のあるコメディアンのジョニー・ノックスビルが主演した、日本非公開の超B級コメディ映画です。
 数十年前に実在した(?)手作り感満載の超危険なオンボロ遊園地を舞台に行われる、下品でおバカで体を張って作ったドタバタコメディで、背景にある父と娘とその孫娘の愛憎などの内容はお約束通りに薄っぺらでほとんど意味がないのですが、自主規制づくめで八方美人的な現代の映画の中では異彩を放っています。
 かつては、こうしたハチャメチャムービー(「大混戦」や「ピンク・パンサー」など)やテレビドラマ(「じゃじゃ馬億万長者」や「三馬鹿大将」や「ちびっこギャング」など)が日本でも公開されたりテレビで放映されたりしたのですが、最近はお行儀のいい映画やドラマばかりなので、こういった映画を久しぶりに見ると頭が空っぽになっていい気分です。
 さらに、バックに流れる「ザ・クラッシュ」などの懐かしい曲が、雰囲気を盛り上げています。

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プラダを着た悪魔

2022-03-09 18:40:46 | 映画

 2006年公開のアメリカ映画です。

 主演のアン・ハサウェイのキュートな魅力と、カリスマ編集長役のメリル・ストリープの貫禄の演技とで、大ヒットしました。

 ジャーナリスト志望の超優秀な若い女性が、ひょんなことから場違いなファッション誌のカリスマ編集長の第二秘書になり、悪魔のような編集長の要求に悪戦苦闘する姿をコミカルに描いています。

 ストーリー自体は、完璧なハッピーエンド(編集長に後継者に指名されるもののそれを断り、小さいながら念願の新聞社に就職が決まり、仕事にかまけて気まずくなったシェフ志望の恋人ともよりが戻り、ファッション誌にいたおかげで見違えるように垢抜けします(まあ、元がいいのですから当たり前ですが))の他愛ないものですが、随所に素晴らしいファッションを満喫できて女性ファンを魅了しました。

 

 

 

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メリー・ポピンズ

2022-03-08 15:43:38 | 映画

 1964年のアメリカのミュージカル映画です。
 1934年に書かれたトラヴァースの児童文学の古典である「風にのってきたメアリー・ポピンズ」を初めとしたメアリー・ポピンズ・シリーズをもとにしていますが、基本的にはオリジナル・ストーリーです。
 ミュージカル女優だったジュリー・アンドリュースを、主役に抜擢したディズニー映画です。
 アカデミー主演女優賞を獲得した彼女の圧倒的に美しい歌声が一番の魅力なのですが、アカデミー作曲賞と歌曲賞を受賞したシャーマン兄弟の「チム・チム・チェリー」を初めとした名曲の数々が素晴らしいです。
 また、CGどころかコンピューター自体さえ一般化されていなかった時代に、実写と特殊撮影やアニメを合成した映像(アカデミー編集賞と特殊視覚効果賞も受賞しています)も当時としては画期的でした。
 アカデミー賞は受賞していませんが、相手役のディック・ヴァン・ダイクの芸達者ぶりと彼を中心としたダンスの群舞も見ものです。
 ところで、映画はメリー、原作本はメアリーになっているのが長年気になっていたのですが、今回字幕版で見たので注意して聞いてみると、俳優によって、日本語の「メリー]に近い発音の人もいますし、「メアリー」とはっきり発音している人もいるので、どちらでもいいことがはっきりしてスッキリしました。

メリーポピンズ (字幕版)
ビル・ウォルシュ,ドン・ダグラディ,ウォルト・ディズニー
メーカー情報なし
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シュガー・ラッシュ

2022-03-06 14:15:04 | 映画

 2012年公開のディズニーのアニメ映画です。
 レトロなアーケードゲーム(ドンキーコングみたいなやつです)の悪役ラルフが、幸せを約束する金メダルを求めて、他のアーケードゲーム(戦争シミュレーションやカートレース)へ脱走して、ゲームの世界を混乱させます。
 お菓子の国でのカートレースゲームで知り合ったヴァネロペ(実は天才的レーサーにしてその国のお姫様)とのデコボココンビが、大暴れします。
 最初の30分は、ラルフの愚痴や不満の話が中心で退屈です。
 しかし、ヴァネロペが登場してからは、この大男とちびっ子のコンビが互いの魅力を引き出しあって、エンディング(当然ハッピーエンドです)まで、息もつかせぬアクションの連続で、観客を文字通りゲームの世界に引き込んでくれます。
 ヴァネロペとラルフのコンビは、2018年公開の続編「シュガー・ラッシュ:オンライン」(その記事を参照してください)でも、今度はインターネットの世界で大活躍します。
 繰り返し他の記事で書いていますが、CGになってからアニメ映画は格段に美しくなめらかな動きになっています。
 この作品でも、いろいろなゲーム・キャラクターがいきいきと描かれていますし、シュガー・ラッシュのお菓子の国は本当に美しくておいしそうで、子どもたち(特に女の子たち)にはたまらない、文字通り夢の国のようです。


シュガー・ラッシュ (吹替版)
クラーク スペンサー
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シェイプ・オブ・ウォーター

2022-03-05 15:58:57 | 映画

 2017年のファンタジックなアメリカ映画で、アカデミー賞で作品賞、監督賞などの四部門を受賞しました。
 アマゾンで原住民に神として崇められていた半魚人が捕獲されて、アメリカの航空宇宙研究センターに研究用として連れてこられます。
 ふとしたことから、そこで清掃員として働く言葉の不自由な(耳は聞こえます)孤独な女性と、半魚人が恋に陥ります。
 半魚人が生体解剖されると知った女性は、友人たち(同僚の黒人女性と、アパートの隣の部屋に住む写真全盛のために雑誌社を追われた初老の挿絵画家)の手助けにより、研究所を脱出させます。
 この不祥事によって地位を失いそうで必死になっているサディスティックな警備責任者に執拗に追跡されますが、最後は二人で海の中に逃げます(半魚人の超能力により、警備責任者に撃たれた傷も治り、海の中でも呼吸できるようになります)。
 非常にファンタスティックな映像(アカデミー美術賞を受賞)と音楽(アカデミー作曲賞を受賞)の中に、1962年のアメリカ(ソ連との冷戦、宇宙開発競争の真っただ中でした)が再現(絶対権力者の元帥やソ連のスパイたちや当時の富の象徴である豪華なキャデラックなども登場します)されています。
 かなり残酷だったり、性的だったりするシーンもありますが、全体は非常に美しく描かれていて、その中で弱者(障碍者、LGBT(挿絵画家はゲイのようです)、人種、動物などのマイノリティ全般)に対する差別を鋭く糾弾しています。
 主演のサリー・ホーキンスは、惜しくも受賞は逃しましたが、抜群の演技とそれまでの彼女の役(「パディントン」(その記事を参照してください)のおかあさん役などの渋い役が多い)からはあまり想像できない大胆なシーン(全裸シーンも何度かあります)への挑戦で、アカデミー主演女優賞にノミネートされました(「ブルー・ジャスミン」の主役の異母姉妹役で、アカデミー助演女優賞にはすでにノミネートされたことがあります)。
 アカデミー賞受賞式後の2018年には、他にも「しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス」、「パディントン2」(その記事を参照してください)が日本で公開されたので、彼女の多才な演技力はお馴染みの事でしょう。

 

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司馬遼太郎「竜馬がゆく」

2022-03-03 16:27:18 | 参考文献

 1962年から1966年まで、産経新聞の夕刊に連載された歴史小説です。

 幕末の志士、坂本龍馬の生い立ちからその死までを描いています。

 薩長連合や大政奉還などの実質的な演出者であった、龍馬の魅力を余すところなく描いています。

 出身の土佐藩では政治に参画できない郷士の身分ながら、脱藩してからは勝海舟のような幕府の高官、他藩の藩主、薩摩の西郷吉之助、長州の桂小五郎などの幕末の大物から絶大な信頼を得て、新しい日本を生み出した坂本龍馬の生涯を全五巻(文庫本では八巻)で描いた大長編小説です。

 出版当時大ベストセラーになって何度もテレビドラマにもなり、現在の日本人の坂本龍馬観は、ほとんどこの作品で形作られました。

 名誉や栄達を求めず日本と日本人のために尽くした坂本龍馬は、日本人が愛する偉人のNo.1でしょう。

 特に、上は殿様から下は庶民まで、男女を問わずに愛される龍馬像が、この作品の最大の魅力でしょう。

 

 

 

 

 

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すばらしき世界

2022-03-02 17:17:21 | 映画

 2021年公開の日本映画です。

 殺人での受刑囚の男が、満期で出所するシーンから映画は始まります。

 男は14歳で少年院に入ったのを皮切りに、合計28年以上、人生の約半分を塀の中でおくってきました。

 彼が、今度こそ真っ当な人生をおくろうと、苦闘する姿が描かれています。

 彼の周囲には、身元引受人の弁護士夫妻や理解のあるケースワーカー、近所のスーパーの店主、彼を取材しているフリーのテレビディレクター(テレビの話は途中でなくなりますが、彼のことを本に書こうとしています)など、手助けしてくれる人々がいて、客観的に見ればかなり恵まれていると思えます。

 しかし、すぐカッとする性格のため、なかなかうまくいきません。

 それでも、ようやく介護施設で職を見つけ、理不尽なこと(障害のある同僚が周囲から差別されている)を我慢することも覚え、かつての妻との再会も決まった時に、病気のため急死します。

 やや尻切れトンボで破綻のあるストーリーなのですが、主人公を演じた役所広司の熱演がそれを救っています。

 

 

 

 

 

 

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BEASTARS

2022-03-01 17:51:48 | アニメ

 板垣巴留の人気コミックス(その記事を参照してください)の完全アニメ化です。
 残酷だったり、性的だったりするシーンが、どのように表現されるのか心配だったのですが、原作どおり(場面によってはそれ以上)に描かれていたので安心しました。
 「進撃の巨人」(その記事を参照してください)の場合と同様に、民放の深夜枠なので規制が緩いのでしょう。
 絵も原作以上にきれいだし、音楽も作品世界にマッチしていて、原作ファンも楽しめます(レゴシとハルの声にはやや違和感がありますが)。
 ただ、丁寧に描きすぎていて、原作の持つテンポの良さがやや失われているのと、レゴシとハルの恋愛にフォーカスしすぎている点が少し不満です。 
 テンポがスローなのは、今回はすでに17冊で出ている原作の6巻までのせいでしょうが、幸い視聴率が良かったのか、シーズン2の制作が決まったので、当分楽しめそうです。

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小林親弘,千本木彩花,小野友樹,種﨑敦美,榎木淳弥
東宝
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