キーラ・ナイトレイが主演の音楽映画です。
ストーリー自体はありがちなハッピーエンドなのですが、オリジナル曲やかつての名曲など、さまざまなポップスのメロディーにあふれていて、洋楽好きにはたまらない映画になっています。
特に、携帯音楽プレイヤーの曲をスプリッターで分岐して男女が一緒に聞きながら町をさまようシーンや、ニューヨークのあちこちの名所でゲリラ録音してアルバムを制作するシーンなどは、音楽がいかに生活と切り離せない存在になっているかをうまく象徴しています。
完成したアルバムは、大手の音楽プロダクションとの印税10パーセントの契約(10ドルならば1ドルがアーチストの取り分)を蹴って、1ドル(すべてがアーチストの取り分なので手取りは一緒)で自主的にインターネットで販売する事を選択するラストは、音楽業界のみならず本の世界でも電子書籍によって将来的に主流になるであろう自己出版の姿を予見させて、非常に興味深かったです(映画では友人の大物ミュージシャンがSNSで広めてくれたので、初日だけで1万ダウンロード以上売れましたが、一般的には現時点ではこううまくはいかないでしょう)。
キーラ・ナイトレイの歌声が、ややぎこちなさがあるもののなかなか味わいがあって魅力的なのには驚きました。
スターになってしまって別れた彼女の恋人役を演じたのはマルーン5のアダム・レヴィーンなので、彼が歌うシーンは当然ですが圧巻でした。
児童文学でも、音楽を生かした作品(例えば津村記久子の「ミュージック・ブレス・ユー」など)が、もっと書かれてもいいと思います。
Begin Again - Soundtrack | |
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