現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

進撃の巨人

2023-07-31 08:30:38 | 映画

 人気テレビアニメの劇場版です。
 テレビアニメの第1回から第13回までが前篇で、第14回から、第25回までが後篇です。
 前後編合わせて約4時間(240分)で、テレビの物語部分を一回当たりを約20分とすると合計で約500分なので、ほぼ半分に圧縮されています。
 戦闘シーンが優先されているので、他の部分がかなりカットされていて、テレビで見てない人には人間関係やストーリーが分かりにくいかもしれません。
 ただ、一気に見れるので、逆に伏線などが分かりやすくなった面もあります。
 流血や残酷なシーンがたくさんあって、よくテレビや映画の審査に通ったなと思うような面もありますが、戦闘シーンには圧倒的な迫力があって子どもや若い人たち(特に男性でしょう)に人気があるのがよくわかります。
 基本的には、巨人たちと戦う軍隊の話なので、今の児童文学の世界では総スカンをくうでしょうが、戦闘シーンだけでなく、主役の男の子たちの友情や女の子(実は、女の子たちの方が戦闘能力は高いのですが)との恋心たちなども巧みに織り込んでいて、こういったエンターテインメント作品が児童文学にあれば、もっと男の子たちを読者に取り込めるでしょう。
 特に、兵器(立体機動装置など)や城塞国家などのマニアックな情報は、男の子たちにとっては大好物なのですが、圧倒的に女性が多い児童文学関係者(作家、編集者、読書運動家、研究者など)には理解が得られにくく、こういった情報を作品に詳細に書き込むと評価されないことが多いです。



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ウエスト・サイド物語

2023-07-29 09:16:53 | 映画

 1961年のアメリカ映画です。

 シェークスピアの「ロミオとジュリエット」を、1960年代のニューヨークの下町を舞台にして描いた作品です。

 白人系のジェット団とプエルトリコ系のシャーク団の対立を背景に、許されない愛に生きる男女(アントンとマリア)の悲恋が、レーナード・バーンスタインの名曲の数々と華麗な群舞にのせて描かれます。

 最後は、主要な男性三人(両方の団長とアントン)の死に終わるのですが、ミュージカル仕立てなのでそれほど深刻にはなりません。

 ナタリー・ウッド(ジュリエットにあたるマリア役)やジョージ・チャキリス(シャーク団の団長役)は、この映画で日本でも一躍スターになりました。

 

 

 

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ブリジット・ジョーンズの日記

2023-07-25 15:25:36 | 映画

 2001年に公開されたロマンティック・コメディです。
 レネー・ゼルウィガーが、大酒飲みでヘビースモーカーの小太りの(日本の基準ではずばりデブかも知れません)三十代の独身女性を熱演して、世界中で大ヒットしました。
 怠惰で男性関係にもだらしなく、かなり下品なのですが、それでいてどこか憎めない可愛らしさがあるところが、彼女の人気の秘密でしょう。
 いつも彼女を励ましてくれる友人たちも、優しいゲイの元歌手や言葉の汚い女性記者など、キャラが立っています。
 ハッピーエンドの相手役はイマイチなのですが、彼女と一時愛人関係になる好色なダメキャラの上司は、こうしたダメ男役をやらせたら天下一品のヒュー・グラントが演じているので、主役の彼女との絡みで十分笑わせてくれます。
 それにしても、「あなたはそのまま変わらなくても、いつか白馬の王子様が現れて幸せになれるよ」的作品は、洋の東西を問わずに、現代でも若い(?)女性には人気があるようです。



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村田沙耶香「コンビニ人間」

2023-07-23 09:18:37 | 参考文献

 第155回の芥川賞を受賞した作品です。

 世の中に対して一般的な対応ができない女性が、コンビニのマニュアル化された環境において初めて適合できます(あるいは過剰適応します)。

 作者の実体験に基づく詳細なコンビニの描写とともに、固定化された現代社会の規範(特にジェンダーに関するもの)に対する風刺が鋭く描かれています。

 描かれている登場人物たちの人間像が、誇張や定型化されているので、読者によって好みの別れるところでしょう。

 

 

 

 

 

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ノッティングヒルの恋人

2023-07-22 09:23:08 | 映画

 1999年公開のイギリス映画です。

 ジュリア・ロバーツ主演のロマンティック・コメディです。

 ストーリー自体は、冴えないバツイチの書店主とハリウッドの大女優の恋という他愛のないものですが、しゃれた会話やノッティングヒル周辺のおしゃれな雰囲気を楽しめます。

 特に、相手役のヒュー・グラントは、後年はコミカルな役が多い(パディントン2やブリジット・ジョーンズの日記シリーズなど、それらの記事を参照してください)のですが、この映画では最後までずっこけることなくさわやかな二枚目半の役をこなしていて魅力的です。

 さすがに、ラブコメの帝王の異名をとるだけのことはあります。

 ジュリア・ロバーツも、私生活での本人と同じような役なのでのびのび演じていて好感が持てます。

 

 

 

 

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フラッシュダンス

2023-07-10 09:02:52 | 映画

 1983年のアメリカ映画です。

 バレリーナになることを夢見る溶接工(!)の18歳の少女を主役にした青春映画です。

 ストーリー自体は勤め先のバツイチの社長と結ばれて夢への一歩を踏み出すという他愛のないものですが、ダンスシーン(アルバイト先のショーパブやバレー学校のオーディションなど)はかなり見せます(ただし、すべて実際は主役の女優とは別人が踊っています)。

 アカデミー賞の歌曲賞を受賞したアイリーン・キャラの歌う主題歌をはじめとして、素晴らしい音楽が用いられていて、サウンドトラック盤は世界的に大ヒットしました。

 当時はやっていたMTVとの融合も話題になり、全編MTVのビデオクリップをつなぎ合わせたような趣があり、評論家の評価は低かったものの、主演の新人ジェニファー・ビールスの愛らしい容姿も相まって、商業的には世界的に大成功を収めました。

 そういった意味では、翌年の「フットルース」と同じようなタイプの映画だったと言えます。

 

 

 

 

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