作者は、「ロッテルダムの灯」でエッセイストクラブ賞を受賞した、エッセイの名手です。
この作品でも、簡潔な文章で人間の本質を鋭くとらえています。
作者が学生の時に、友人二人と四国の剣山を登ったときのことです。
その前に、父の郷里の山里にある叔父の家に立ち寄ります。
叔父さんは、大阪から来た甥とその友人たちを、鶏をつぶしたり、鰻を焼いたりして、下にもおかず歓待してくれます。
さらには、山の途中まで三人の重い荷物をかついで運んでくれます。
大阪へ帰ってしばらくして、一枚のはがきが、叔父から父親に届きます。
三人の誰からもはがきが届かないという内容です。
別に責めるわけでもなく、ただ「このごろの若い者はのんきだなあ」と、書いてありました。
作者は、お礼のはがきを出さなかった友人たちをうらめしく思うとともに、自分自身も恥ずかしく感じます。
私にも覚えがありますが、お世話になった人へのお礼のはがきや電話(今ならメールやラインかもしれませんが)をしそびれた時の気まずさはいつまでも忘れられません。
それよりおかしいのが、「このごろの若い者」というフレーズです。
作者は、私の父親と同年輩なのですが、いつの時代でも「このごろの若い者」は、その上の世代から見ると常識はずれの存在のようです。
もっとも、ギリシャだか、ローマだかの遺跡からも、「このごろの若い者」を嘆く文章が出てきたそうですから、これは不変の原理なのかもしれません。
ちなみに、作者の本業は学校の先生ですが、児童文学作家としても、「星の牧場」などの優れた作品があります。
また、実弟の庄野潤三は芥川賞作家ですが、同様に「明夫と良二」などの優れた児童文学作品もあります。
この作品でも、簡潔な文章で人間の本質を鋭くとらえています。
作者が学生の時に、友人二人と四国の剣山を登ったときのことです。
その前に、父の郷里の山里にある叔父の家に立ち寄ります。
叔父さんは、大阪から来た甥とその友人たちを、鶏をつぶしたり、鰻を焼いたりして、下にもおかず歓待してくれます。
さらには、山の途中まで三人の重い荷物をかついで運んでくれます。
大阪へ帰ってしばらくして、一枚のはがきが、叔父から父親に届きます。
三人の誰からもはがきが届かないという内容です。
別に責めるわけでもなく、ただ「このごろの若い者はのんきだなあ」と、書いてありました。
作者は、お礼のはがきを出さなかった友人たちをうらめしく思うとともに、自分自身も恥ずかしく感じます。
私にも覚えがありますが、お世話になった人へのお礼のはがきや電話(今ならメールやラインかもしれませんが)をしそびれた時の気まずさはいつまでも忘れられません。
それよりおかしいのが、「このごろの若い者」というフレーズです。
作者は、私の父親と同年輩なのですが、いつの時代でも「このごろの若い者」は、その上の世代から見ると常識はずれの存在のようです。
もっとも、ギリシャだか、ローマだかの遺跡からも、「このごろの若い者」を嘆く文章が出てきたそうですから、これは不変の原理なのかもしれません。
ちなみに、作者の本業は学校の先生ですが、児童文学作家としても、「星の牧場」などの優れた作品があります。
また、実弟の庄野潤三は芥川賞作家ですが、同様に「明夫と良二」などの優れた児童文学作品もあります。