日置藩崩壊により天領になり、しかもその代官に草加竜之進が赴任して、新田や繭や綿による収益と身分制度があいまいになることによって、一時的には百姓にもにもパラダイスのような状況になりました。
しかし、その幸せもつかの間に、さらに大きな権力(幕府勘定方)と商人が結託することにより、あっけなく崩壊していきます。
こうした状況には、草加竜之進(武士)も、正助(百姓)、苔丸(スダレ、元百姓の)も、まったく無力です。
カムイ伝のこの巻が連載されたころ(1970年ごろ)に革新勢力が敗北した70年安保闘争と時を同じくして、作者が描いて見せた労働者や差別されている人たちのユートピアは、この巻の題名通りに、「朝露」のように儚く消え去ろうとしています。
しかし、その幸せもつかの間に、さらに大きな権力(幕府勘定方)と商人が結託することにより、あっけなく崩壊していきます。
こうした状況には、草加竜之進(武士)も、正助(百姓)、苔丸(スダレ、元百姓の)も、まったく無力です。
カムイ伝のこの巻が連載されたころ(1970年ごろ)に革新勢力が敗北した70年安保闘争と時を同じくして、作者が描いて見せた労働者や差別されている人たちのユートピアは、この巻の題名通りに、「朝露」のように儚く消え去ろうとしています。