最近の学校では、普通学級では問題を起こしてなかなかクラスに受け入れられないが、支援学級で学ぶような障害はない子どもたちが増えているそうです。
障害がはっきりしている子どもたちには、いろいろな支援制度がありますが、障害があるかどうかはっきりしない境界線上の子どもたちには行き場がありません。
そういった子どもたちに遊び場と友だち(大人も含めて)を提供するボランティア活動も各地でなされているようですが、まだまだ十分ではないでしょう。
そうした子どもたちに、本の中の遊び場や友だちを提供することも、児童文学の重要な役目だと思います。
私自身、低学年のころは病気のために学校を休みがちだったので、友だちもあまりいませんでした。
そんな時に、エーリヒ・ケストナーの「エーミールと探偵たち」のエーミール・ティッシュバインや教授くんたち、「飛ぶ教室」のマルチン・ターラーやヨナタン・トロッツたちと知り合ったことで、どんなに励まされたか計り知れません。
また、そういったクラスになじめない子どもたちを児童文学で描くことによって、そうした子どもたちの周辺にいるクラスメートなどに、彼らを見直すきっかけになることも期待できます。
そうした作品がもっともっと書かれることを願っています。