現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

小沢俊郎「なぜ一郎はどんぐりを貰ったのだろう」「注文の多い料理店」研究Ⅱ所収

2022-01-31 18:30:35 | 参考文献

 「四次元」(宮澤賢治友の会)四二号(昭和28年8月)に掲載された問題提起です。

 文中で、筆者は二つの疑問を読者に投げかけています。

 一つは、一郎が山猫の居場所を、栗の木、滝、きのこ、りすに尋ねたときに、それぞれが、東、西、南、南と、てんでんばらばらに答えたときに、それには従わずに(栗の木とは一致しているのですが)、最初から向かっていた東へ進んでいったことをあげています。

 これに関しては、一応「物事を決めるときには人の話を聞くが、自分で決めることが大切である」という仮の答えを用意しています。

 二つ目は、裁判の当事者でそこでは人格を持っていたどんぐりが、帰りには金のどんぐり(物)になってしまい、一郎はなぜ山猫からそれを裁判のお礼に貰ったのかです。

 さらに言えば、金のどんぐりは家に戻ると普通のどんぐりになっていました。

 これに関しても、不思議な世界と実世界とでは、同じものでも変わってくるという意見を紹介しています。

 

 

 

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