2011年公開の日本映画です。
人気コミック・エッセイの映画化(それまでにテレビドラマ化もされています)です。
うつ病にかかって会社を退職した夫を、漫画家の妻が支える日常を描いています。
エッセイやドラマとともに、うつ病に対する偏見をとくのに、一定の役割をはたしました。
ただ、夫が勤めていた会社の様子がリアリティがない(すべて上司の裁量で夫の退職が決められていますが、実際は人事や健康保険組合がからむでしょう。このことが別の偏見(うつ病にかかったら退職しなければならない)を生む恐れがあります)のと、夫役の堺雅人の大げさな演技がこの作品の場合鼻につくのが欠点(感情の起伏が激しく感じられてしまうので、うつ病より双極性障害かと思えてしまいます)です。
その点、妻役の宮崎あおいの演技は自然体で好感が持てました。
この作品ではハッピーエンド(夫はうつ病についての講演もし、妻の仕事のマネージメントをすることになります)なのですが、大半のうつ病患者とその家族はこのようにはうまくいきません。
この映画でも指摘していますが、うつ病は全快になることは少なく、多くは寛解するのがせいいっぱいでしょう。
それでも、生活のために、社会と折り合っていかなくてはならないのが実情です。