現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

勝手にしやがれ

2022-10-11 11:19:11 | 映画

 1960年公開のフランス映画です。

 ジャン=リュック・ゴダール監督によるヌーベルバーグの傑作です。

 無軌道な青年の生と死を、しゃれた台詞、おしゃれなファッション、軽快な音楽、斬新な映像で描いています。

 自動車泥棒の主人公は、欲望の赴くまま、車を盗み、金を盗み、女と寝ます。

 挙げ句の果てには、警官を撃ち殺して追われる身になります。

 車を盗みながらパリ中を逃げ回りますが、最後は女に密告されて警官に射殺されます。

 どこか憎めない不思議な魅力を持つ青年を、こちらもフレッシュなジャン=ポール・ベルモントが軽快に演じています。

 相手役のジーン・セバーグも、ボーイッシュなセシル・カットがよく似合っていて魅力的です。

 

 

 

 

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大人は判ってくれない

2022-10-11 11:17:47 | 映画

 1959年公開のフランス映画です。

 フランソワ・トリュフォー監督の長編第一作で、カンヌ映画祭で監督賞を受賞しました。

 ジャン=リュック・ゴダール監督の「勝手にしやがれ」(その記事を参照してください)などと並んで、ヌーヴェルヴァーグの代表作といわれています。

 愛情のない両親(彼は母親の連れ子です)と高圧的な学校に絶望した十二歳の少年の姿を描いています。

 初めは、学校をさぼって友だちと繁華街で遊ぶだけでしたが、ついには犯罪に手を染めてしまいます。

 犯罪といっても、父親が勤める会社のタイプライターを盗んで、売りさばこうとしただけなのですが、売れずに帰そうとしたところをつかまります。

 そして、父親自らの手で警察に突き出されて、留置場に入れられます。

 母親も、彼の引き取りを拒んで、彼の少年院行きを希望します。

 さらには、面会に来た時に、出所後の引き取りもしないことを、彼に宣言します。

 その少年院を脱走して、たどり着いた海岸で絶望的な表情を浮かべる少年のアップで、映画は終了します。

 友達と遊んでいるときの生き生きとした表情と、家庭や学校で浮かべる彼の暗い表情が、非常に対照的です。

 60年以上も前の映画ですが、少しも古びることなく(白黒映画ですが)、現在の日本の子どもたちを当てはめても成立する作品です。

 こうした状況に肉薄する児童文学作品が必要とされています。

 

 

 

 

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