1999年公開のドイツ映画です。
1930年に書かれたエーリヒ・ケストナーの児童文学の古典の映画化です。
この映画の前に作られた「エーミールと探偵たち」(その記事を参照してください)の成功を受けて、現代に合わせて変更している点はありますが、かなり原作に忠実に作られています。
ただ、エンターテインメントを意識した変更点は、ちょっとやり過ぎの感もあります。
主な原作からの変更は以下の通りです。
点子ちゃんを構わなすぎた原因を、社交好きの母親だけでなく忙しすぎる父親にも求めています。
点子ちゃんの母親の社交の場を、貧困国における子どもたちを助けるための海外ボランティアの代表で、年に14回もそれらの国々での歓迎や学校などの着工パーティに出席するために海外出張しているせいにしています(けっこう皮肉が効いています)。
アントンは、病気のおかあさんの代わりに、アイス店で働いています。
アントンは、点子ちゃんの家で金のライターを盗み、彼のおかあさんが謝りに行きます。
アントンは、幼い頃に別れた父親(原作では亡くなっています)を探しに、アイス店の車を運転して出かけて、警察も巻き込んで大騒ぎになります。
点子ちゃんの家に強盗が入るシーンで、点子ちゃんの家庭教師は共犯ではなく、彼女の不注意が原因だったとしています。
点子ちゃんが夜中に抜け出してお金を稼ぐのは、家庭教師と一緒の物乞いではなく、ストリート・パフォーマンスをして、そのお金でアントンの家に食料を届けます。
ラストでは、アントン一家が点子ちゃんの家に同居するのではなく、夏休みに北海の海岸沿いにある点子ちゃんの家の別荘に招待されます。
以上のような変更点はありますが、お金持ちの家の子も貧乏な家の子もそれぞれ問題(前者の子どもは両親が忙しくしていて構ってもらえず、後者の子どもはお金のために苦労しています)は抱えていることと、そうしたことを乗り越えた点子ちゃんとアントンの友情はしっかり描かれていて、クライマックスの強盗逮捕のシーンなどは原作通りで、全体にユーモラスな仕上がりになっています。