現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

PERFECT DAYS

2024-09-23 08:39:06 | 映画

2023年公開の日本・ドイツ合作の映画です。

役所広司演じる、東京の公衆トイレの掃除人の日常を描いた作品です。

小津安二郎を尊敬するヴィム・ヴェンダース監督らしく、淡々と日常を描く中に、人生の哀歓を浮かび上がらせます。

主人公はスカイツリーの近くの古い木造アパートで暮らし、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった電気製品はありません。

起床、朝のルーチン、車の中でのカセットテープによる古い洋楽、渋谷区の公衆トイレでの丁寧な仕事、神社の境内でのサンドウィッチの昼食、白黒のフィルムカメラでの撮影、仕事終わりの銭湯、浅草の地下街の大衆酒場での一杯、古本屋で買った文庫本による読書、就寝などが毎日繰り返されます。

休日は、部屋の掃除やコインランドリーでの洗濯や居酒屋(どうもここの女将が好きなようです)ですごします。

こうした主人公に、調子のいい後輩の男、後輩が通い詰めているガールズ・バーの女、踊るホームレスの老人、家出してきた姪、その母親(主人公の妹)、居酒屋の女将、女将の元夫(癌に侵されている)などの個性的な人物たちが関わってきます。

これらを、柄本時生、田中泯(当然ですが、踊りがうますぎるのが難です)、石川さゆり(当然ですが、歌がうますぎるのが難です)、三浦友和などの芸達者たちが演じています。

とはいっても、この映画は、役所広司による一人芝居といった趣で、セリフは極端に少ないのですが、表情や身振りで雄弁に主人公の人生を語っていて、カンヌ映画祭主演男優賞を受賞したのも当然といった感じです。

 

 

 

 

 

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