chuo1976

心のたねを言の葉として

「ちいさい庭」   石垣りん

2012-07-03 04:04:13 | 文学
「ちいさい庭」   石垣りん




老婆は 長い道をくぐりぬけて
そこへたどりついた。

まっすぐ光に向かって
生きてきたのだろうか。
それともくらやみに追われて
少しでも明るいほうへと
かけてきたのだろうか。

子供たち---
苦労のつるに
苦労の実がなっただけ。
(だけどそんなこと、
人にいえない)

老婆はいまなお貧しい家に背を向けて
朝顔を育てる。
たぶん
間違いなく自分のために
花咲いてくれるのはこれだけ、
青く細い苗。
老婆は少女のように
目を輝かせていう
空色の美しい如露が欲しい、と。
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札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf