chuo1976

心のたねを言の葉として

「街」   中江俊夫

2012-07-31 04:22:23 | 文学
「街」   中江俊夫



ここに街がある
だが わかっているものはなにもない
私はふり返って見なければならない
人がたっているかもしれないから
私はときどき目をつぶる
すると そのまま夜になってしまって
突然 ひろい海岸に出たりする


そこでは星もなく
水もなく 魚もいない 死んでしまって
そして私自身 ひょっとしたら
いないかもしれない
誰かが 私たち人間のことを
おしえたようだ
(君らなんか ずっとさきに)


ここに家並みがある
私が歩いてゆくのだ
私はなにを求めているのか いま
私はなにを失ったのか いつ――
(私の内に 街がある
 独りの
 別の 街がある)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf