chuo1976

心のたねを言の葉として

『頭と足』  まどみちお

2012-10-16 05:15:28 | 文学
『頭と足』  まどみちお




生きものが 立っているとき
その頭は きっと
宇宙のはてを ゆびさしています
なんおくまんの 生きものが
なんおくまんの ところに
立っていたと しても…

針山に さされた
まち針たちの つまみのように
めいめいに はなればなれに
宇宙のはての ぼうぼうを…

けれども そのときにも
足だけは
みんな 地球の おなじ中心を
ゆびさしています
おかあさあん…
と 声かぎり よんで

まるで
とりかえしの つかない所へ
とんで行こうとする 頭を
ひきとめて もらいたいかのように
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