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chuo1976

心のたねを言の葉として

「さながら風が木の葉をそよがすように」  谷川俊太郎

2013-02-15 05:49:13 | 文学
「さながら風が木の葉をそよがすように」  谷川俊太郎




さながら風が木の葉をそよがすように
世界が私の心を波立たせる

時に悲しみと言い時に喜びと言いながらも
私の心は正しく名づけられない

休みなく動きながら世界はひろがっている
私はいつも世界に追いつけず
夕暮や雨や巻雲の中に 自らの心を探し続ける

だが時折私も世界に叶う
風に陽差に四季のめぐりに 私は身をゆだねる──
──私は世界になる
そして愛のために歌を失う

だが 私は悔いない
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