chuo1976

心のたねを言の葉として

大島渚さん死去:体制や権力と戦い続けた映画監督

2013-01-16 05:25:26 | 映画

大島渚さん死去:体制や権力と戦い続けた映画監督

毎日新聞 2013年01月15日 19時52分(最終更新 01月15日 23時30分)




映画監督の大島渚さん=2000年3月23日撮影




 体制と戦い表現の可能性を追求し続けた映画監督、大島渚さんが15日、亡くなった。タブーに確信犯的に挑んでスキャンダルを巻き起こし、存在そのものが事件となる数少ない映画作家だった。【勝田友巳】

 京都大在学中には京都府学連委員長などを歴任。松竹にトップ入社してからは、メキメキと頭角を現した。デビュー作「愛と希望の街」から問題作。ホームドラマが伝統の松竹大船撮影所に似つかわしくない、貧しい少年の恋愛悲劇を階級的視点から描いた。学生運動の党派性を討論劇で描いた「日本の夜と霧」は公開4日で上映中止となり、松竹を退社。阿部定事件を題材にした「愛のコリーダ」では、日本で撮影してフランスで現像する方法で直接的な性表現に挑み、芸術かわいせつかを巡る激しい論争を巻き起こした。

 在日韓国人の死刑囚を主人公に、日本の権力構造の矛盾を風刺した「絞死刑」、家父長制の中で生きる若者の悲劇を描いた「儀式」。あるいは第二次世界大戦時に捕虜になった英国人と日本兵の愛憎渦巻く関係を描いた「戦場のメリークリスマス」、チンパンジーと人間の女性が恋に落ちる「マックス、モン・アムール」、新選組内での同性愛を扱った「御法度」。題材は常に挑戦的・挑発的で、秩序や常識を問う物語を作り上げた。

 評価は海外でも高かった。1970年代から回顧上映が行われ、名声は欧州で先に確立。日本で集まらない資金を獲得するために、いち早く海外に進出。「愛のコリーダ」以降の作品の多くはフランス、英国などとの合作だ。また坂本龍一さんやビートたけしさんら、映画界の外の人材を配し話題を作り、巧みな演技を引き出した。

 80年代後半からは「朝まで生テレビ!」などの討論番組などにも数多く出演。討論相手を「バカヤロー」と罵倒するなど歯に衣(きぬ)着せぬ論客として人気だった。01年以降は肺炎などを患い、妻の小山明子さんの看病のもと、闘病生活を続けていた。

 強烈なエネルギーは、魅力であると同時に近寄りがたい雰囲気も醸していた。「御法度」で訪ねた京都の撮影所は、車イスの大島監督を中心に緊張感に満ちていた。病からリハビリで復帰し、久しぶりの映画製作とあってか、過去の作品については語ろうとせず、「次回作」も禁句。だがハリウッドに渡った日本人俳優、早川雪洲を素材にした「ハリウッド・ゼン」に最後まで執念を燃やしていた。
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「大漁」   金子みすず

2013-01-15 05:12:11 | 文学
「大漁」   金子みすず


朝焼小焼だ
大漁だ
大ば鰯の
大漁だ

 
浜は祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
鰯のとむらい
するだろう
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「私と小鳥と鈴と」   金子みすず

2013-01-14 06:01:15 | 文学
「私と小鳥と鈴と」   金子みすず


 
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。

 
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんの唄は知らないよ。

 
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
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「こほろぎ」   金子みすず

2013-01-12 06:05:31 | 文学
「こほろぎ」   金子みすず


こほろぎの
脚が方つぽ
もげました。

 
追つかけた
たまは叱つて
やつたけど、

 
しらじらと
秋の日ざしは
こともなく、

 
こほろぎの
脚は片つぽ
もげてます。
 
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「お魚」   金子みすず

2013-01-11 06:40:45 | 文学
「お魚」   金子みすず



海の魚はかはいさう。
 

お米は人につくられる、
牛は牧場で飼はれてる、
鯉もお池で麩を貰ふ。

 
けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたづら一つしないのに
かうして私に食べられる。

 
ほんとに魚はかはいさう。
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「不思議」   金子みすず

2013-01-10 10:10:17 | 文学
「不思議」   金子みすず


私は不思議でたまらない。
黒い雲からふる雨が、
銀にひかっていることが。

 
私は不思議でたまらない、
青い桑の葉たべている、
蚕が白くなることが。  

 
私は不思議でたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。

 
私は不思議でたまらない、
誰にきいても笑ってて、
あたりまえだ、ということが。
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「日の光」   金子みすず

2013-01-09 08:59:22 | 文学
「日の光」   金子みすず



おてんと様とお使いが
そろって空をたちました。
みちで出会ったみなみ風、
(何しに、どこへ。)とききました。
 

ひとりは答えていいました。
(この「明るさ」を地にまくの、
みんながお仕事できるよう。)

 
ひとりはさもさもうれしそう。
(わたしはお花をさかせるの、
世界をたのしくするために。)

 
ひとりはやさしく、おとなしく、
(わたしはきよいたましいの、
のぼるそり橋かけるのよ。)

 
のこったひとりはさみしそう。
(わたしは「かげ」をつくるため、
やっぱり一しょにまいります。)
 
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「こだまでしょうか」   金子みすず

2013-01-08 09:05:49 | 文学
「こだまでしょうか」   金子みすず



「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。

 
「ばか」っていうと
「ばか」っていう。

 
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。

 
そうして、あとで
さみしくなって、

 
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。

 
こだまでしょうか、
いいえ、だれでも。
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「こころ」  金子みすず

2013-01-07 09:13:26 | 文学
「こころ」  金子みすず



おかあさまは
おとなで大きいけれど、
おかあさまの
おこころはちいさい。
 
だって、おかあさまはいいました、
ちいさいわたしでいっぱいだって。
 
わたしは子どもで
ちいさいけれど、
ちいさいわたしの
こころは大きい。
 
だって、大きいおかあさまで、
まだいっぱいにならないで、
いろんなことをおもうから。
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「ゆめとうつつ」  金子みすず

2013-01-06 08:23:58 | 文学
「ゆめとうつつ」  金子みすず



ゆめがほんとでほんとがゆめなら、
よかろな。
ゆめじゃなんにも決まってないから、
よかろな。
 
ひるまの次は、夜だってことも、
わたしが王女でないってことも、
お月さんは手ではとれないってことも、
ゆりのなかへははいれないってことも、
 
時計のはりは右へゆくってことも、
死んだ人たちゃいないってことも。
 
ほんとになんにも決まってないから、
よかろな。
ときどきほんとをゆめにみたなら、
よかろな。
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札幌国際芸術祭

 札幌市では、文化芸術が市民に親しまれ、心豊かな暮らしを支えるとともに、札幌の歴史・文化、自然環境、IT、デザインなど様々な資源をフルに活かした次代の新たな産業やライフスタイルを創出し、その魅力を世界へ強く発信していくために、「創造都市さっぽろ」の象徴的な事業として、2014年7月~9月に札幌国際芸術祭を開催いたします。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/about-siaf