What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

森谷明子 「七姫幻想」 &坂木司 「青空の卵」

2007年08月25日 20時12分25秒 | 図書館で借りた本
 お友達のペンタさんから薦めて頂いた小説を読破しました♪すっごく幸せになれました~、ペンタさんありがとう!

>森谷明子 「七姫幻想」

 短編が七つ収められている小説ですが、どれも和歌がインスパイアされていて、とても心に響きました。ちょうど次男が国語の授業の一環で”百人一首”を暗記していて(五十まで暗記しましたよ!まったくもって若い脳は凄いね~)”日本語の言葉の持つ意味の凄さ”を痛感していただけに、余計にどのお話も味わい深かったです。
 私は国語や古典好きな学生で、ただのヘタの横好きにしか過ぎませんが、三十一文字にあらゆる想いを込める技術には感服するばかりです。そしてこのお話を読まれる漫画好きさんなら、山岸涼子さんの「日出処の天子」や、永久保永一さんの「カルラ舞う」、大和和記さんの「あさきゆめみし」の世界感を思い出して頂けると思います。何百年のへだたりがあろうと、人が流す涙に違いは無いんです。


 さて「ご飯が三杯はいける」(爆笑)とお勧め頂いた、ペンタさんのお言葉に偽り無しだったのが「朝顔斎王」でした。これはね、乙女のロマンですよ。そして、女性にとってあまねく普遍の言葉だと思ったのが、

「それでも、それでも、なさらなければ。今までの数限りない神の女がしてきたように」

これは斎王でなくとも、何かを守りたいと思った事のある全ての女性に向かっての言葉だと感じました。



>坂木司 「青空の卵」

 「ひきこもり探偵」シリーズの第一作です。以前から、ペンタさんを含めあちらこちらで絶賛されていたので、いつかは読んでみようと思っていたのですが、いや~”本を読む喜び”を堪能させてくれました。残り二冊も読むのが実に楽しみです♪
そして今更ですが、主人公と作者さんの名前が同じなんです!京極夏彦さんの”京極堂”しかり、なんでだかドキドキしますね(笑)

 五つの短編が収められているのですが、特に心に残ったのは「春の子供」の一文、

「親になるというのは、お金も責任もあるだろうけれど、なにより、自分よりも幸せにしたい人間ができることなのだ。それはきっと、国や人種を問わない。世界中の親は、子供を想ってこうつぶやくだろう。」

「幸せに、おなり」

滂沱。



 
コメント (2)
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