長男が大学受験の為に現地に前日入りし、図書館から予約した本が入りましたよ~と連絡メールも来ていたので、もう読書解禁だー!とダッシュしてたんまり本を借りてきました。あぁ、幸せ♪チェックしてた本が何冊もあるんですが、貸し出されてたり予約がいっぱいだったりして(10人の待ちで心折れます)ブランクを埋めるのは難しそう。
○海堂 尊 『モルフェウスの領域』(角川書店)
読みやすかったです・・・というと海堂作品ファンには怒られるかもしれませんが。シリーズを通しての伏線と医学会の複雑な人間関係が入り組んでいるのが海堂作品の魅力のひとつ、なんですが、私は本作くらいの浪漫あふれるお話が好いな。
ところで読んでいる途中から、死神こと西野 昌孝さんが、脳内でミッチーに変換されてしまいました。いや、日焼けて真っ黒なミッチーってありえないんですけど(笑)全身黒服って、なんだかイメージ重なっちゃったんだなァ。あ、ミッチーは俳優の及川光博さんのことです。
○秋月 涼介ほか 『蝦蟇倉市事件 2』(東京創元社)
図書館のお姉さんに、「1巻まだなんですけど、いいですか?」(1、2巻を予約していたので)と申し訳なさそうに言われたので「読めれば良いんです!(笑顔)」と受け取ってきました。うん、1巻から読んだ方が好い話もあるんでしょうけど、待ってられない!
ネットや雑誌など、あちこちで面白いと評判の本作ですが、やっぱり面白かった!流行に乗れない私にしては珍しいです(笑)普段読まない作家さんのお話が読めるので、こういうアンソロはほんと好いですね。1巻の内容が判らないのでなんですが、全体的に「昭和の香り」のするお話ばかりでした。私的には、米澤 穂信「ナイフを失われた思い出の中に」が良かったな。なんせ米澤作品とは相性悪いので、普通に読めるお話に初めて出会えました(苦笑)
そういえば、このお話にちょっとだけ似ている、母親は不在、子供たちが三人で就寝中に火事になり、末妹だけが室外で絞殺されていたという事件、その後どうなったんだろう?
○大崎 梢 『背表紙は歌う』(東京創元社)
”出版社の新人営業マン”を主人公にした、本好きにはたまらん設定のお話のシリーズ第二作です。一作目の『平台がお待ちかね』が漫画化されているのご存知でしょうか?『暴れん坊本屋さん』の久世 番子さんの、雰囲気ぴったりの好い感じの絵です。無料で読めますので、お時間があるときにでもご覧になって見て下さい。
★「新書館:コミック&ノヴェル」( http://www.shinshokan.com/webwings/ )
本作のほうは、う~ん、なんというか展開が見えちゃうお話ばかりでした(苦笑)大崎さんの世界がお好きな人は、「新刊ナイト」が浪漫全開でオススメです。
○D・フランシス&F・フランシス 『矜持』(早川書房)
『女王陛下の騎手』から始まった、「小説家」ディックフランシスの最期の作品。解説を読んでいて、懐かしさというか、ずっと普通に傍にあった『競馬シリーズ』と、これでお別れなんだという寂しさが、ふつふつと胸にわいてきました。またシリーズの最初から読み直そう(うん、すっかり内容忘れてるお話もあるし・・・なんせ著作が多いから・汗)しかし、競走馬にあれこれして八百長する方法って、いろいろあるもんですね。
英国人は「馬に熱中する人物を、微笑ましく見守る」というスタンスなのを初めて知ったのは、名香 智子の『レディ・ギネヴィア』でした。同じ頃に『女王陛下の騎手』を読んで、競馬は貴族の嗜みなんだなァとしみじみ感じたものです。本作で、主人公が引退した企業家に、「妻のハロッズでの買い物にお供する回数を増やすくらいなら、競馬馬を持つのはどうです?」と勧めるくだりを読んで、英国人らしいなとにやりとしてしまいました。