風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

歌舞伎座新開場まであと3日!

2013-03-30 23:17:03 | 歌舞伎



リアリティを常に追求するテレビみたいなものも大事ですけど、逆にそこを表現しないっていうところが古典の素晴らしいところです。
嬉しいからただ嬉しいことをすれば嬉しさが伝わるかというと、そうじゃないじゃないですか。ぐっと堪えて嬉しさを噛みしめる、ぐっと堪えて悲しさを表現するっていうことの方が品がよく伝統としてはあって、そこを追求する芝居をどんどん練り重ねていく、先人達が何十年も何百年もかけて作ってきてるものですから、そこをなぞっていく。

古典は古典で決まったことなんで、守っていかないといけないんです。でも古典を原作として現代性をもたせるとか、そういうのも新しいお客様に楽しんで頂くためには必要。最終的に僕達の目標というのは、古典を楽しめるだけのものを提供すること。まず例えばスーパー歌舞伎をご覧になって「面白いじゃん。なんなんだろう」って観て、次はもうちょっと難しいのを観て頂いて、その次は言葉のない舞踊を観て理解して頂いて、今度はもっと大古典を観てみようと、そこをお客様がわかって頂けるように、古典が絶対的なゴールなんですよ。そのために新しいことをして、新しいことは新しいことで現代性があったりエンターテインメント性があることはいいんですけど、古典ってすごいんですよ。古典は一番新しいんですよ。やっぱり本当にみんなが考え尽くした形が残ってるんで、そこまで出来てる型は新しいんですよね。ちょっとしたことも全部新しいんですよ。悲しいから悲しいんじゃない。悲しいことを見せないで、観ている方に悲しいんだなと思わせたりする。疲れたときに緑が綺麗だな、海の音とか綺麗だなと思うじゃないですか。そういった感覚に似ていて、ちょっとしたことに全て凝縮した芸、そういったものが一番新しいんじゃないのかなぁって僕は思ってるんで、そういう風になれるように努力するとともに、そういうものを観て頂けるように新しいこともやるという。

27日配信の『めちゃ×2ユルんでるッ!』より、海老蔵談。
熊哲がバレエの伝統について言っていることと、どこか共通していますね。
へー、なんか意外。
團十郎さんがそういう考えの方だったことは知っていたけれど、海老蔵もちゃんとそういう風に思っているのね。
よかった。安心した。
「家によってルールは違うけれどうちの場合は、少なくともその人から習ったものについては、崩さずにそのまま演じなさいという風に父から教育されてる」とも言っていたし。
ぜひその気持ちを忘れることなく頑張ってもらいたいと、心から思いますよ。
いやほんと、染五郎も、獅童も、松緑も、菊之助も、勘九郎も、七之助も、もちろん海老蔵も、若手みんなを心から応援してるから、歌舞伎の未来のために頑張ってほしいのです。
私も安い席ばかりの微力ながら、お仕事がんばって観に行くので!

そういえばチケットの売行についての岡村さんのストレートな質問への受け答えを聞いて、あ、本人も3月の売行のことは知っているんだな、と感じました。赤坂が一人勝ちだったことも、テアトル&新橋&国立が半額になっていたことも。
「杮葺落があるから、3月は皆さん控えてる・・・」と言っていたけど、「演目や出演者による」とも言っていましたし。
でもその方がいいよ。役者も現状はちゃんと知っておくべき。そして危機感を持つべき。
売れるチケット=良い芝居というわけではもちろんないけれど、客に足を運んでもらわなければ何も始まらないわけで(それこそ上↑で言っているように)、現状を知った上でより良い芝居を提供しようと頑張ってほしい、と思うのです。
ちなみに週刊誌に出ていた「客席に空席が目立つ」というのは嘘ですよ。私が行った14日は、平日ですがテアトルは満席でした。半額なら見たい、という人はまだまだいるということ。頑張れ、みんな!しかし、新橋(染五郎&菊之助)と国立(福助さん)も同様に売れ行きが悪く半額チケットが出ていたのにそれには一切触れず、海老蔵のテアトルだけを強調して記事にするマスコミって、つくづくマスゴミですね。いつものことですが。

吉本新喜劇を初めて観に行った感想が「観客を笑わせられるかどうかの闘いで、怖いなと思った」というのは、舞台役者ならではの感想ですね。これもなかなか意外な回答でした。って私は海老蔵をどれだけ厚顔だと思ってるのか(笑)。観客の反応をちゃんと意識して舞台に立ってるのね。尊敬する先輩があの勘三郎さんなのだから、そりゃそうか。
歌舞伎はとても目の肥えた人達が客席に沢山いますし(私は単なるミーハーですが)、そういう人達を心底唸らせるレベルまで、ぜひとも到達していただきたいです。私もそんな海老が観たい!
團十郎さんの遺された「唯我独尊にならないように」という言葉をどうか大切に。

しかしあれだけキワドイ話題をさんざんふられたにもかかわらず(「人間国宝」「野球選手との腕相撲」「客の入りはどうなのか?」etc。ある意味かなり失礼な質問)、不機嫌になるでもなく、無邪気に好きなものについて語りまくり、最後は舞台出演までオファー。
天然でないんだとしたら、ちょっと尊敬する。
あんまり神経質な性格じゃないのかな。
私もそうありたいものであるよ。

藤山寛美の生き様の話は、地で憧れてそうですね、あれ^^;
海老蔵って昔は男友達少なそうなイメージだったけど、どうもそうでもないっぽいなぁと最近思う。
勘九郎に「最近面白い漫画ある?」って聞いたら「これヤバイっすよ」ってキングダムを紹介してくれたとか、仲良さそうで何より。
ドリフターズが大好きでDVDを持っているって言っていたけど、某元カノ有名女優さんも同じことを公言していますよね。たまたまかもしれないけど、アシタスイッチでも「結婚と恋愛は別」ってはっきり言い切ったり、なんか無邪気すぎて邪気だな、この人・・・・・・。
もっとも、そんなことを言ったら勘三郎さんなんて大変なことになってしまうので、やっぱり歌舞伎は遠くから眺めて夢をもらう世界なのだな、と改めて思った次第。
しかし観ていたテレビ番組の話題で思い出させられたけど、海老蔵って私と同世代なのよね(小海老が「うる星やつら」を観ていてラムちゃんが出てくるといつも親にテレビを消されてもんもんとしたっていう話、オモシロかった)。
あまりに異星人すぎて、すっかり忘れてました。


で、最後に。
このひと、結婚前は相当いろいろやってた感じだな、と正直思いました。。。^^;

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