文うつす硯の氷解けにけり 梅なき家も春は立ちぬる
安政元年12月24日に萩野山獄中から松陰が送った兄宛の書簡より。
硯(すずり)に氷かぁ、、、。そういう環境で本を読んだり勉強したり同囚の人たちへ講義をしたりしていたんですねぇ。
ちなみに松陰と2歳上の兄梅太郎との間で交わされる書簡は、国事を論じたかと思えば次の行では食べ物について冗談を言い合ったりしていて、微笑ましいです(^^)
世の人は われをなにともゆはばいへ わがなすことはわれのみぞしる
(坂本竜馬)
昔、京都の霊山歴史館で坂本竜馬のこの歌を見ました。
彼が歴史の表舞台に出るずっと前に故郷の土佐で詠んだ歌。
世の人は よしあしごともいはばいへ 賎が誠は神ぞ知るらん
(吉田松陰)
※賎(しづ)=自分
竜馬より6歳年上の吉田松陰は、海外の知識を学ぶために命がけでペリーの黒船での密航を計画し、そして失敗します。
これは、幕府に自首し、下田の獄中で詠んだ歌。
このとき25歳。
この後萩へと送られ、松下村塾を開き数多くの志士を育てあげます。
そして安政6年、この歌を詠んだ5年後、安政の大獄により江戸にて処刑されます。
淡雪の 降れどたまらぬ 梅が枝に 花は香りて 春風ぞ吹く
【本分を知り、困苦に耐えて清節を守り通しなさい。時には耐え難い程の忍従があるが、すぐ春風をともなって天与の恵風が訪れ、きっと幸福になる。】
これから秋になろうとするときに春風は季節はずれではありますが。
すっごく久しぶりの更新です。
皆様お元気でしたでしょうか?
私は精神的にとんでもなく元気じゃないときもありましたが、体は割と健康なのでまだまだいけるはずだと思ってます。
上の和歌は先日友達と一緒に行った鎌倉の鶴岡八幡宮のおみくじに書かれていたものです。
「末吉」だったので決してよくはないのですが(もっとも昔ここの初詣で大凶をひいた記憶があるからそれよりはまし)。
しかも近々転居を考えているのに「すべきでない」と出てしまったのですが、それは置いておいて(占いと一緒で良いところだけ信じることにしている)、和歌がとても綺麗で嬉しかったです。
ここのおみくじは、大凶でも素敵な和歌が多くてありがたい。
もう9月ですねー。
秋は私の大好きな季節で、どの年もある日突然夜に窓から入る風がふっと涼しく感じるあの瞬間にたまらなく幸福になる私なのですが、今年はなぜか少しだけ淋しく感じました。こんなこと、30まで生きてきて初めてです。
どうしてだろうなぁ。
秋には私の誕生日があるので、またひとつ歳をとるからかしら。
でも30になる去年でさえ淋しくなんかならなかったのだけれど。
自分でもよくわかりません。
※写真は鶴岡八幡宮ではなく、その東の方にある荏柄天神社。
先日お参りしたとき、竹ザルの上に梅を沢山乗せて干していたのです。
境内中が梅のいい香りでいっぱいでした。
これは全部ここの境内でとれた梅で(さすが!)、こちらの神社は祈祷のときのお神酒も梅酒なんですって。
素敵ですよね(^。^)