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石原都知事の参考人発言

2007年03月04日 18時10分58秒 | 政治って?
ちょっと寄り道からスタートで恐縮なんですが、グーグル検索とかをしますと、なんだか、反石原勢力というのは、所謂左派勢力の方々とか、差別と戦う○○とか、民族~~とか、そういう傾向が見られなくもないですよね。私がそうした一派と思われても困るわけですが。
そうすると、なるほど石原支持基盤というのはそういう一面もあるわけですか。そういった団体とかに反感とか、そこまで行かないにせよ不快感を抱いている一般人もいないではないですしね。なので、反石原勢力が活発に活動すればするほど、逆にそういう団体に不信感を持つような方々の離反を招いてしまってきたのかもしれませんね。実際どうなのか判らないのですけれどもね。


でも、反石原キャンペーンというわけではありませんが、発言内容は如何なものか、とは思いますよ。

国会の参考人として発言記録がありますが、これも結構スゴイですよ。


衆議院-会議録

(議事録より以下に一部引用)

国会等の移転に関する特別委員会  第4号 平成13年11月21日(水曜日)

○玄葉委員 玄葉です。きょう初めて石原都知事の話を聞かせていただきました。二、三御質問を申し上げたいと思うのです。
 一つは、集中、集積というのは文明の趨勢であるということであります。歴史的な集中なんだというお話でありますから、ぜひお聞きをしたいなと思うのは、これまでの日本における遷都と言われるものについて、知事としてどのように評価をされておられるかというのを、まず一つはお尋ねをしたいというふうに思います。
 もう一つは、政経不可分という問題でありますけれども、なぜ政経不可分であることが望ましいのかということであります。これは一つの大事な論点だというふうに思います。例えば、アメリカはもう御承知のとおり。中国も北京、経済の方は上海とか香港が頑張っているという姿が一方であったりするわけですけれども、なぜこれからの日本が政経不可分であることが望ましいのかというふうにお考えになられるかということが二点目。
 三点目は、先ほどの松本さんの御議論にも関連するんですが、私も今三期目なんですが、石原都知事が現職の国会議員であったころの国会等移転の問題に対する姿勢がわからないので、国会議員だったとき、石原都知事はどのような姿勢といいますか、対応をしておられたのか。そこはまだ私も調べていないのでわかりませんけれども、そのことも含めてお尋ねをしたいと思います。

○石原参考人 まず三点目からお話ししますが、私は終始反対でありました。
 これは金丸という好ましくない政治家が突然言い出しましてね、社会党まで籠絡されて、みんなるんるんで立ったの、起立して。私は金丸さんの割と近くに座っていまして、金丸さんが、おい、石原君、君反対かいと言うから、私は反対ですなと言って座った。それで、心のある自民党の東京都出身の代議士は私のほかに三人ぐらい座っていましたが、だれだか覚えていません。賛成で他の議員が全部起立した中で、自民党で座ったのは私を含めて四人。それから、はるかかなたに共産党は反対で座っていました。これがあの時点の現況であります。
 それから、遷都の問題ですが、要するに過去の日本の国における遷都はみんな政治的な背景がありまして、例えば典型的なものは、奈良から京都へ移った。これは、とにかく仏教が幅をきかせて、もともと皇室というのは神道から出たプリーストですからね、それが仏教徒の圧力の中で結局あの都を捨てて京都に移ったのですね。そういう、宗教を背景にした政治的な背景があった。これと現代における遷都というのは違うと思いますよ。例えばメルボルンもそうですし、あるいはブラジリアもそうですけれども、一つとして成功した例がない。要するに、都市としてのマチュリティー、成熟というのが一向に見られない。だから、もうこれは完全に失敗したと思います。
 それから、政経不可分は、経済というのはやはり能率を追求する人間の方法ですから、能率ということから考えれば、政治とのかかわり合いというのは非常に密接です。その政治と至近の距離で、いろいろな形で複合的にコンタクトすることが経済にとって必要なので。
 特に過去の日本というのは一種の官僚統制国家でしたから、一種の社会主義みたいな国だったから、この中央集権の中で経済が政治と接触する機会が多かった。私は、それはそう簡単に変わらないと思いますし、これからもそれは当分続くでしょうし、ある意味で経済と政治の連脈というものは日本では非常に成熟した形で来たし、そういう意味で、当分これからも経済と政治というのは物理的に至近の距離にあることの方が能率も追求され得るし。つまり、かなる経済だって、立法、行政というものにコントロールされるわけですからね、いかに自由主義経済社会であろうと。私は、やはりその限りで、物理的にそれが至近の距離にあるということは大変に結構なことだと思います。



全体はかなり長いのですが、一応お読み頂ければ。

「金丸という好ましくない政治家」
「社会党まで籠絡されて、みんなるんるんで立ったの、起立して」
「もともと皇室というのは神道から出たプリーストですからね」

石原氏は「政経不可分」との立場なんだそうだ。それって、所謂一つの「癒着体質」ってやつなのではないのか?(笑)

す、凄すぎる。
更に。



○石原参考人 それから、今の御発言で、私は、国会の決議というのは非常に大事なものと受けとめている、私も国会に二十五年いましたから。ただ、国会の決議にもいいかげんなものは随分あるじゃないですか。金丸なんて、けしからぬ、非常に悪い影響力を及ぼした政治家にみんななびいていて、あのときに、とりあえずどこかにいつか首都を移すという、こんなばかな決議をした国会というのは、世界じゅうないよ。

○田野瀬委員 そのばかとか(石原参考人「いや、ばかげているからばかげている……」と呼ぶ)あきれたとか(石原参考人「あきれたもの」と呼ぶ)非常に人権を無視するような(石原参考人「いや、人権じゃないよ、国民はこれを眺めているんだから」と呼ぶ)国会を無視したような、そういう発言は、少なくともこの国会ではやめていただきたい。

○石原参考人 いや、ただ、私は、国会を重視して、尊重しているから……

○永井委員長 今、田野瀬理事が言われましたように、本委員会の権威にもかかわることですし、国会の権威にもかかわることですから、本委員会におかれましては、冷静に、しかも品格のある言葉遣いをもって議論を深めていただくことを希望いたします。

○石原参考人 私は、インテリやくざだから品がないかもしれませんが、しかし、国会の決議、国会の権威といいますが、ある悪い影響力を駆使した政治家にこびて、明らかにそうですよ。いつ、どことも決めていない(田野瀬委員「私はいなかった、国会にいなかった、そのとき。国会にいない人はいっぱいおりますから」と呼ぶ)いや、とにかく、いつかどこかへ国会を移そうという決議をするというのは、だから、つまりその残滓というのは今日に及んでいて、この決議そのものがある意味じゃ国会の決議の対象になるほどレジティマシー、正当性がないんですよ。それは過去の歴史だって、日本の国会が全部一〇〇%すべて正しい決議をし、それが国民に納得されたか。随分間違いやってきたじゃないですか、これはその最たるものの一つだ。



うーむ、スゴイ。参考人が政治の表も裏も知っていて、「陰謀論」を出してくるとは。勉強になるな。「ある悪い影響力を駆使した政治家にこびて」というのが、国会決議の中には多数隠されているらしい。大臣経験者が言うのだから、間違いあるまい。そういう残滓は今日にも及ぶ、というのはある意味正しいだろうな。「ダムもの」なんかも、計画されたのは数十年前とかあるようだし。そういう計画を潰さねば、悪い影響力を行使した政治家の思うがままになってしまうし、残滓に苦しめられる、ということだわな。よく判りますよ。さすが、インテリやくざの元大臣で都知事になる方の意見は、核心をついていますね(笑)。


では続きをどうぞ。



○田野瀬委員 これは、金丸さんがおるときに国会に在籍しておった人、何人おりますか。一人だけですよ、知事。

○石原参考人 いや、だから、過去の歴史を知って物を言ってもらいたいというの。歴史を知って物を言ってもらいたい。あの決議……

○永井委員長 石原参考人から今お話がありましたように、決議にもいろいろな決議がある、いいかげんな決議があるというお話でございましたけれども、少なくとも決議を国会で、国権の最高機関で、どんな内容であろうともされたことは事実でございまして、そのことについては、やはり国会議員としての見識を持って対応すべきであると考えております。

○肥田委員 私、かねがねちょっと思っているんですけれども、どうもこの委員会でしている議論が国民的に広がらないということ。それで、これはもう若い人たちにこれから任せていくこの国の形でございますので、ぜひ若い人たちがたくさん入ってくださる、そういう場も持ってまいりたいと思いますけれども、一つお尋ねしたいのは、知事ならば、この議論、もう最終コーナーに来ているというお話も先ほどございましたけれども、この議論を国民的に盛り上げるために何かアイデアがあったら教えていただきたい。
 もう一つは、やはりあっちへ持っていこう、こっちへ持っていこうという綱引きの前に、自分がどういう二十一世紀のこの国の形をイメージしているかという、そのことをまず発言していくことも大事であると私は思っておりますし、そうやって皆さんもしていらっしゃいましたけれども、知事に、二十一世紀のこの国の形をどういうふうにイメージしていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。

○石原参考人 二十一世紀における日本のあり方、形については、これはもう議論百出でしょうから、ここで私が申し上げても長い話になりますけれども。
 この政治イシューについて国民の関心を喚起するというのは、いろいろな方法があるでしょう。しかし、やはり政府も動きませんと、政府自体がこの問題をどうとらえているかさっぱりわからない。それで、やはり政府は政府ですから、時の為政者というものはこの問題にある意識を持って、タウントークでも何でもそれを国民にぶつければ……。それは、小泉総理大臣にこの問題についての関心を言っても、いや、それは国会に預けてある、彼は逃げるでしょうよ。
 しかし、それぐらい、つまりこの問題というは、限られた人間しか関心を持たない、国民が良識的に、それを調査してごらんなさいよ。国民投票したらわかるけれども、そんなことなかなかすぐにできませんわな。私は、やはりそういう現実というものを皆さん直視されて、結局最終的に冷静な判断をしてもらいたいと思いますよ。
 それで、やはり、こういう時代ですから、情報というものをどんどん公開して、どういう議論が行われているか。
 それは、かつて金丸が全盛のときに、いつ、どこでもいい、とにかくどこかへ、いつか国会を移そうなんて決議をするといったら、国民は笑いましたよ。しかし、それはもう本当に国会という、ばかばかしいでかい建物で、一種の密室の中で行われたんだから。みんな照れ隠しに笑いながら立ったんだから。中井さんだって立ったんだろう。



最後にはいいことを言いますね。

「本当に国会という、ばかばかしいでかい建物で、一種の密室の中で行われたんだから。」

まさしくその通りでありましょう。国民の多くが関心を示さないことをいいことに、昔は好き勝手なことを決めてきたんだろうと思いますよ。元大臣ですので、仰るとおりの実態だったでしょう。今でもそういう傾向は残されているでしょう。それを改めねばならないのは当然だろうと思いますよ、やっぱり。

国民の側がもっと注意して見ていなければならない。
石原氏の言うような、「好ましくない政治家」、「悪い影響力を及ぼす政治家」というのが政治を牛耳っている限り、良くなることはないでしょうね。ご忠告感謝致します。



教育分野の見通し

2007年03月04日 13時48分45秒 | 教育問題
先日の宿題になっていたものですが、ちょっと間が空いてしまいました。失礼しました。前の記事に頂いたコメントを再掲致します。

記事はこちら>崩壊は止まらない


私は健康・医療分野は今後伸びると思いますが教育はどうでしょう?むしろ公教育の強化で少しずつ塾が不要になるような。(少子化の要素の一つが教育費の高騰の為)日本の実践的でない大学教育や大学受験を目的にするシステムが無駄との理論が沸いてくると思いますが甘いかな?

それと日本に掛けているのは金融の運用力と個人消費を喚起する余暇だと思います。アメリカに比べ10ポイント以上低い個人消費と第三次産業の就業率。日本は残業が多く平日の余暇時間が無く、長期休暇も無い。物を買う消費スタイルよりサービスを買うスタイルのほうが国内でお金が回るわけで雇用も増えます。どうでしょうか?



殆ど仰る内容について同意なのですけれども、教育分野での将来についてもう少し補足したいと思います。
私の考えとしましては、1人当たりの教育投資を増やすべき・そして増えるであろう、と考えております。これについて述べたいと思います。

まず、これまでの日本というのを振り返ってみれば、昔は「中卒」が珍しくはない時代がありました。集団就職とか、そういったこともありましたが、段々と高卒以上が9割以上となっていきました。更に、高卒で就職する割合は減少し、専門学校への進学割合は増えました。大卒以上の割合も増加してきたのです。近年、海外留学者の増加やロースクールなどや大学院重点化などの施策によって、大卒以上の教育課程を経験する割合は増加してきたのではないかと思っております。

他の側面としては、英会話に関する投資などがわかり易いと思いますが、学校教育終了後であっても「何かを学ぶ」為の投資というのが行われるようになっているのではないかと思われます。パソコン教室なんかもそうですね。ある1人の人物を見てみると、義務教育~高等教育、社会人になった後での教育、専門分野に関する教育、これらが長い年月に渡って行われてきているのであろうな、と思うのです。これからの時代であれば、かつての単純労働のような仕事は減少していくと思われ、所謂頭脳労働のような仕事の比重が大きくなっていき、さらに高度化・専門化された分野での仕事が重要になってくるであろうと思います。そういう労働の変化に伴い、必要とされる能力・知識などが高度なものとなり、就業後であっても広い意味での教育投資が必要とされるであろう、と思われます。そういった意味においては、教育分野においては価格上昇をもたらす要因になるであろうな、と考えています。

経済規模で考えると、人口減少が明らかですので、教育分野の総額がどういったことになるのかは不明ではあります。すなわち、1人当たり300万円の投資であったものが、将来1000万円投資に変わったとして、10人だった時代ならば総額3000万円ですが、4人に減ると4000万円ということになります。1人当たり投資額が500万円にしかならなければ総額は2000万円に減りますし、たとえ1000万円になったとしても、日本国内での高度な教育が全敗し、みんな海外の大学院などに行ってしまうのが標準的となれば、投資額の一部は海外へ逃げていくことになるので、日本国内の市場規模は縮小するでしょう。単純に、従来型の進学塾とか、競争力のない専門学校・大学などの需要は少子化がのために伸び悩むとか減少していき、大手に集約されていく可能性はあると思います。必要とされるのは、ある程度特化した分野に強いとか、国際的な基準で遜色のない教育を提供できる、といったものではないでしょうか。

他には、昔だと少なかった、スポーツ・音楽・芸能関係の教育でしょうか。現在でも、趣味の延長に「習い事」のような部分はあると思いますが、もっと専門的とか高度な教育システムみたいなのが出てくるかもしれず、そういった市場は個々の需要が小さいけれども、多額の費用がかかる場合も多いので、価格は上昇するだろうと思います。例えば、ゴルフ、水泳、フィギュア・スケート、バレエ、バイオリン、ピアノ、みたいなものです。子どもの教育にも関係ありますが、大人になってからでも需要はあると思いますので。

ヘンな喩え(「機械に喩えるなんて・・・」とか最近流行りの非難があるかも)ですけれども、パソコンの性能をアップするのに、「ハードディスクは容量を従来の~倍以上で」「CPUはハイエンドマシン用最速最強で」「メモリは最低1G以上で」みたいなもんかな、と。個々の人間の水準を上げようと、あれこれ投資するんだろうな、と。性能のいいマシンならば、色々と付加価値の高い仕事(安いマシンではできないグラフィック、設計、デザイン、アニメーションとか?)に使えるよね、というようなことかな。1人ひとりは生産性の高い仕事をこなす、ということになって行くでしょう。

ですので、教育サービスを提供する人たちの所得水準が上がっていくので、恐らくサービス価格は上昇するであろうな、とは思います。市場規模全部でどれほど大きくなれるかは未知数なんですけれども。



米国におけるサブプライム・モーゲージの危機?

2007年03月04日 00時24分43秒 | 社会全般
先日の株安をもたらした不安の一因にも挙げられていた、米国の住宅ローン市場の問題。

Yahooニュース - ロイター - サブプライム融資への懸念でノバスター株急落=米株式市場

米国にはこうしたサブプライム向け専業の企業があるようですが、この経営が悪化しているみたいです。


他のニュースも見てみると、こんな感じ。

NIKKEI NET:国際 ニュース

(記事から一部引用)

米国の住宅ローン市場に変調が起きている。信用力の低い人を対象とした高金利型のサブプライムローンの延滞や物件の差し押さえが増加し、昨年末以降、同ローンを専門とする金融機関の破綻が相次いでいる。不安は大手銀行などにも広がり、金融株は今年に入って下げ幅を拡大。最近の株価急落の一因にもなっている。

問題が表面化したのは昨年12月。オウンイット・モーゲージ・ソリューション、モーゲージ・レンダーズ・ネットワークなど、サブプライムローンを専門的に手掛ける比較的小規模の金融機関が資金繰りに行き詰まり、業務を停止した。2月に相次いで米連邦破産法11条に基づく資産保全を申請。ほかにも約20社が業務を停止しており、今年中に100社が破綻するとの観測も出ている。



そして、こちらも。

NIKKEI NET:主要ニュース

(記事から一部引用)

米連邦準備理事会(FRB)などの米金融監督当局は2日、信用力の低い人を対象とした高金利型の住宅ローン(サブプライムローン)に関する指針を発表した。サブプライムローンの審査を厳格にするとともに、利用者への情報開示に万全を期すよう金融機関に要請した。今回の指針では、サブプライムローンの金利変動リスクが高いことを利用者に周知すべきだと指摘。利用者の返済能力を十分に審査して、無理のない融資を実行するよう求めている。




へえ~、と思いました。米国でそういう問題があるのですか、と。
日本の貸金業の上限金利問題でも「サブプライム層」への融資が絞られる、とかって言ってたですよね。「規制をすれば、闇金に行く」とかって。こういうサブプライム層は、本当に闇金から借りてるんですか?そうとは思えませんけど。
「米国には規制がないんだ、それが経済学理論では正しいんだ」とか謳ってた人たちは、こういうサブプライム・モーゲージにしても、「規制なんかいらない」とか言うんだろうね、きっと(笑)。米国のスコアリング・モデルであっても、こうした延滞債権の増加や貸し手破綻の懸念さえもあるようですね。これが現実の経済、ということなんでしょうか(笑)。
こういうのを経済学理論に基づいてどのように解説するのか、是非聞いてみたいですね>早稲田大学商学部どの

米国では以前にこうしたモーゲージに関する貸付の規制が検討され、HOEPAが導入されたらしい。規制反対派ならば必ず文句を言うはずだろうけど(爆)。当時のFRBが高コスト・ローンの定義として財務省証券金利に+8%というような上限を主張していたらしいが、これも上限規制なのではないか、としか思えないが。年収に対する返済比率にしてもやはり規制され、所謂「量的規制」も同時に行われていたようです。こういうのは、大竹―池尾議論でも登場していた、所謂「プレデター」問題があったからこそ考えられた規制なんですよ。まあ、FRBが間違った判断をしている、という主張をするのでしょうね、規制反対派たちは。ですよね?

こうした規制をすれば、サブプライム層の融資は削減され大幅に減少する、という反対理由が実しやかに述べられていたらしいが、現実には「融資額」は拡大した。そして、現在のような焦げ付きを招いているのが実態なのではないか?というようにしか見えないのですよ。おまけにこういう状況となって、審査を厳しくしましょう・無理のない融資をしましょう、ってどこかの国でも言ってたようなことが「米国でも」出されているのって、一体どういった経済学理論に基づいているのでしょうね(笑)。規制はいらない、とか理屈を並べていた人たちならば、正確に判ることなんでしょう。


やや外れるが、日本でも大手貸金業での新規申し込みのうち、「約半分を断っている」というニュースがあったようだが、これもいくつかの見解が分かれるのではないか、と思うが。これまで「新規申し込み」のうち、全部約定していると錯覚しているのか何なのか判らないが、「半分しか約定しない」というのを殊更取り上げてくるというのも、理解に苦しむ。ある意味、印象操作みたいなものかとも思ってしまった。上限金利は現在「変更前」ですから(笑)。移行期間もまだ先までありますし。要するに、上限金利規制の議論前と法的条件なんて変わっていないんじゃないでしょうかね。それで、約定が約半分だ、というのは、貸し手側の「審査基準」が厳しくなったのであろうな、ということが予想されるだけで、それは「貸倒率」を抑制する為としか思えませんよね。

参考までに、昨年の上限金利規制の問題が取り上げられる以前から、約定率は約6割弱であり、それと比べれば変動があったかもしれない、という可能性が考えられるだけでしょうね。これまでの約定率が100%近かったのに、それが半分に落ちれば「相当厳しく審査される」ということになると思いますが、そこまでの変化ではないでしょうね。仮に約定率が60%から50%となっていても、実際に有意差が出ているかどうかさえも判らないかもしれないですけどね。日銀の度重なる金利引き上げ(笑)を目の当たりにして金利先高感が醸成されるとか、調達金利が上昇した可能性もあるしね。コスト負担が増えた分だけ、利益幅が圧縮されるので、その分貸倒率を下げる必要が出てくるのですし。

自分が貸金側の立場に立つとすれば、返還費用がかさんでるし、今後の適用金利の厳しさを考えれば審査基準を厳しくしていこう、と考えるのはごく普通ではあると思いますけれどもね。じゃあ、これまでの貸出というのは、一体どういう審査基準であったのか、ということについて、疑問に思う部分はあるが。平均約定金利を20%以下に落としていかねばならないとすれば、他の貸金で借りてる債務者への貸出は慎重にならざるを得ないわな。すなわち、借入総額・件数(=要するに多重債務ってことだな)抑制という効果をもらたしているかもしれないね。断られた人々が闇金に一直線なら、逆効果かもしれないですが。


まあ、「サブプライム層」の融資云々とか言ってはいたものの、米国ではその焦げ付きが明らかになってきた、と。これも「規制のあるせいだ」とか言われるのかもしれませんけど(笑)。